この物語はフィクションです。
実在する人物・団体・会社法人等とは一切関係ありません。
趣味の妄想産物と重々ご理解の上、お読み進め下さい。
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「せっかくの休みに付き合わせて悪いね」
その人は少しだけ申し訳なさそうに、だけどそれ以上に嬉しそうに輝いだ笑顔でユウラに手を振った。
彼女の周りを小さな子供たちがポテポテと取り囲んでいる。
ユウラにしてみたら、呼び出されることよりもその子供らに会う楽しみのほうが大きかった。
「えーとぉ、うーたぁん、おーたーん♪」
しゃがみ込んで両手を広げると、懐いてる子供たちも我先にとユウラに抱きついた。
キラキラと輝いた笑顔を振り撒いて。
「いや~ん、久しぶり~o(≧▽≦)o」
「って、私に挨拶する前に子供たちかい!」
言葉じりはキツいが、その人は暖かい眼差しで子供と戯れるユウラを見詰めていた。
彼女、タケミさんはユウラやナオキの良き理解者であり頼れる姉貴分だ。
最愛の人が急逝してからも、女手一つで四人の子供を育てている。
どんなときでも笑顔で挫けずに進むタケミのことを、ユウラは同じ女性として心から敬愛していた。
今日はタケミが子供達と遊園地に遊びに行くので、子守と見張り役を手伝って欲しいと呼び出されたのだった。
子供が大好きなユウラには願ってもない呼び出しだった。
「ねーねー、いろさんは?」
「あの子は母さんに預けて家に置いてきたよ。
遊園地で遊ぶにはまだ早いし、ちょっと熱っぽかったからね」
「そっかぁ、残念☆」
「今度ナオキとうちに遊びにおいでよ。
うちの子たちもさ、たまには男の人に構ってもらいたいだろうから」
さらっと、なんでも無いようにそんなコトを言う。
その事で一番辛い思いをしているのは彼女のはずなのに。
「本当はノクも連れて来るつもりだったんだけど、どうしても外せない仕事があるって」
「ああ、あの子も真面目だからねぇ」
ナオキの性格を思い出したのか、タケミは懐かしむような瞳のままで苦笑した。
何よりも仕事を優先させるタイプだから、一人きりが苦手なユウラは寂しい思いをしてることだろう。
「あんたたちもさっさと結婚しちゃえば良いのに」
何度となくタケミは二人にそのコトをけしかけていた。
結婚することだけが幸せだと決め付けてはいないが、そうなって然るべき時間と空間を二人は共有してきたはずだ。
これからの道のりを共に生きると誓い合えるくらいの想いを。
だけど。
「ノクは新しい仕事にやっと慣れてきたところだからね。
今はそんなコトまで頭が回んないよ、きっと」
似合わないくらいの穏やかで落ち着いたユウラの笑みはひどく悲しげで、彼女の本心が透けて見えるタケミの胸に深く突き刺さった。
何事にもどこかで線引きをしたがるナオキは、少しでも中途半端な物を残したままで次に踏み込むことはしないだろう。
ユウラを御座なりにしているわけではなく、彼の中での決め事のようなことなのだ。
「本当に頑固で面倒な男だこと。ユウラも大変だな」
よしよしと励ましの気持ちもこめて頭を撫でてあげると、ユウラは擽ったそうに笑いながら答えた。
「でもね、ネーさん。そうゆう不器用なところがナオキの好いところなの」
あら、惚気けられた☆(^_^;
癪だったので、力をこめてわしゃわしゃと頭を撫で回すと、ユウラは頬に満開の笑顔を乗せてされるがままになっていた。
そうやって、誰かにかまってもらえるのが嬉しくて仕方ないように。
続く
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はい、前回と男女を入れ替えるとこうなりますよね。
覚悟してた方、当たりです。
イメージですが、タケミさんはえらくグラマーな感じがします。
ユウラはきっと幼児体型と見せかけて巨乳でしょう。
よかったねぇ、ナオキ( ´艸`)ムププ