PVを作ってみようと思った。
が、
イマイチだった☆
ま、せっかく書いてみたのでお付き合い下さい(^^;
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
いつもの楽屋。
当たり前にいる馴染みの共演者たち。 入ってきた剛士に気がつくと笑顔で声をかえ、手を振ってくれる。
剛士もそれに笑顔で応え、自分の用意された席に向かう。 和む現場の一つに、ほっと息をもらす。 窓際に陣取っていた雄輔が軽く手を上げて存在をアピールする。 最近急増した若者たちも、剛士に人懐こい笑顔で挨拶を送る。 穏やかで温かい居場所。 だけどいつの間にか取り巻く雰囲気は変わっていった。 走らせる視線の先が遠くなる。
居なくなった一人。 その寂しさを紛らわせるように騒いでいた雄輔も、今は落ち着いた。 楽屋で座っている時間も無かったのはもう遠い昔。 淡々と過ぎる時間に、移り変わる情景。そこに慣れてしまった自分にため息を零す。 モノクロの画像が再生される。 家庭用のカメラで撮影された粗い映像。 まだやんちゃ盛りの顔をした雄輔と直樹が浮かれた笑顔を向けている。 ところどころで指図を出しながら見切れるのは、撮影者の剛士の手。 二人はその手に動かされて、様々な笑顔を見せる。 思いついたように雄輔が手を伸ばし、画面いっぱいに迫る。 揺れる画面。 次に映ったのは渋い顔をした剛士。雄輔にカメラを略奪されたらしい。 心配げに雄輔のカメラ裁きを見つめる剛士に、満面の笑みで直樹がすり寄ってくる。 突如画面が激しく揺れて、部屋の端々が写りこむ。 雄輔がカメラを持って逃走を始めたのだ。 画像はそのまま、砂嵐のように荒れて消えた。 彩り激しい繁華街でのドラマの撮影現場。
何かをみつけた雄輔が周りの人たちに話しかける。 瞳は懐かしげに過去を思い出し、必死なくらいに町のあちこちを指さしながら説明を繰り返す。 思い出の場所。 だけどあの頃のように動き回れない。 もどかしさに残念な顔を浮かべながら、ただ懐かしい街並みを眺めている。 人波に紛れて直樹が電車から降りる。 駅から一歩外へ出ると刺すような日差しが容赦なく照りつける。 顔を隠すためでなく目に痛い日差しをよけるために帽子を深く被りなおした。 暑すぎる夏。 あの時の夏も暑かった。 あれは気温のせいだったのか、それとも降って湧いた熱狂の渦に飲み込まれていただけなのか。 答えも分からずにうだるアスファルトの上を歩いて行く。 ポンと肩を叩かれ振り返ると、弟のように懐いている仲間が可愛らしい笑顔で直樹を見つめていた。 思わず目を細める。 自分のことを彼らはこんなふうに見ていてくれたのかと思いながら。 再びモノクロの画面。
そのきっちり真ん中で、雄輔が肩を落として立ち尽くしている。 衣装にはあるべき飾りが取れてしまっていた。 それを指さし説明する雄輔。横から剛士も割り込む。 最後には撮影者の直樹も自分でカメラを持ったまま画面に収まろうと無理に入り込む。 そして三人一列に並び、頭を下げた下に文字が浮き出た。 『衣装さん、ごめんなさい』 数日後、その『花』は無事に彼らの手元に戻ることになる。 失っても諦めなければ取り返せる。
そんなことをまだ健気に信じていれたときだった。 出演者が揃って色違いのTシャツを着て動き回る。
年に一度の祭り、落ち着かない浮足立った現場。 右往左往する大勢の人の波。 ふいに捕らわれたように、辺りを見渡す剛士。 一年前と酷似して、そして全くちがう風景に苦笑いを浮かべる。 白と黒しかない画面。
そろいのTシャツで日本各地を回っていたときのバックステージの様子が、細切れに流れる。 ふざけた笑顔ばかりだったのが、次第にその面から派気が失せ、消沈し。 最後は泣き腫らした顔で、だけど画面に笑顔を向けている三人。 それぞれが何かを叫ぶように誓い、握手や抱擁を繰り返している。 ふいに画面に向かって手まねきされ、視点が動いた画面に崎本の姿が写りこむ。 やはり目元が腫れている彼と、堅く握手を交わす直樹。 ぐちゃぐちゃに崩れた、だけど笑顔のままで映像はフェイドアウトする。 突き抜けるような青空の下、設営中の大きなステージに立つ雄輔。
隣を見据えれば、自分を支えてくれる人たちが笑っている。 『1』から築き上げたチーム。 着々と祭りの準備を進める彼らの姿を前に、雄輔の顔にも誇りに満ちた笑顔が浮かぶ。 画面がとらえたのは、ステージに仁王立ちし、遠くの空を見据える雄輔の後姿だった。 机の上に並ぶ使い込み古びてしまった台本。
丁寧に読み返しながら、書き込みだらけのそれらを大切に本棚に仕舞う直樹。 『次』を思ったのか、一瞬だけ弱気な笑みを洩らすが、それも打ち消して大きく頷く。 顔を上げて窓を開ける。空は果てしなく続いていた。
差出人のない小包が剛士の元に届く。 中には白ラベルのDVDが一枚。 迷わず再生させた画面に映るのは。
まだどこかぎこちなく、だけど新しい道を歩み始めた直樹の姿。 ほんの短い登場シーンを、父親のような視線で眺める剛士の横顔。 切れ端のようなメッセージカードに唯一書き留められたイニシャルは・・・
『R.T』 真っ白な光に占拠された空と、黒く果てしなく波打つ海。 モノクロの砂浜を、元気に駆け下りていく雄輔と直樹。 子犬のように戯れ駆け回り、そして画面に向かって何かを叫んだ。 ゆっくりと画面からの視線が低い位置に落とされ、安定したところで駆け出す剛士の姿が映りこむ。 固定された枠の中、駆けずり回る三人の姿はまるで少年のようだった。 白と黒しかない世界で、目映いばかりの光を放ちながら追いかけあっていた。 永久の夏休みを漂うように。
切り替わった画面には、砂浜の上に置いていかれた家庭用ビデオカメラ。 そっと誰かがカメラに近づき、拾い上げてフィルダーの中を覗いた。
白く切り取られたような入道雲が大きく見える。 ゆっくりとカメラを下ろしていくと波打ち際に三人の姿が。
影のようなその姿を捕らえた瞬間、画面に色味が戻る。
危うい動きでズームされる三人の背中。 そこには逞しく成長した彼らが、お互いを讃えるように笑いあっていた。
乗り越えてきたもの、築き上げてきたもの、 全てを分かち合うように身振り手振りを交えて語り合う三人の姿が。
驚いた撮影者は、思わずカメラから目を離した。 その目で見なくては信じられない光景だったからだ。
呆然とした面持ちで波打ち際を眺める崎本の視界には、 強い意志を伴って水平線を見据える剛士の姿しか見えなかった。
『今』、『そこ』に居るのは、剛士だけのはずだった。
立ち止まった崎本に気が付いた剛士が、いつかみたいに手招きで彼を呼ぶ。 崎本はカメラを大切に胸に抱きかかえて彼の元に急いだ。
崎本が見た光景は、『思い出の残像』ではなく、『いつかの彼ら』 そのときがいつになったら訪れるのか、誰も分からない。 でも崎本は知っていた。 あれは決して夏の強い日差しが見せた蜃気楼なんかじゃない、と。
足場の悪い砂浜を渡って、剛士に件のカメラを渡す。 無造作に近い動きで、けれどしっかりと剛士はそれを受け取った。
自分達の、未来を。
|
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
こんなん出ました~~~。
(って言う占い師が昔いたんだよ)
なんか羞恥心って『夏の海』なんだよね。
前に『泣いてもいいですか』のPVを考えたときも夏の海だった。
もうお分かりでしょうが、モノクロ(家庭用ビデオ)のところが過去、カラーが現在です。
つか、文章だけで分かりましたか(^^;。
つるのさんの『love letter』はいつかきちんとしたお話で書きたいです。
これはその予行練習かな?
最後は誰を出そうか迷いましたが、結局ヒイキのサッキーで。
優樹菜とかミキさん(奥さん)とかも考えたんだけどね。
ああ、書かなくちゃいけないことが他に沢山あるのに、何やってんだ私。。。。
追記:
パソで見えると途中から文字が大きくなってる・・・。
というか、前半の文字が小さい!
読みにくくてごめんなさ~~い(T0T)