見た目が素敵で憧れていた「L字の玄関框※(かまち)」
帰宅後すぐ使える!と憧れていた「玄関ホールの手洗い」
いずれも「それらを採用しない提案」をした坂口。
提案の理由に納得され、実際には採用しなかったNMさんの実例と感想の話。
※玄関框とは…玄関土間からホールに上がる段差の部分
前回の記事に引き続き、長野県在住のNMさんちの「2カ月暮らしてみた感想」をご紹介。
当初NMさんから頂いた玄関付近のお悩みは…
・「ホールに手洗い」「コート収納」を希望したらA案が提案された
・主人は気に入っていて不安もないと言っているが、収納が少ないような…
といった内容を奥さまであるNMさんから頂いた。
そんなNMさんちの玄関付近の原案はコチラ↓(どちらにしようか…といった様子)
「コート収納が欲しい」と言ったら、A案はどうか?とビルダーさんに提案された模様…
(A案の「ホール収納」とある部分がコート収納を差します)
ふむふむなるほど…
・L字の框は確かに見た目もおもしろくインパクトがある!
・収納は確かに…やや少なめかも!
でもでも…
それよりも坂口が気になったことは、NMさんのお悩みにはなかったが、
■靴収納がすべて玄関土間部分にあること
■せっかくの手洗器が狭い空間にあること
■玄関入った正面に丸見えの収納棚があること
この部分、猛烈に気になってしまった。
「L字の框」を間取りの必須事項にしたためか、土間部分が細長くなり、収納と重なる部分がほぼ無い状態。
土間収納①も②も、土間に設置されているため、靴を履いた状態でないと靴の出し入れができない。
「スノコ利用」が有効ならば、「土間に靴収納もアリ!」ではあるが、今回はスノコを置くと通行の邪魔になりそうなレイアウト。
NMさんのご希望には「憧れの造作手洗い」とある。
が、原案を見る限り「隙間に手洗器」になってるよね?
これ、たぶん…
NMさんのイメージと違うと思う…
図面に人を入れるとすぐにそれがイメージできる…ので作図してみた
↓図面内の寸法は原案のとおり
↑ちょっと狭い…ってなりそうじゃない?
そこで「憧れのホールに手洗い」「L字の玄関框」も無くなっちゃうけど、↓こんな風にするのはどうかしら?とご提案。
ムリに手洗いを独立させるんじゃなくて、あえてトイレにゆったりしたサイズを配置する感じ…
■トイレの大きさを変更し、トイレ内に広めの手洗いカウンターを設置(←トイレの大きさは「1m×2m」→「1.2m×1.5m」)
■トイレ正面にコート収納を設置(←奥行き最小60㎝あればコートOK)
■玄関框を斜めにし、カウンタータイプの玄関収納を設置(←カウンター上を季節の飾り置場にしてはどう?と)
これら坂口の提案に納得されたNMご夫妻さま。
憧れていたアレコレをやめても採用を決断され、「実際にこんな風になりました!」とお住まいの写真をくださった。
↓玄関ドアを入った正面をみたところ(まだ養生シートがはがしてない部分は気にしないように(笑))
↓玄関ホールから土間方向を見たところ
↑下駄箱にある靴の出し入れはフロアーから可能!
↓当初玄関ホールに計画していた「手洗い器」は、トイレ内へ移動させ「広い手洗いカウンター」となった
↑アクセントクロス、ムーミン柄なのが可愛い…あっ!ミーもいる…
↓トイレ奥行きを2m→1.5mとしたが、幅を広げたので狭さはない!
NMさん、素敵な感想をありがとうございます!
当初の間取りに十分満足しておられたご主人様にも
提案を喜んでいただけてよかった~(笑)
ちなみにNMさんが洗面ボウルを「四角じゃなくて丸型にすればよかった」とあるのは、↓これのことだと思われます!
↑こちら、リクシル社のトイレ用手洗いカウンター「キャパシア」
・・・・・
NMさんの感想からもうかがえますが…
「玄関ホールに洗面台は即NG」という意味ではなく、
「広さや使い勝手がどうか?」
「暮らした後をより具体的にイメージ」
これらを踏まえたうえで
では冷静に…我が家にはどうか?をジャッジすることも重要ですよね。
・狭い空間に小さな手洗器で家族は手を洗いやすいのか?
・周りの壁や床に水が飛ぶことはないか?
・手洗い後、汚れたものを再度持つことはないか?
・玄関という場所で生活感が丸見えにならないか?
・そこをキレイを保つことが苦痛にならないか?
あなたの間取りにも「憧れの〇〇」を必須事項に据えたために実は盲点となっている箇所がないか?を冷静に見直してみてはどうでしょうか。