最近、摂食障害の当事者同士でつながる機会が増えたり、オンラインイベントを拝見させていただいたりして人と人の優しいつながりが日々の活力に大きく関わっているのだなあと実感しました。

 

さて、今回はタイトルにある通り、質問にお答えする内容になっていますが

実はこれも最近、Twitterの固定ツイートにツリーにして質問箱を設置しました!

 

 

今回のような摂食障害のご質問・ブログで取り扱ってほしい話題はもちろん、メンタルヘルスの面や栄養の面でも私の今現在持っている知識の範囲でお答えできれば嬉しいなと思っているので、是非お気軽にご利用ください(/・ω・)/✨

 

 

そして今回は記念すべき第1号のご質問者様へご回答させていただきます。

ご質問の内容はこの通り↓

 

『はじめまして。拒食になり全く食べられなかった娘が、病院の先生の一言で気持ちが変わったみたいで、連日凄い量を食べてしまいます。楽しく美味しく食べているとは言っていますが。少し心配です。Aoiさんは、どんな経過でしたか?良かったら教えてください。よろしくお願いします。』

 

 

 

 

まずはご質問ありがとうございます😊

また、ご質問をいただいてから回答までの時間が遅くなってしまい申し訳ありませんでした

 

 

急な変化はやはりびっくりしてしまいますよね💦

 

“どんな経過だったか”についてですが、ざっくり区切るとすると私は

 

拒食症→週末に過食し平日に拒食で調整→週末限らず過食し拒食で調節・たまにチューイング※と下剤→徐々に拒食の厳密さが軽くなる・サプリや下剤使用・たびたび過食(この期間が長い)→徐々に過食が落ち着く→糖質恐怖症(現在)

という流れです。※チューイング:咀嚼して飲み込まず吐き出すこと

 

 

 

私は拒食症から病院に通うようになったので、そこは娘さんと似たような状況でしょうか。

摂食障害の治療の最中は良いことのような悪いことのようなものばかりで難しいですよね……

 

そんな中、病院に行って自分と病気を模索している娘さんも、こうして質問しながら摂食障害に一緒に立ち向かっている質問者様も、とても大変で不安な時期であることお察しいたします。

 

 

 

 

ここからは上記の私の場合の過程でいう拒食症以降のお話から、時期別に詳しくお話ししようと思います。

 

一応ご参考になればという意味で書くので、必要ないようでしたら最後にまとめを書くので、そこまで読み飛ばしていただければ幸いです。

 

 

 

 

まず『週末に過食し平日に拒食で調整』の時期です。

 

拒食期のころは“外食=カロリーの高いもの”というイメージだったので外食はかたくなに拒否していたのですが、ある時「サラダだけ食べるでもいいから」と言われてから、外食はサラダだけ・スープだけ食べるようになりました。

 

しかしそれも長くは続かず、一緒に食べる家族やほかのお客さんは殆どが主食やデザートを食べるので、今までになかった強い「食べたい」「食べられるかも」という欲求が強くなっていきました。

 

 

それで普通に食べられれば良かったのですが、コントロールできないのが摂食障害です。

私は通院・入院生活を通してある程度食べられるようになっていたこともあり、一度それで家族やほかのお客さん同様、いわゆる“普通に”食事を食べてみたのですが、それが過食の始まりになってしまいました。

 

 

 

この時期は“週末に出かけた時の外食で栄養価関係なくたくさん食べてしまう”というような感じです。

 

毎週母と一緒にお出かけしていたのですが、私の母の場合は「週末なら食べてくれるから」という理由で私の食べられる分だけ食べさせてくれました。

私自身は食べている最中は楽しく美味しく食べているのですが、太る恐怖があるのには変わりはないので、その後は毎回のように後悔していました。

 

ただいくらそこで後悔しても、母に泣きついても、来週にはまた出かけて過食して……の無限ループなので精神的には正直苦しかったです。

 

 

 

この無限ループを細かくすると

 

1日だけ食べてもすぐには太らないと理解→週末にしか食べられない・1つ高カロリーなもの食べたらどうせ太るからもういいや→過食→普通以上に食べた後悔・自分の異常さにパニックを起こす→拒食して調節すれば太らない(また過食できる)……

 

という感じです。

 

 

 

また、食べると一緒にいる母や病院の先生が「食べたんだね」と褒めてくれたり、私の言動で暗い顔をされない時間を味わえたりしたので、そのためにやっていた節もあります。

 

一方そこで“出かけなければ良いのか”“過食させないような方法を探せばいいのか”というとそうでもなくて、その理由はこの記事の最後にまとめて書こうと思います。

 

 

その後は『週末限らず過食し拒食で調節・たまにチューイングと下剤』期に入っていきます。

私は登下校を送り迎えにして消費エネルギーを少なくするように主治医の先生から指示されていたので、母がだんだん週末だけでなく学校帰りにも外食するようになりました。

 

 

その後の調節は拒食で行っていたのですが、同時期に下剤の乱用もするようになり、”チューイング”という症状も出ていました。

 

下剤は私にとって「多く食べて良い」免罪符でした。下剤で出ていってしまう栄養素はあるものの、エネルギーとなる素を摂ることはできます(0ではないということ)。しかし、体への負担は大きいので良くはないのかもしれません。

 

 

 

 

 

次に来るのが『徐々に拒食の厳密さが軽くなる・サプリや下剤使用・たびたび過食』の時期です。

 

 

この時期ではダイエットサプリ(某有名社カロリーカット系)に依存し、こちらも「これを飲んでいるから大丈夫」という免罪符のもと、週末以外にも外食(過食)できるようになりました。

 

私の知見から出した意見ですがサプリ自体にさほど効果はない可能性が高いので、実質食べたものから摂取する栄養は増えたことになります。

とすると体の浮腫や体重の変化も当然あって、そこを確認するたびに不安になって泣いていました。

 

体の変化に動揺し、過食する自分に嫌悪感を抱き、将来どうなってしまうのだろうかという不安の気持ちが最も大きかったのがこの時期です。

 

 

一方、何度も来る過食によって今まで使ってこなかった内臓の働きも戻りつつあり、空腹で食べるという習慣がついた(お腹が空いた状態が気持ち良い状態から脱出し始める)のもこの時期です。

 

 

何度か比較的食べる食事を続けていると、“食べる”行為自体に抵抗が軽くなっていき、増えた体重に吹っ切れるというのもあったのか、拒食の厳密さが(本当に少しずつですが)だんだんと緩くなっていきました。

 

体重が増えても浮腫んでもお腹がパンパンになって苦しんでも、やはり“過食”の時間はいつも制限している美味しいごはんをたらふく食べるチャンス、しかも1日で急に太ることはないので、過食後に精神的にかなり落ち込む辛さを知っているにも関わらず、私にとっては一つの楽しみと化していました。

 

 

 

 

こうして書くとまるで私が私の意志で進んで過食しているようにも見えますが

実はそうではなくて、いくら私が食べている最中に美味しい思いをして楽しくても、できることなら過食はしたくはないし、毎週食べてしまうのは過食させられている状態に近いです。

 

 

どういうことかというと、ここでいう『過食』とは、皆さんよく言う

「おいしかった~!ちょっと食べすぎちゃった~!」「食べ過ぎて動けない!」というレベルではなく

自分の胃のキャパシティをはるかに超えて、無理やり詰め込み、まるで拷問を受けているかのような感覚なので、

できることなら「おいしかった、で終わりたい」という気持ちは常にありました。

 

 

また上に書いたように、普段より多く食べるとその後にとても後悔して気分が落ち込むので

「また好きなものを食べられるタイミングができた」という楽しみと

「また食べて太る。どうせ過食して苦しい思いをする。嫌だ。怖い。」という不安が同時並行している不思議な感覚です。

 

 

 

最後に『徐々に過食が落ち着く→糖質恐怖症(現在)』過程になります。

 

 

過食は症状なので、自分では止めることができません。これは拒食でも同じです。

そのため私は外食を一緒にすることが最も多い母と“食べるときのルール”を決めました。

 

 

具体的には「食べ放題は〇皿まで」「なるべく1食分が出るお店に行く(=みんなが食べる量だから食べすぎではない)」「デザートは1日一個まで」などです。

 

これは母が「こうしなさい」と言ったわけでは無く、私と母で一緒に決めたルールで、

もし私が過食モードになって「これ食べたいんだけど食べちゃダメかな?」と聞いても母が「このルールがあるから今は我慢かな」と言うことで、

私はそれに納得する形になりましたし、今まで質問を投げる私に毎回戸惑っていた母も、明確な対応があるので困る顔をする頻度は減りました。

 

 

対策でやったこととすればこれくらいで、あとはだんだん自分の不安にならない量を調節できるようになってきた感じです。

 

現在は糖質恐怖症(と私は呼んでいます)で外食以外では主食は食べられないし、甘いお菓子や飲み物も基本的に飲めません。ですが日常に不自由さはめったに感じないし、家族や友達に怪訝な顔をされないくらいには安定しています。

 

 

 

 

 

~まとめ~

質問者様の娘さんは病院に行かれたとのことで、おそらく質問者様は摂食障害の治療において拒食と過食を繰り返しながら治っていくとの旨を医師の方から説明されたのではないかと思います。

 

私の場合は拒食と過食を短いスパンで繰り返して、それに伴って精神的にも辛い日々が続きましたが、

娘さんが“楽しく美味しく食べている”のであれば私は問題ないのではないかと思います。

 

 

むしろ、以前のように食べることを拒絶して、人生の時間の多くを占める、本来楽しめるはずの「食事」が楽しめなかったのが楽しめる時間に変わったのであれば、それがもし『過食』だったとしても、それは症状が悪化したのではなくて、娘さんが一歩を踏み出したと思っても良いのではないでしょうか。

 

 

 

 

現在の娘さんの食行動が『過食』の一種だったと仮定してお話ししますが

 

私なりの過食の見かたとしては、

〈デメリット〉

・体へ一気に栄養素が入るので体に良いとは言えない

・お腹がパンパンで辛いと思っている可能性がある

・新たな症状への入り口へ発展する可能性が考えられる(嘔吐など)

※嘔吐もあくまで“症状”なので、万が一なったからと言って(娘さんや質問者様が)悪いわけではありません。

 

〈メリット〉

・今まで毎日(本来は)3回来る食事の時間が億劫だったのが一瞬でも楽しめる時間になっている

・胃の中に食べ物があるという感覚に慣れる練習になる(量はいったん置いといて……)

・過食という症状もある意味ストレス発散の一種

といった考えでいます。

 

 

 

『すごい量』というのも人によって価値観が異なるので、それが『多い』とも『そうでもない』とも、また『少ない』とも判断しかねますが

娘さんにとってそれが“適量”である可能性も捨てきれません。

 

 

 

 

また「親の前で心配をかけたくない」という想いや、「もうこれ以上自分の症状で親を嫌な気持ちにさせたくない」という気持ち、

ほかにも「これ以上自分の食事を注意されたくない」という気持ちなどで

正直に“辛い”と言えていないという可能性も無きにしも非ずです。

(↑ちなみにこれは私の体験した気持ちの数々です)

 

 

ただもしその場合、現在でも正直に言えていないのに「こういう気持ちだったの?」なんて言われれば、私だったらより一層本心を言うのが怖くて口に出せません。

 

 

 

 

そこで提案ですが、もし質問者様のご心配が絶えないようでしたら

 

娘さんが「おいしい」と言っている状況は受け止めたうえで、

娘さんが食べる量を覚えておいて、病院に行った際に主治医の先生若しくは管理栄養士さんなどに個別にご相談されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

ここで私なりのポイントとしては、娘さんの目に触れないように、そして相談も娘さんの前では行わないことです。

 

 

その理由は3つあって

 

  • 昔から自分を見て育てている比較的信頼のおける親が「娘は食べすぎかもしれない」と思うとなると、「私は異常なんだ」と不安になってしまう可能性があるから
  • 親が自分の食事を逐一監視しているんだ、と思ってしまった場合、自分が信用されていないと実感すると気分が落ち込む可能性があるから
  • もし娘さんが私のように「これ以上心配をかけたくない」という気持ちが大きかった場合、親を自分の新たな行動で(この場合でいう“食事量を多くした”という食行動)不安にさせた、という気持ちが大きくなってしまう可能性が考えられるから

といった点です。

 

そうなると食事の時間において「楽しい・おいしい」と感じる時間が少なくなってしまうこともあり得ない話ではありません。

 

 

 

 

もう一つ言うとすると、

娘さんの病気に関して心配する気持ちが絶えないというのは日常的にストレスをた溜めてしまっている状態になると言っても過言ではないと私は考えていて、

だからこそ、解消できるとこからなるべくストレスを緩和することが大事なのは当事者だけでなく当事者家族にも言えることな気がします。

 

 

なので理由がはっきりしているのであれば、

その道のプロ(今回の話でいう主治医の先生や管理栄養士さん、カウンセラーさんなど)と連携をとれる環境を大いに活用して、質問者様自身も心のケアをしてもらったり、心配な部分について相談したいと申請したりしても何ら問題はないのかなと思います。

 

 

 

結論、娘さんが今「おいしい・楽しい」と思って食べられているのは非常に良いことだと捉えて良いと私は思います。

 

 

 

私の過程に沿って考えるとすれば、もしかしたらこれからまた拒食になって、また食べて……の繰り返しになる可能性も0ではありません。

 

ですがもし今後、症状の変化があって娘さんが不安になったことがあったのなら、そのときはその辛さを一緒にそのまま受け止めて、抱きしめてあげてください。

 

 

 

 

そしてまた何か私にご協力できることがありましたら、また気軽に「これってどうなの!?」ってことも、「私も辛いんじゃあああ!!」っていう叫びも、気軽に投げかけてくださいね(*’▽’)ノ

 

お二人が一緒に笑える日がたくさん訪れますように🌸