佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中後、麻痺による体の動かしにくさだけではなく、筋力低下からくる体の動かしにくさが出現する可能性があります。
脳卒中発症直後は、手術をしたり点滴をしたりして、ベッドから起き上がれない時間が長くなります。
ベッドから起き上がらずに、寝たままの状態では、最短で4日間で筋肉が痩せ始めるという報告があります。
筋肉が痩せていくことを「筋萎縮」と呼び、原因によって分類されています。
今回は、「筋萎縮の種類」に着目して記していきたいと思います。
筋萎縮とは
筋萎縮とは、筋肉の病的状態のひとつで、筋原線維が減少することによる筋線維の萎縮のことです。
筋萎縮には以下のようにさまざまな原因があり、筋力低下を招きます。
筋萎縮の種類
筋萎縮は、原因により分類されています。
神経原性筋萎縮
筋肉への運動命令を行なっている神経自体の障害による筋萎縮です。
代表的な病気は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)です。
神経原性筋萎縮は、一般的には手足の先側の筋肉が萎縮しやすいです。
脳卒中後の筋萎縮は神経原性筋萎縮が主な原因ですが、動かないことによる廃用性筋萎縮の要素も含まれます。
筋原因性筋萎縮
筋原性筋萎縮とは、筋肉自体の病気が原因で引き起こされる筋萎縮のひとつです。
代表的な病気は、筋ジストロフィーや多発性筋炎などです。
筋原性筋萎縮は、一般的には肩や股関節周囲の筋肉が萎縮しやすいです。
以下の表には、さらに細かく神経原性筋萎縮と筋原性筋萎縮の特徴が記されています。
廃用性筋萎縮
筋萎縮の解剖学的なレベルでは、神経原性筋萎縮と筋原性萎縮に分けられますが、不活発から出現する廃用性筋萎縮があります。
廃用性筋萎縮は、長期的な筋の不使用によって出現します。
最後に
今回は、筋萎縮の種類について記しました。
参考にしていただけると幸いです。
引用・参考
1) 灰田 信英:廃用性筋萎縮の基礎科学. 理学療法学 第21巻第2号 94 一 97頁 (1994年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/21/2/21_KJ00001306784/_pdf
2) 伊藤 良介:廃用症候群. 日本義肢装具学会誌. Vol.14 No.1 1998
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo1985/14/1/14_1_112/_pdf
3) 埜中 征哉:筋萎縮. 臨床神経 2012;52:1315-1317
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/052111315.pdf
4) 後藤勝正:骨格筋の再生(筋損傷や筋萎縮からの回復) 愛知県理学療法学会誌 第 28 巻 第 2 号 2016 年 12 月
http://aichi-npopt.jp/dl/info_paper_back/28_02_02.pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆


