2007年2月に青森県が実施した県内市町村の小中学校の敷地内禁煙化状況について、当初県教育庁では各地区毎に集計したデータだけを公表し、市町村毎の実施率は公開されていませんでした。
そこで当会では県教育長に対して情報の公開をお願いし、別紙資料のような市町村毎のデータを入手しました。
<概要>
1)各地区毎のデータで明らかになっていた地区間の大きな格差(津軽地域で敷地内禁煙化が大きく立ち後れていること)だけでなく、同じ地区の近隣の市町村でも100%からゼロ%まで大きな差があることが判明しました。
2)小学校、中学校とも全校で敷地内禁煙が実施されている自治体は、平内町、蓬田村、大鰐町、三沢市、おいらせ町、むつ市、八戸市、五戸町、階上町の9市町村で、小学校のみが今別町、中学校のみが深浦町の各1町でした。
3)逆に、小学校、中学校とも全校で分煙にとどまっている自治体は、つがる市、板柳町、大間町、三戸町の4市町、中学校のみで全校が分煙にとどまっているのは五所川原市、鰺ヶ沢町、鶴田町、黒石市、西目屋村、藤崎町、平川市、田舎館村、横浜町、六ヶ所村、風間浦村、田子町、新郷村の13市町村で、津軽地域の市町村が多く含まれていました。
4)全体として、小学校よりも中学校の方が敷地内禁煙の実施率が低く、中学生の喫煙防止の観点から非常に問題があるものと思われました。
5)また、全校で敷地内禁煙が実施されると報道された複数の自治体において、一部の学校で実施されていない実態が判明しました。
<提言と要望>
子どもたちが生まれた市町村によって受ける教育環境に大きな格差が生じている現状を放置することはできません。これまでと同じように各学校や各市町村の取り組みに任せていたのではこの状況を一気に改善できないことは、健康増進法実施から現在まで4年間の情勢をみても明らかです。
すでに2001年には日本学校保健学会が「青少年の喫煙防止に関する提言」の中で学校の敷地内禁煙化を提言し、和歌山県では2002年に全ての公立学校で敷地内禁煙が実施されています。
子どもたちの教育の場であり毎日の生活の場でもある学校は、タバコのない環境にすべきです。受動喫煙の害がないことはもちろん、教師がタバコを吸わないというロールモデルを示すことが未成年の喫煙防止につながることは、いくつかの調査でも明らかになっています。
当会では、県内全ての市町村で小中学校の敷地内禁煙が早急に実施されるよう、県および各市町村の首長、教育長に対して強く要望します。未だに実施されていない自治体は行政の不作為に相当すると言っても過言ではなく、危機感を持って早急に対策をとられますようお願いします。
↑4.県内3市のシティホテルにおける禁煙対策調査結果について
↓6.世界と日本国内、青森県内のタバコ規制対策のギャップについて