注意1:
ここに書かれているお話はフィクションです。完全妄想だとご理解の上、お読みください。
(妄想のテイストが好みでなくても、怒らないようにお願いします)
注意2:
こちら、不定期連載になります。むしろ書きたいシーンだけ書くような荒っぽい仕上がりとなります。
注意3:
基本が『こんな役をドラマでやってほしい~♪』なので、イメージが違うことは覚悟しておいて下さい。
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鈍い、痛みになる前の頭痛を額に感じながら剛士はゆっくりと目覚めた。
こんなになるまで飲むなんて久しぶりだが、昨日は何があったのか。
一つずつ手探りで思い出しながら、ああ、と納得する。
別れた奥さんと最後になるであろうさよならをして、それから崎本を付き合わせて食事に出かけて。
そこで話しながら酒がすすみ、こんなになってしまったのか。
ふ、と横を見ると同じベッドに黒髪の塊が埋まっている。
どうやらそのまま崎本まで連れて帰って来てしまったようだ。
そこら辺の記憶が怪しいのだが、寝ていたのが自分の家なのだからまだマシだろう。
規則正しい健やかな寝息をたてる崎本の顔を覗き込む。
寝ているとさらに幼く見えるし、そもそもが整った女顔をしている。
なのに口周りにうっすらと青いものが生えてきている、そのアンバランスさが猶更可愛らしかった。
物珍しさが手伝って飽きずに彼の寝顔を見ているうちに、なんだか妙な違和感を感じ始めた。
おや、もしかして?と思いつつ、そっと彼の首元までしっかりかかっている掛け布団をそっと持ち上げる。
まさかまさか、と心の中で繰り返しながら、ある程度まで布団を捲りあげると慌てて元の位置に戻した。
・・・・、スッポンポン☆( ̄Д ̄;;(バーイ『ブービーズ』)
ちょっと待てーー!と必死になって記憶を分かるところから再生させる。
酔った勢いで家に連れて帰って来てしまったのは分かる。
だけどなんで全裸で寝てるんだ??
このとき剛士さんの頭の中を駆け回ったのは『大人な話』のみであった。
昨晩のなりゆきを思い出そうとしても、どうして肝心なところに進めない。
「あ・・・、せんせい、おはよーございますぅ」
「うわっ!!」」
ふいに崎本が起き出したので、思わず大声をあげてしまった。
当の本人はまだ半分寝ぼけ眼でぼんやりとしているが。
「さ、崎本くん、どこか変なところはない?」
「へんなところですかぁ?あ、二日酔いがひどいです・・・」
「そ、そうじゃなくて、どっか痛いとか違和感があるとか」
剛士からの質問の意味が分からないのか、ふに?と眠気に負けそうな頭を傾げる。
少しだけ逡巡してから、彼の視線が急にはっきりと定まった。
「もしかして俺、またやっちゃってました?」
バッと掛布団を持ち上げて確認すると、あー、やっぱり、と崎本は苦い顔をした。
そしてバツが悪そうに剛士の顔を見上げる。
「ヤッちゃったって、崎本君・・。いや、それ以前に『また』ってどーゆーことですかっ!」
そんなふしだらな子に育てた覚えはありません!と隣で半裸で寝てた剛士が憤るもの間違っている。
剛士の心中の葛藤を知ってか知らずか、崎本はいつもと変わらぬ爽やかな口調で話しだした。
「俺、どーも酔っぱらっちゃうと脱いじゃう癖があるみたいで・・・(*ノ∀ノ)ハズカシー
それに家で寝てる時はいつも全裸なもんですから、ここでも脱いじゃったみたいですね。
朝になって友達によく怒られるんですよー、人んちで脱ぐなって。どうもすみませんでした」
のほほ~~ん(o´冖`o)と詫びてる様子に、後ろめたさは微塵も感じられない。
どうやら本当に何事もなかったようだ。
「せんせい?どうしました?」
「いや、なんか一挙に疲れが・・・」
冷静に考えて、そんなことが起こるなんて有り得ない。
その当然さを見失っていたことに、なおさら剛士は脱力感を感じていた。
「泊めてもらったんですから、朝ごはんくらいは俺が作りますよ。
って言っても、その様子じゃお茶漬けくらいのほうがいいですかね?(^^)」
「はい、お任せします・・・」
己の妄想に挫けているのを、崎本は単に二日酔いにやられているだけと勘違いしてくれたようだ。
まったくもって恥ずかしい思い違いである。
なかなか立ち直れない剛士を尻目に、崎本は脱ぎ散らかした服を身に着けてベッドから飛び起きた。
「あの、先生?」
「はい?」
ちょっと首を傾げて、剛士をじっと見つめてる。
欠片ほどの足りない勇気を振り絞っているのだと、なんとなく分かったのは何故だろう。
・・・、時折見せる寂しそうな瞳に似ていたからだ。
「先生の奥さんも、きっと先生を幸せにしてあげたかったんだと思います。
自分のためじゃなくて、先生のために先生の傍にいてあげたかったんです。
時間が経って何かが変わってしまったのかもしれないですが、最初は奥様もそう望んでいたはずです。
だから、ご自分だけを責めないでください。」
「さきもとく・・」
「じゃ、朝ごはん作ってきます」
彼は深々と頭を下げて、キッチンへと走り去っていった。
未だ消えない鈍痛の奥から、何かが湧いてくるように思い出された。
『俺はあいつを幸せにしてあげたかった。だから一緒に居た。
でも結局俺は、自分が幸せになりたくてあいつを傍に置いてただけだったのかな。
あいつを愛してたんじゃなくて、ただの自己満足を押し付けていただけだったのかな』
酔った勢いで、彼にそう話したような気がする。
そしてあの言葉は、少ない人生経験から彼が必死に探してくれた答えだったのだ。
「まさかあんな若造に慰められるとはね」
どうしても苦笑が止まらない、でもそんなに悪いもんでもない。
考えてみれば、奥さん以外にこのベッドに泊まらせたのは彼が初めてだ。
ならば彼がくれた言葉も、奥さんが欠片くらいは抱えてた想いと受け止めよう。
「せんせーーっ、もうできますよーーーっ」
遠くから響く元気な声に、身体を起こして着替えを始める。
なんとなく胸が軽くなったようだ。
続く
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ドベタな話だが、これが司流なので。
(何度か類似パターンを書いてる気がするが、気のせいだ!)
『お茶漬け』を突っ込んだので、お題(『お茶』)はクリアということでよろしいでしょうか?
このコンビ、やっぱり書きやすいわ・・・(*´ω`*)