佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



脳卒中後、今まで見聞きする機会がなかったり、意識して書物を読まない限り気にも留めることがなかったさまざまな情報について、調べる機会が増えた方がいらっしゃるのではないでしょうか。



その中で、「エビデンス」という言葉を知った方がいらっしゃると思います。



エビデンスとは、証拠・根拠・形跡・証言などを意味し、業界用語や学術用語として使われることが多い言葉です。



「根拠に基づく医療(EBM)」は、根拠の高いもののみを使うことというように勘違いされている面がありますが、「ひとりひとりの患者のケアにおける意思決定において、現時点で入手しうる最善のエビデンスを良心的に、明示的に、思慮深く用いること」と第一人者が定義しています。



限られた時間で最大の効果を追求するために、リハビリもさまざまなエビデンスを組み合わせながらより良い内容を模索していきます。



しかし、脳卒中リハビリテーションの分野ではエビデンスが確立されたものばかりがあるわけではなく、その方その方に合わせたリハビリを行うことも多々あります。



エビデンスが確立している症状に対しては、わたしも臨床場面ではエビデンスが普及している内容のリハビリを行っています。



それにも関わらず、複雑な症状を有している場合は、確立された内容でのリハビリが行えないこともあります。




確立されたリハビリ内容ではなくとも、毎日毎日しっかりカルテに記録し、今後出会う可能性がある方へのリハビリのヒントになると信じて対応しています。



脳卒中リハビリテーションはまだまだわからないことが多いと思っています。



当事者の皆さんが歩みを止めない限り、わたしも精進していきたいと思っています。



引用・参考


1) 近藤 克則:医療改革とリハビリテーション医学のエビデンス. リハビリテーション医学 2006 ; 43 : 651―657

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1963/43/10/43_10_651/_pdf



2) 松野 悟之:脳卒中治療ガイドライン2021におけるリハビリテーション領域の動向. 理学療法科学 37(1):129–141,2022

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/37/1/37_129/_pdf



☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆