燧ヶ岳(その二) | 気ままにアウトドア

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2022年9月17日

 

 

(その一)からの続きです

 

 

 

 

 

 

直登するガレガレの道を登り上げて

ハイマツのトラバース道へと入り込む

左手には帝釈山辺りが望めて

振り返れば先程通って来た

熊沢田代の色付いた草原が見下ろせる

 

 

 

ハイマツの道を更に辿ると

スラブ状のザレた斜面のトラバース路

丸太が確り設えてあり不安なく通過する

ここまで来れば山頂はもう直ぐだ

暫しの直登部分をやり過ごすと

9:44

大岩の点在する頂稜部へと躍り出る

そこは東側のピーク”俎嵓”

強めの西風が吹く中

幾人もの登山者が屯している

勿論、ここからの展望はお墨付き

何せここは東北地方の最高峰

日光や越後、会津の山が

手に取るように眺められる

 

 

 

さて、人も多く足場の悪いこの山頂から

もう一つのピーク柴安嵓へと向かいます

ここ燧ヶ岳は耳二つの双耳峰

柴安嵓の方が標高が高く

山頂標もそちらに設置されています

 

俎嵓から鞍部へはハイマツ帯の中

溝状に抉れた急傾斜道が続いている

狭い溝の中はすれ違いに少々難があるが

そこは臨機応変

お互いに譲り合ってその場を切り抜ける

山へ来ると下界では見る事の少ない

そんな人たちのさり気ない行動の中に

日本人本来の思いやり気質を

感じる時でもあったりする

 

鞍部からは急斜面の登り返し

理屈では俎嵓から下った分以上に

登り返す事になるのだが

思ったほど苦を感じずに

山頂部の岩場に辿り着く事が出来た

10:15

柴安嵓(燧ヶ岳)山頂へと辿り着く

 

 

 

こちらの山頂にも多くの登山者の姿

西風が強めに吹いているが

皆さん其々に山頂時間を楽しんでいる

自分もここで贅沢な景色を眺めながら

早めの昼食タイムをとる

 

俎嵓からは柴安嵓に遮られて

全容が見えなかった尾瀬ヶ原を見下ろして

その向こう側には

尾瀬のもう一つのランドマークの至仏山

 

 

 

そしてその右側には越後の山々が続いて

新潟平野が靄の中に消えている

 

 

 

気象条件が良ければ

日本海まで望めるのだが

生憎、台風接近により湿った空気が入り込み

それは叶わぬものだった

上空を仰ぎ見れば空を占める雲の量は

今朝よりも着実に増えているのが分かる

 

さて、そろそろ下山の途へ

今回も往路を戻るピストン

先ずは俎嵓との鞍部へと下る

 

 

 

東側斜面の道は当然ながら

西風の恩恵は無い

まだまだ強い9月の陽射しを浴びて

暑さを感じながら

 

 

 

鞍部へ下り立てば俎嵓への登り返し

まだ昼前のこの時間

山頂を目指す方も多くて

すれ違いに気遣いながら

溝状の道を登り上げる

 

11:11

再び俎嵓の山頂に立つ

先ほどは大勢の人達に占拠されて

写真も撮らずだったが

復路ではタイミング良く人が途切れて

山頂の祠をカメラに収める事が出来た

 

 

 

もうここから後は下るだけだ

左手に先程の柴安嵓を見て

ハイマツの中を下れば

熊沢田代と会津駒ヶ岳が見えてくる

 

 

 

歩き難いガレ沢ルートを慎重に下って

ハイマツ帯をトラバースすると

程なくして熊沢田代の上部へと辿り着く

 

 

 

木道をコンコンと音を立てて下り

12:16

熊沢田代の池まで下りて来た

ここのベンチで一休み

往きの時は人が一杯だったけれど

この時はベンチには誰もおらず

ちょっとのんびり出来ました

 

 

 

熊沢田代の池から緩やかに登り返して

振り返れば木道の先に伸びやかな燧ヶ岳

 

 

 

ハイマツの間を抜けて小さな草原に出る

登りながら古い側火山の痕跡と思った場所

 

 

 

ハイマツ帯は直ぐに

背の高い樹林帯へと切り替わって

急斜面の道を下りだす

東側の開けた階段道で広沢田代を見下ろして

 

 

 

少しばかり泥濘んだ道と

急傾斜の道を下れば

13:14

その広沢田代へと辿り着く

 

 

 

湿原の入り口には

夏の花のオゼミズギクが数輪残ってて

ちょっと嬉しい出会いもあったりして

 

 

 

木道を更に辿って行けば

いよいよ厳しいゴロタ石の急下降路

 

 

 

滑り難い岩質とは言え

脚の踏み下ろしは自然と慎重になって

 

 

 

そして長い下りの終盤には

やっぱり脚の疲れが・・・

踏ん張りの利かない脚を騙し騙し下れば

何とか水芭蕉の茂る小沢へと

下り立つ事が出来た

後はもう下り道は無くて

朽ちかけた木道を辿るだけ

 

 

 

分岐点から燧裏林道へ出ると

往きでは気付かなかった

トリカブトの群生が見られて

最後にチョット得した気分

 

14:14

御池登山口駐車場へと到着です

 

 

 

久しぶりにやって来た尾瀬の燧ヶ岳

この御池登山口からの道は

急登道と穏やかな湿原が交互に現れて

バリエーション豊かな道

何度訪れても飽きさせる事の無い

ここは素敵なルートでした