「一天四海・新涼の刻」、「中入」 の後で 高座に 「瀧川鯉昇師匠」 が 登場して、恒例の

   「場内睨み」・・・暫らくの間 「場内」 を黙って見渡してから、おもむろに口を開きます。

 

   今日、家を出る前に 『傘』 を 持って行こうか 行くまいか 三時間ほど考えて 『要らない』

   と決めまして・・・・・知人に言われたんでございますが、「台風」 で風雨激しい時は 「傘」

   じゃなくて、必要なのは 『着替え』 じゃあないのかと。

   あの~ 「傘」 ですが 台風の様に風が強い日は壊れてしまう事もございますが、「傘」 は

   『武器』 になる時もございますんで。

   風の所為で あ、あれ~と云う間に 後ろの方を刺してしまう事もあるんで、その時 『自分

   が傘を離さず持っているか、手を離してしまったか』 これが大事でして、『傘を 手に握っ

   ていれば、傘の所有者が刺した』 と云う事になりまして、『手を 離した後では 刺さった』

   訳ですから、この場合は 『責任がない』 事になりますんで・・・あ 危ないなぁ~ と云う時

   には 『手を離してしまう事』 を お勧めしたいと思います。

   まぁ、今年の暑さは異常でございましたですねぇ、なにしろ 「気温」 が 「体温」 より 高い

   んですから。

   九月になりますと 「防災訓練」 が、方々で行われる訳でございますが、訓練に参加する

   人の 真剣な 憑かれたような 、その 『目』 が怖いなぁと思ったり・・・・・。

   私は 「スポーツ音痴」 なんでございますが、それも 『メニエール病』 と申します病気もち

   でして、小学校で 壁新聞を貼ろうと致しますと 「水平」 に貼れませんで、生徒たちが 首

   を傾げて、あ あれ~と言いながら読むんです。 「ソフトボール」 等も 見学する事になり

   まして、「耳鼻科」 に参りましたら 「メニエール病」 と云うことが判りまして、そう云えば耳

   に 『蝉のジーと云う音』 が始終聞こえると伝えましたら、それは未だ良い方だそうでして

   時々耳元で 『子供の話声』 のようなものも 聞こえると言いましたら、そこまではまぁ良い

   が 『子供の姿』 が見えたら重症だそうで・・・・・。

   小学校の頃ですが、学校には 「プール」 が在りませんで 「浜名湖」 でございました。

   当時から 「浜名湖」 では 「鰻・車海老・海苔・鮎・すっぽん?・牡蠣」 の 養殖が行われて

   おりまして、「泳げる生徒」 は良いんでございますが、我々 「泳げない生徒」 は 湖を歩く

   事になりますんで、あの 「開けるのも大変な牡蠣の貝殻」 が底に沈んでおりまして これ

   で 「泳げない生徒 47人」 が足を切りまして 血だらけになるんでございます。

   この47人が 「中学校」 に進みますと 「プール」 が在るんでございます・・・「プールの底」

   に 「牡蠣の貝殻」 が 沈んで無いか見に行きますと 「無い」 と云うんで、「プールの授業」 

   が楽しみになりまして 泳げるようになりました・・・・私は 「3m」 泳げるようになって、少し

   でも長い時間 「プール」 に入って居たいので、家から 「海水パンツ」 を 穿いてくと云う事

   にしましたら、みんなが真似をするようになりました・・・「ハイテク時代の 先駆け」 で。

   「楽しみ」 と云うのは、「その当日」 よりも 「前日」 の方が大きい様でございます。

 

   『馬のす』

   明日は 「釣りに行くんだ」 と云う事で、前日の夜には 「釣り道具」 を並べまして・・・・・。

   「ええと 『竿』 は、これとこれを持って、んん 此れで良しと。 『糸』 は、あ これで良いかな

   暫く使っていないから、確かめておいた方が・・・あ、切れちゃったよ。 こっちは如何だい、

   ああ これも駄目だよ、『糸』 が無くちゃ 『釣り』 に成らない。 『釣り道具屋』 は この時間、

   開いてる訳きゃないよね」

   奥方は、「明日の釣り準備」 が始まったら 夢中になって話しにならないと、黙って 「枝豆」 

   を茹でております。

   丁度その時、玄関先に 「馬子」 が 「一寸の時間なんで、お願いしますよ」 と 「白い馬」 を

   繋いで行ってしまいまして。

   その 「馬の尻尾」 を見ておりますうちに閃きました・・・「馬の尻尾」、これ 『釣り糸』 になん

   ないかい?

   思う間もなく、「えい」 を引き抜いておりまして 「んん 良いんじゃないか。 使えそうだねぇ」

   「そうだ、予備に もう一本、もう一本」 と抜きまして・・・「あっ、同じ処から 抜いたんで あは、

   ハゲちゃったよ」

 

   「あっあああ、お前 馬の尻尾を抜いちゃったのかい! お前は知らないから、そういう事が

   出来るんだ。 馬の尻尾を抜くと 如何なるか 知らないだろ」

   「え、ええ~っ。 なになに? 教えて呉れよぉ~」

   「そうだな、親しき仲にも 礼儀ありって言うだろ。 教えても良いが、酒の一本でも・・・・・」

   「分かったよ、でも 『酒』 が無いんで・・・」

   「駄目だよぉ~、奥方が酒を下げて帰ったの見ちまったんだからさ。 肴は、なんだ 『枝豆』

   が 茹で上がってるじゃないか」・・・・・「酒の銚子」 を 二本つけさせまして 飲み始めます。

   『枝豆』 を 二つ三つと 口に放り込んじゃあ、酒を グビリと。

   「ねぇ、如何してなんだよ・・・教えて呉れよぉ~、馬の尻尾を抜くと さあ 如何なるんだよぉ」

   「この 『枝豆』 の喰い方、教えて遣ろうか。 口の処に持ってきてさ、空気と一緒に吸い込む

   んだよ、ほら! 女将さん、『枝豆』、塩加減と云い 茹で加減と云い 良く出来ていますよぉ」

   「『枝豆の喰い方』 は、良いからさ。 早く 『馬の尻尾』 を教えて呉れよ」

   「もう一本 飲んだら教えるよぉ。 聞いて良かったと思うからさ。 急ぐない!」

   「酒」 に有り付き、「枝豆」 を たらふく食って、機嫌良く酔って ああだこうだと 話が途切れま

   せんので、いい加減に しびれを切らし 「早く 教えろ!」 と大声を上げますと・・・・悪びれず、

   最後の 『枝豆』 を口に入れまして 残った 「酒」 を飲み干し平らげます。

   「『馬の尻尾』 を抜くと、如何なるんだい!」

   「『馬の尻尾』 抜くとな・・・・・馬が 痛がるんだよ」

 

   『馬のす』 と云う 噺なんですが・・・『馬のす』 って なに?

   『馬尾毛』 と書くらしんですが、『尾毛』 で 『す』 と読むとか。

   『馬尾毛』 で 「『ばす』 と読み 『釣り糸』 等に用いられる」 と書かれた 「辞書」 も在りました。