以下の文面はフィクションであり、脳内の妄想の産物であります。
よって、実在する人物団体等、酷似した心当たりがあっても関係はありません。
そこらへんを心得て、お読み下さい、よろしくお願いしますm( _ _ )m
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部屋に残る人の気配に、剛士はおや?と思いながらドアを開けていった。
名ばかりの寝室のベッドの上、思ったとおり崎本がうつ伏せになって眠っていた。
「あ~あ、着替えもしないで、このKOボーイは」
クスクスと笑いながら、子供にするように額に掛かる前髪を掻き分ける。
少年と大人の入り混じった、そのくせ女性張りに整った寝顔はどっちつかずにアンバランスで、まるで彼そのものを表しているようだった。
単独で番組に来た彼に、最初に声をかけたのは直樹だった。
直樹の親友と同じドラマで共演していて、チームで番組にゲストでも来ていた経緯もある。
だからなんとなく、気が付いたのだろう。
もともと世話焼きなので、前室で一人小さくなっていた彼に直樹は優しく声をかけた。
そのことに偉く恐縮した彼は、意味なく何度も頭を下げて直樹に挨拶をしていた。
殆どが馴染みのレギュラー出演者ばかりだ、俳優がそんなところに急に投げ込まれても、萎縮して仕方あるまい。
本番では、彼にワザと絡んでみた。
そのほうが彼もどういう立場をとればいいか、分かりやすいと思ったから。
恐がられたかな?とも心配したが、彼はその後もそのキャラに乗っかってきた。
言葉を交わすようになって、出会いの経緯に驚かされて、ユニットを組んだり番宣に一緒に出たり。
そうこういしているうちに、こいつも意地っ張りで我慢強くて、そのくせ、弱味を見せたり他人に甘えたりするのが下手な奴だと知った。
完璧そうでどこかいい加減なB型の彼は、一人でいることが平気なフリをする寂しがり屋の子だった。
可愛いくて構ってあげたいと思う反面で、自分がどこまで彼にしてあげれるのかと問い直す。
無責任に巻き込めば、崎本の行き先を引き摺ってしまうかもしれない。
彼が『チーム』を築くなら、もっと似合った人たちがいるはずだ、きっと。
それでも、誰かと彼が親しげにしているとちょっと心穏やかになれずに、
大人気ないと思いながら、崎本にだけの特権を許した。
戸惑いと、隠し切れない喜びが滲んだ笑顔が向けられたとき、剛士は密かな優越感を噛み締めた。
彼に『特別』を与えることは、与えた自分も彼の『特別』になるということだ。
そんなふうに遠巻きに囲い込む事が浅ましいと今更思う。
もうどこにも戻れないくせに。
何度も口にしていた。
どこまでも行ける。いつまでも一緒だ。奇跡の三人なんだ。
俺たちは、無敵なんだ。
本気でそう思っていた。
何があっても守り抜けると、己を過信していた。
何も分かって無い自分は、結局、何もしてやれなかった。
また、無責任に彼にまで同じような大口を叩きたくない。
守れないのに、必ず守ってやるだなんて、簡単に言えるわけはない。
守りきる覚悟があったとしても、実行できなければそれは虚言だ。
自分を信じてくれる人を安易に喜ばせて、最後の最後に傷つけて終わるなんてもうイヤだ。
剛にぃ、自分を責めないで。
これはボクが自分で決めたことなんだから。
迷惑掛けてごめんね、ずっとずっと、大好きだよ・・・。
「あのね、サッキー」
手を離すときが恐い、だから手を繋ぎたくない。
ぽっかりと空いた隣が辛くて、だから隣にはもう誰も立たせたくない。
だからといって、愛して無いわけじゃないんだ。
気持ちが募るから、傍に置いて置けないんだ。
お前には、ちゃんと自分のためだけに沢山笑っていて欲しいんだ。
言葉は無力だ、そのくせ、人の心に大きく刻み付けられる。
何を選んで伝えれば良いのか、自分の語彙と経験だけでは判断できない。
ただ、彼には沢山の笑顔に恵まれていて欲しい。
願うことはそれだけなのに。
結局、寝ている彼にすら言葉をかけることが出来ず、剛士は諦めると空いている僅かなスペースに身体を横たえた。
仄かに伝わる体温がいじましく感じられて、剛士はさらに切なくなる。
こんなにも君を想っている。
その事実だけが伝わればと、華奢な彼の身体を強く抱き締めた。
伝えたいことがある
伝えたいことは・・・、
声に出来ない
感じてほしいんだ
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う~~ん『Side T』はあえて要らなかったような気が・・・。
ま、一種の自己満足です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
こんなん書いてたので、今日の『はじめての・・・』はお休みです。
・・・、もう終わるってとこまで来て、グデグデしてすみませんです、はい・・・(-"-;)