『伝えたいこと-Side T-』 | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

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ご注意下さい!!私のブログは『愛』と『毒舌』と『突っ込み』と『妄想』で出来上がってます!!記事を読む前に覚悟を決めてくださいね(^^;。よろしくお願いします☆

以下の文面はフィクションであり、脳内の妄想の産物であります。

よって、実在する人物団体等、酷似した心当たりがあっても関係はありません。

そこらへんを心得て、お読み下さい、よろしくお願いしますm( _ _ )m


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部屋に残る人の気配に、剛士はおや?と思いながらドアを開けていった。

名ばかりの寝室のベッドの上、思ったとおり崎本がうつ伏せになって眠っていた。


「あ~あ、着替えもしないで、このKOボーイは」


クスクスと笑いながら、子供にするように額に掛かる前髪を掻き分ける。

少年と大人の入り混じった、そのくせ女性張りに整った寝顔はどっちつかずにアンバランスで、まるで彼そのものを表しているようだった。


単独で番組に来た彼に、最初に声をかけたのは直樹だった。

直樹の親友と同じドラマで共演していて、チームで番組にゲストでも来ていた経緯もある。

だからなんとなく、気が付いたのだろう。


もともと世話焼きなので、前室で一人小さくなっていた彼に直樹は優しく声をかけた。

そのことに偉く恐縮した彼は、意味なく何度も頭を下げて直樹に挨拶をしていた。

殆どが馴染みのレギュラー出演者ばかりだ、俳優がそんなところに急に投げ込まれても、萎縮して仕方あるまい。


本番では、彼にワザと絡んでみた。

そのほうが彼もどういう立場をとればいいか、分かりやすいと思ったから。

恐がられたかな?とも心配したが、彼はその後もそのキャラに乗っかってきた。


言葉を交わすようになって、出会いの経緯に驚かされて、ユニットを組んだり番宣に一緒に出たり。

そうこういしているうちに、こいつも意地っ張りで我慢強くて、そのくせ、弱味を見せたり他人に甘えたりするのが下手な奴だと知った。

完璧そうでどこかいい加減なB型の彼は、一人でいることが平気なフリをする寂しがり屋の子だった。


可愛いくて構ってあげたいと思う反面で、自分がどこまで彼にしてあげれるのかと問い直す。

無責任に巻き込めば、崎本の行き先を引き摺ってしまうかもしれない。

彼が『チーム』を築くなら、もっと似合った人たちがいるはずだ、きっと。


それでも、誰かと彼が親しげにしているとちょっと心穏やかになれずに、

大人気ないと思いながら、崎本にだけの特権を許した。


戸惑いと、隠し切れない喜びが滲んだ笑顔が向けられたとき、剛士は密かな優越感を噛み締めた。

彼に『特別』を与えることは、与えた自分も彼の『特別』になるということだ。

そんなふうに遠巻きに囲い込む事が浅ましいと今更思う。

もうどこにも戻れないくせに。






何度も口にしていた。


どこまでも行ける。いつまでも一緒だ。奇跡の三人なんだ。

俺たちは、無敵なんだ。


本気でそう思っていた。

何があっても守り抜けると、己を過信していた。

何も分かって無い自分は、結局、何もしてやれなかった。


また、無責任に彼にまで同じような大口を叩きたくない。

守れないのに、必ず守ってやるだなんて、簡単に言えるわけはない。

守りきる覚悟があったとしても、実行できなければそれは虚言だ。

自分を信じてくれる人を安易に喜ばせて、最後の最後に傷つけて終わるなんてもうイヤだ。




剛にぃ、自分を責めないで。

これはボクが自分で決めたことなんだから。

迷惑掛けてごめんね、ずっとずっと、大好きだよ・・・。





「あのね、サッキー」


手を離すときが恐い、だから手を繋ぎたくない。

ぽっかりと空いた隣が辛くて、だから隣にはもう誰も立たせたくない。

だからといって、愛して無いわけじゃないんだ。

気持ちが募るから、傍に置いて置けないんだ。

お前には、ちゃんと自分のためだけに沢山笑っていて欲しいんだ。


言葉は無力だ、そのくせ、人の心に大きく刻み付けられる。

何を選んで伝えれば良いのか、自分の語彙と経験だけでは判断できない。

ただ、彼には沢山の笑顔に恵まれていて欲しい。

願うことはそれだけなのに。


結局、寝ている彼にすら言葉をかけることが出来ず、剛士は諦めると空いている僅かなスペースに身体を横たえた。

仄かに伝わる体温がいじましく感じられて、剛士はさらに切なくなる。

こんなにも君を想っている。

その事実だけが伝わればと、華奢な彼の身体を強く抱き締めた。






伝えたいことがある

伝えたいことは・・・、

声に出来ない


感じてほしいんだ




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う~~ん『Side T』はあえて要らなかったような気が・・・。

ま、一種の自己満足です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。

こんなん書いてたので、今日の『はじめての・・・』はお休みです。

・・・、もう終わるってとこまで来て、グデグデしてすみませんです、はい・・・(-"-;)