佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中片麻痺の回復の3つのメカニズムのうち、前回までに2つまとめました。
その1:自然回復↓
今回は3つのうちの最後、「脳の可塑性による再組織化と再生」についてまとめていきます。
回復をもたらすメカニズム
脳の可塑性による再組織化と再生は、脳卒中後期の改善をもたらします。
短期間の変化ではなく長期的な変化を生じ、リハビリテーションが影響を及ぼすことがわかっています。
脳の可塑性:
脳が経験に応じて機能や構造を変化させること
出典:脳の可塑性(基礎の立場から)
大脳皮質の機能的再編成
大脳皮質とは、脳の表面にある神経細胞が集まった部分のことです。
脳卒中後の後期になると、この大脳皮質の脳神経の神経ネットワークが再編成されます。
麻痺側の手の動きは3つのパターンの大脳皮質の再編成をもたらすといわれています。
✔ より大きな両側の運動皮質の活動の程度は、ダメージを受けていない脳の運動ネットワークが動員される
✔ ダメージを受けた側の脳の運動領域の関連部位の動員が増加する
✔ 脳梗塞の周辺の大脳皮質に沿って動員される
出典:Steven C. Cramer. Stroke. A Functional MRI Study of Subjects Recovered From Hemiparetic Stroke
上の図は、深部の脳梗塞後、上肢の動きが回復した方のMRIです。二次的な運動領域の活動を認めることができます。
脳卒中の回復は、患者さんの状態にあわせた積極的な麻痺側上肢の運動活動が、大脳皮質の再編成に大切ということがわかります。
また、二次的領域の皮質の領域の活動を高めるため、体性感覚・視覚・聴覚など感覚を用いながらのリハビリテーションプログラムも重要ですね。
ニューロン再生
脳卒中後、新たな神経回路を構築していくために、神経の再生も貢献します。
今までは、一旦ダメージを受けた神経は再生しないと考えられていました。
しかし、神経が再生することを阻害する因子が解明されてきました。
その阻害因子に対する薬剤を使って動物実験が行われています。
脳梗塞モデルのラットの慢性期の軸索再生や運動機能回復が促進されたという報告があります。
新たな再生医療開発が進められているので、しっかり情報収集していきたいと考えています。
最後に
4回にわたって片麻痺の回復メカニズムについてまとめてきました。
毎日の現場では、患者さんやご家族の方に、なぜこのようなリハビリを行うのか背景をお伝えして情報を共有させていただいています。
脳卒中後の患者さんだけでなく、骨折後のリハビリや神経難病を有する方々にリハビリを行うときも、説明をしています。
以前、日本脳卒中協会が行った当事者さんや家族アンケート結果を知り、説明不足をなくしたいと思っています。
毎日、少しずつ精進していきますので、これからもよろしくお願いします。
引用・参考文献
1) 大石 高生:脳の可塑性(基礎の立場から). 認 知 神 経 科 学Vol.7No.3 2005
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku1999/7/3/7_3_206/_pdf/-char/ja
2) Steven C. Cramer. Stroke. A Functional MRI Study of Subjects Recovered From Hemiparetic Stroke, Volume: 28, Issue: 12
3) 脳梗塞モデルラットの神経再生と運動機能回復に成功
https://www.juntendo.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00026955.pdf&n=NewsRelease+Stroke+20180911-02.pdf
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