先日の事ですが、サンエンアオイ(秋咲きヒメカンアオイ)を観察していると、あることに気がつきました。


それは、カンアオイの種子の移動距離です。


前川文夫氏((まえかわ ふみお、1908年明治41年)10月26日 - 1984年昭和59年)1月13日)は、日本植物学者。植物分布進化に関する高邁な学説を立てたことで知られる。)の推測では1万年で1Kmはいけるだろうとされています。




自生地で、種子散布による移動(広がり)のようすを観察することに絶好な個体群を見ることができました。



イメージ 5

親株の間隔は8~10cm程であった。

イメージ 1

カンアオイの種子は、他の植物などのように風に乗って飛んだりとか、果実を鳥に食われることも無く、親株の根元に種を落とすだけの為に子株は、せいぜい親株の根元部分から10cm程の範囲内に散らばっています。

イメージ 2




写真をトリミングしてみると、中央付近にある細長い双葉の個体が今年の発芽苗で、花の左右にある1枚葉の個体が更に1年~2年ほど経過した個体である。

イメージ 4




更に、下の写真では、親株の根元・花の咲いている位置から15~16cm(ライターの大きさは8cm)ほど離れた位置に二つの子株が見られますが、同じ時期に生えた子株のほとんどは親株の根元付近にあり、このように離れた位置に生えた理由としては、大雨などによって流された可能性や蟻が運んだ可能性が考えられます。

イメージ 3


しかし、これらはすべて平坦な場所であり、斜面の場合は、地震とか大雨による地滑り・竜巻などの強風・台風やゲリラ豪雨などによる流水による種子の移動距離はこれよりも更に伸びることが考えられ、四脚動物の爪の間に種子が入った場合のその移動距離は、かなり伸びることが想像できます。