昨日の続きになります。サンエンアオイ(秋咲きヒメカンアオイ)の花を採取して内部構造を撮影することにしました。



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蒲郡市の市史・植物誌よれば、蒲郡市にはヒメカンアオイとスズカカンアオイ(写真は無い)が分布していると記載されていましたが、私が今迄に調べた結果ではスズカカンアオイは見つかっていません。これは、おそらく11~12月頃に咲く(私の調査では、蒲郡市近辺のヒメカンアオイの開花期は少し遅いことがわかっています)カンアオイの花を見て、記載当時(昭和34年)はスズカカンアオイと思い込んでいた為ではないかと思います。尚、現在の市史にも当時のまま記載されていました。又、蒲郡市近辺の他の市町村の植物誌などにもスズカカンアオイの記載がありましたが、全て誤記載であった。






写真の2株から採取した花を観察

一見すると萼裂片の様子、大きさなどに違いがありますが、これは良くみられる個体差である。

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萼筒の形状は同じで括れは無く、やや上に向って広がっています。

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解体して内部構造を確認

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左側の花の内部縦横隆起などの様子

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縦の隆起線が少し乱れているが数はヒメカンアオイの範囲内であり、花柱の突起は開口部に達しています。

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右側の花の内部縦横隆起などの様子

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個体差ですが、こちらは格子状の縦横隆起線がはっきりしており、花柱の突起は開口部に達しています。

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子房の位置を確認すると同じ位置にある。

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このように見た目は、左側の個体は花も少し大きく、萼裂片が少し反り返っていることから、違う品種の花のように感じてしまうかもしれないですが、これは個体差であり同じ品種である。