プロジェクト文学制作委員会 舞台『Project BUNGAKU 太宰治』 | あおちゃんのブログ

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よろしくお願いします(^ω^)

10/9に八幡山ワーサルシアターで行われた舞台

『Project BUNGAKU 太宰治』を観に行ってきました。



4本の短編舞台作品です。舞台公演後、ゲストにより

どの舞台が一番良かったかを決めるアフタートーク付き。



今まで、みたことのないジャンルの作品だったのでかなり

楽しめました。


■「HUMAN LOST」

太宰が病院に入院したときの体験をキャストの女性たちが表現。

金魚を持った女優さんのお芝居がすごく印象的でした。

このチームは、はもったりリズミカルに台詞を出していくところが

すごく良かったなあと思います。


■「燈籠」
家族感がとっても良かったです。妹の位置づけの女優さんの
お芝居が表情豊かでかなり印象に残っています。
ベテラン勢も加わって非常に味のある作品でした。

■「ヴィヨンの妻」
妻をされていた女優さんがとっても輝いていました。
このお話はすごくのめりこむ感じでとっても良かったです。
出演キャストに降板があったのが残念・・・。観たかったああ。

■「人間失格」

主役の男役の女優さんのパワーがすごかったです!全編、

主役さんにスポットがあり、特に表情がすごく良かったと

思います。短編を感じさせない内容で非常に気に入りました!





短編がたくさん観れて、こういう公演もいいなあと思いました。




『Project BUNGAKU 太宰治』

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太宰治生誕101年目の今年…
4人の演出家が
4つの太宰治作品を
4つの方法で演劇にする。
どの芝居が一番おもしろいか。
どの芝居が一番太宰治的か。
どの芝居が一番語るに値するか。
各界の偉人達が4つの芝居をそれぞれの物差しで評価する。
4つの演劇と、まとめの座談会。
これで
「太宰の文学」
「いまの演劇」
「現代における文化や男女の在り方」
そして「日本」を考える企画。
名付けて「プロジェクト文学、太宰治」。



■4つの太宰(それぞれ20分程度の短編演劇)
■「HUMAN LOST」

(初出、「新潮」1937(昭和12)年4月号)

翻案・演出:広田淳一
ひょっとこ乱舞

キャスト:未定

「HUMAN LOST」は、太宰が精神病院に入院した体験をもとに書かれた、まさに彼の精神のギリギリの部分を記した小説です。太宰の魅力の一つに、素朴な明るさとか、意外な強さ、といったものがあるでしょうが、やはり、恥も外聞もなくあがいているその姿の中に、彼の魅力の真骨頂があると思うのです。この作品は、いかんなく、みっともない。なりふり構わず、あがいています。もちろんその一方で、己の狂気すら作品の素材として扱う冷静さを保ちながら、です。うだる夏を越えて十月、僕もまた、静かにトコトン、あがいてみようと思います。

【広田淳一(ひろたじゅんいち):2001年、「ひょっとこ乱舞」旗揚げ。以降、全作品で作・演出を担当し、しばしば出演する。「嘘」をつく劇世界の構築は旗揚げから一貫しており、寓意に富んだ異世界を舞台に、そこに生きる人々を描く。太宰治作品『ロマネスク』を翻案・演出した舞台、『無題のム』にて、若手演出家コンクール2004 最優秀演出家賞を受賞。好きな卵料理は「だし巻き」。 好きなおでんは「ちくわぶ」。 】


■「燈籠」

(初出、「若草」1937(昭和12)年10月号)

翻案・演出:吉田小夏
青☆組

出演:木下祐子、福寿奈央、藤川修二、荒井志郎、井上みなみ(青年団)、芝博文、 田村元、木村望子

何度、恋を失ってみても、何度、夜を泣き明かしても、この心にはなぜ懲りもせず愛の希望が灯るのだろう?今回選んだ『燈籠』は、太宰が女性の一人称で書いた名作短編のひとつだ。初めて読んだ時、女心を鮮やかに掬いあげた文体に脱帽した。そこには、凝縮された恋の切実さと滑稽さが詰まっている。うとましくてうとましくてうとましくて、愛しい。男と女の間には、いつもそんな揺らぐ火が灯っている。私なりの達観と執着を武器に、その炎を繊細に描き出してみたい。匂いたつようなうとましさと愛しさを、あなたと添うて、灯したい、毎夜。

【吉田小夏(よしだこなつ):劇作家、演出家、俳優。青☆組 主宰/青年団演出部所属。2001年に青☆組を旗揚げ、劇作と演出を始める。『雨と猫といくつかの嘘』(09年)他、4つの作品で日本劇作家協会新人戯曲賞入賞。時代に流されない普遍性と透明感にこだわった、瑞々しく繊細な対話劇で定評がある。】

■「ヴィヨンの妻」

(初出、「展望」1947(昭和22)年3月号)

翻案・演出:松枝佳紀
アロッタファジャイナ

出演:伊藤えみ、竹内勇人、岩見よしまさ、ナカヤマミチコ、青木ナナ、木田友和、辻井拓、花邑沙希、峯尾晶

太宰治と言うと軟弱な印象があった。女性と入水自殺、人間失格、グッド・バイ。読んだことも無いのに決めつけていた。三島由紀夫が毛嫌いしていたのも大きい。太宰を読まずして太宰を嫌うようになっていた。今回、大好きな演出家たちに声をかけた。偶然みな太宰好きだった。マジかよと思いながら太宰を読んだ。あれれと思った。面白い。美しい。そして明るい。僕の中の太宰の印象が変わった。生きたい生きたい生きたい。それが太宰の文学だった。 中でもヴィヨンの妻は一番生命力が強い。太宰が自分自身に一番言いたかった言葉がこの中にある。僕はそれを探り当て、皆の前に披歴しようと思う。

【松枝佳紀(まつがえよしのり):劇作家、演出家、シナリオライター、アロッタファジャイナ主宰。京都大学経済学部卒業後、日本銀行に務めるも退職、2004年劇団旗揚げ。「ルドンの黙示」で新国立劇場に進出。映画「デスノート」「武士の家計簿」などにも関わる。】


■「人間失格」
(初出、「展望」1948(昭和23)年6~8月号)

翻案・演出谷 賢一
DULL-COLORED POP

出演:コロ(柿喰う客)、東谷英人、大原研二(Theatre劇団子)、小安光海、櫻井竜、菅谷和美(野鳩)、塚越健一、 ハマカワフミエ(国道五十八号戦線) 、 三嶋義信、百花亜希、湯舟すぴか(市ヶ谷アウトレットスクウェア)

『人間失格』は今でも売れている。主人公である葉蔵の言葉を読んで、きっとみんな「これは俺のことじゃないか」なんて思っちゃってるんだろう。恥ずかしい感傷だ。「葉蔵は俺だ」は「ハムレットは私だ」と同じくらい恥ずかしい。だが、いや待てよ、売れてるんだから、そういう恥ずかしい手合いが平成にもまだまだたくさんいるということだ。誰しもが世間や隣人に怯えながら、恥の多い生涯を送っている。ホントに恥ずかしい奴らばっかりだな。でも、残念ながら、みんな一つだけ間違えてる。あんたは葉蔵じゃない、葉蔵は俺だ。

【谷賢一(たにけんいち):作家・演出家・翻訳家。DULL-COLOREDPOP主宰。日英の大学にて演劇学を学ぶ。2005年劇団旗揚げ。独白を多用する詩的な脚本と無鉄砲な演出でくるくる作風を変えながら、演劇の地平線を目
指して放浪している。大酒飲み。】


そんなこんなで。


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