佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中によって脳にダメージが生じると、さまざまな症状が出現します。
脳卒中後の多くの方で生じる症状のひとつに「運動麻痺手」がありますが、筋肉のこわばりである痙縮(けいしゅく)を伴う場合が多い印象です。
脳卒中後の運動麻痺の状況として、全く手足を動かすことができない状態の場合、筋肉のこわばりは出現せずに、反対に筋肉に硬さがまったくなくなるような弛緩性麻痺(しかんせいまひ)の状態になることも少なくありません。
痙縮 は、「腱反射亢進を伴った緊張性伸張反射(筋緊張)の 速度依存性増加を特徴とする運動障害であり、伸張反射亢進の結果生じる上位運動ニューロン症候群の一徴 候」と定義されています。
患者さん方に定義をそのままお伝えすると難しいので、わたしは以下のような解釈を加えて説明しています。
☑︎ わずかな刺激で筋肉が硬くなってしまう状態
☑︎ 筋肉を曲げたり伸ばしたりするときに抵抗を感じる
☑︎ リラックスしているときに筋肉のこわばりが落ち着いていても動くとこわばりが強くなる
上の3つについて説明を行い、日常生活場合でどのような影響があるかも具体的にお伝えします。
☑︎ あくびやくしゃみなどの動きにも筋肉が反応して筋肉のこわばりが強くなる
☑︎ 自分で麻痺手の肘を伸ばして手を洗おうとしても、肘を伸ばすときに抵抗を感じる
☑︎ 立ったときや歩いているとき、筋肉のこわばりが強くなって、歩くときに踵から床に足をつけにくくなる
このように説明をしています。
また、直接的に関係があるように思えないかも知れませんが、筋肉がこわばっているときは体の感覚もうまく感じ取りができにくくなります。
「歩くとき、踵が床について体重が乗る感じがわかりにくい」「麻痺手で何かを握ったとき、握ったものの感じがわかりにくい」と言った症状が感覚障害がなくとも認める場合があるのです。
筋肉のこわばりの現象はわかりにくいことが多いと思いますが、日常生活場面での体への影響がありますので、患者さん方にしっかり説明していきたいと思います。
引用・参考
1) 笠原 隆 他:脳卒中後痙縮のマネジメントと治療. Jpn J Rehabil Med 2018;55:448-452
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/6/55_55.448/_pdf
2) 渡邊慎吾 他:脳卒中後の痙縮発症に関する予測因子の調査:論文レビュー. 東北理学療法学,第30号:66 - 73,2018
https://www.jstage.jst.go.jp/article/artsjpta/30/0/30_66/_pdf/-char/ja

