長谷部誠のロングインタビュー | 青葉若葉

青葉若葉

サッカー日本代表キャプテン
長谷部誠選手とチームの皆さんを
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時々音楽と読書の話題を
書いています。

先日の長谷部さんのロングインタビューを、「ドイツからみた日本人ブンデスリーガー情報」で記事にしてくれましたね、有難いことに。

「今冬からユニセフ大使をします。以前に津波の被害にあったインドネシアやスマトラへ行き、そこでユニセフ大使としての職務を果たします。」
ということなので、今年の冬は長谷部さんの大使としての活動を、ニュースで見られることでしょう。


「現役を引退した後も、このままドイツに残る事は想像できますよ。」という発言もあります。
以前、長谷部さんはドイツで指導者の道を歩む可能性があるという記事を読んだことがあるのですが。。。

長谷部さんには、なるべく長く現役選手を続け、指導者となり、将来日本代表の監督に就任してほしいと望んでいます。

ところで、吉田麻也オフィシャルブログでは、長谷部さんのパリでの様子をたくさんのお写真付きでユーモラスに紹介してくれています。
下記のサイトでお楽しみくださいね。

長谷部誠30歳独身の悲しい1人旅~パリディズニーランド編~

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10月4日 ケルン戦。

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(FR-ONLINE.DE)

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2014年10月14日火曜日

長谷部:本がインスピレーションとパワーをくれる


地元紙フランクフルター・ルンドシャウ紙は、長谷部誠のロングインタビューを掲載した。 



—長谷部選手、ちょっと調べてみたのですが、ゴールでもプレーできるというのは驚きましたよ。

長谷部誠:ゴール?どこからの話ですか?

—あぁ、ちょっと大げさな言い方だったかもしれませんね。ただブンデスリーガでゴールを守った事のあるフィールドプレーヤーは、そう多くいる訳ではありません。

長谷部誠:ああ、その事でしたか。そうですね、あれはヴォルフスブルク時代の事でした。確かホッフェンハイム戦の事だったと思います。うちのGKが2枚の警告をもらって退場となり、既に3枚の交代枠を使い切っていたものですから、フィールドプレーヤーの誰かがゴールを守らなくては行けない状況でした。

—自ら率先してされたのですか?

長谷部誠:僕が?いえ、フェリックス・マガト監督が決断したんです。

—なぜでしょう?ユース時代にGKの経験が?それとも練習でされていたのでしょうか?

長谷部誠:いいえ、全く。あの試合には(現チームメイトの)マルコ・ルスも出場していて、守る気だったためマガト監督に要求していたのですが、結局監督は僕に決めてしまいました。そういうことです。理由はわかりません。で結局、1点を取られて1-3で負けてしまったんですけどね。まぁ、それも良い経験ですよ。(笑)

—これまで一貫してMFとしてプレーされて来たのでしょうか?

長谷部誠:実際そうですね。ボランチもしくはCMFでした。ヴォルフスブルク時代を除いて。あそこでは本当に、どこでもプレーしましたよ。右サイドの前後、左サイドの前後、プレーメイカー、GK。CBとCFに関してはプレーしませんでしたが、それ以外ではどこでも守りました。

—それがフェリックス・マガト、ですよね。当然ハードだった事でしょう。

長谷部誠:そうですね、確実に最もハードな時間を過ごしたと思います。メディシンボールの事は前から知ってましたが、まさかサッカーに関係してくるとは思いませんでしたよ。それでも成功を収め、ブンデスを制覇したのですから良しとしましょう。トップのジェコとグラフィッチが2人で50得点を挙げ、その後ろにミシモヴィッチが控える。素晴らしかったです。そのようなチームでプレーできた事は、僕にとって幸運でした。それを通じて僕は成長しましたし、マガト監督が獲得してくれた事を感謝しています。彼が僕を日本から連れて来てくれた人物ですから、その事を忘れる事なんてありません。

—欧州でプレーする事を希望されていたのですか?浦和レッズは日本のバイエルンであり、決して悪いクラブではないと思うのですが

長谷部誠:そうですね、あの時はアジアCLを制した年でもありました。でももしブンデスでプレーできるチャンスがあるのであれば、それを掴み取るべきだと思います。日本でプレーしていた時の監督は、ギド・ブッフヴァルト氏やホルガー・オジェク氏などドイツ人でした。

—だいぶ前の話ですが、ウーヴェ・バイン氏も浦和に移籍した事があります。恐らく彼の事はご存知ないでしょうが。

長谷部誠:もちろんウーヴェ・バイン氏の事は知っていますが、個人的に知っているわけではありません。僕が14歳の時に彼が来ました。素晴らしい選手でしたね。レフティで背番号は10。知ってますよ、勿論。

—そして高原直泰選手も、浦和レッズからフランクフルトでプレーした選手です

長谷部誠:その通りですね。彼は今でも、3部リーグでプレーしています。今35歳ですが、良い感じでやっていますよ。

—4年前にドイツに来られた時はいかがでしたか?ヴォルフスブルクは世界の中心地という訳ではありませんが

長谷部誠:最初の2年間は厳しかったですね。僕にとっては全く新しい生活、文化、言語でしたから。ヴォルフスブルクは小さな街で、日本を懐かしめるようなものもありませんでしたし。日本食レストランも、日本人も。僕は完全にひとりぼっちでしたよ。

—でもご家族や夫人がいらっしゃったのでは?

長谷部誠:いいえ、本当に1人でした。僕は独身で、誰もいなかったんです。難しかったですけど、でも僕にとっては良い事でもあったと思います。

—良い事。それは言語を勉強する事を迫られるからでしょうか?

長谷部誠:例えばそうですね。最初の3ヶ月間は通訳の方についてもらいましたが、それからはもう必要なくなっていました。僕自身がそれを望まなかったというのもありましたけど、自分自身でどうにかうまくやっていきたかったんです。とてもうまくいったと思いますね。

—自らの手で道を切り開く、それはご自身による決断だったのでしょうか?

長谷部誠:プロになって12年経ちますが、それ以来ずっと全てを自分1人でやってきました。それを変えたくはありません。

—本質とは何か、そこに集中できると?

長谷部誠:そういう事ですね。脇道に逸れる事なく、自らのやり方で、自らの道を歩んでいく。プロ選手である僕にとっては、プレーする事が最優先なんです。

—フランクフルトでは自由に動けますか?それとも気づかれたりしますか?

長谷部誠:特に気づかれるような事はありませんね、もちろん日本人以外は。街では散策したり散歩したりしますし、レストランにも行きます。ここにはたくさんの日本人がいて、多くの人がハウゼン地区に住んでいるんですよ。日本人学校があるんだと思います。

—日本では、街を歩けば人だかりが出来てしまいますか?

長谷部誠:こっちとは違いますけど、ありえますね。東京でレストランに行く時は個室にしか行きませんし、道を歩くのもままならないです。あそこには1300万人もの人たちが住んでいるのですが(笑

—落ちついた状況と注目を浴びる状況。どちらを好まれますか?

長谷部誠:落ちついた方がいいです。だから現役を引退した後も、このままドイツに残る事は想像できますよ。整然としながら、落ち着きがある。僕に良く合っていると思いますね。

—ニーチェをドイツ語で読んだというのは本当でしょうか?

長谷部誠:ニーチェは読みましたけど、ドイツ語ではありません。それはちょっと難しいですよ(笑)。南アフリカW杯の時には3・4冊の本を持っていきましたが、その中にニーチェもありました。彼の考え、そして哲学が好きなんです。非常に思慮深い本だと思いますね、頭には良いですよ。

—ご自身はこれまで、知識人や多読者など、他のプロ選手とは異なる点が指摘されていますね。精神面での強化ため、何かされているのでしょうか。瞑想?ヨガ?

長谷部誠:そうですね。例を1つ挙げるなら、寝る前に一度落ちつくようにしている事でしょうか。精神を集中させ、深呼吸をし、これまで合った事やこれからについて思いを巡らせる。今日は何をし、何を経験し、明日は何をするのか?それで僕は心を落ちつかせています。そして頭と脈拍もコントロールする事が出来るんです。

—それにはどれほどの時間をかけますか?

長谷部誠:まちまちですね。時には10分、たまに30分かける事もあります。

—それ以外にも何か方法は?

長谷部誠:お風呂に入ります、毎晩。僕たち日本人は、たいていそうしているんですよ。僕はシャワーではなく、湯船につかります、熱いお湯にね。42・3度のお湯の中で、15・20・30分つかります。それで落ち着き、筋肉をリラックスさせる。ただ試合の二日前からは、湯船に浸かる事はしませんが

—あと多読とも

長谷部誠:そうですね。いつも時間をかけて。ネットはあまりしないんですよ、本当にちょっとチェックするくらいですね。僕は読書をします。大抵は哲学です。僕は本からインスピレーションとパワーをもらっているんですよ。最近は村上春樹を読みました。

—ここのブックメッセにはいかれましたか?

長谷部誠:いいえ、余りに人が多すぎて(笑)

—ご自身でも本を執筆されています。『心を整える~勝利をたぐり寄せるための56の習慣』。どうして執筆されたのでしょう?

長谷部誠:マネージャーには良く問い合せが来ていたんですよ、ただ僕はいつもお断りしていましたが。でもアジア杯を優勝した後、2011年にお引き受けさせて頂いたんです。

—内容についてお聞かせいただけますか?

長谷部誠:基本的には、僕が何を考え、どのように生活をしているのかという事です。人生訓なんて言い方もできるかもしれません。たとえば、常に前向きでいる事とか、あと整理整頓は人生の半分である(※ドイツ語のことわざ)とか、そういったチャプターがあります。

—え?そうなんですか?

長谷部誠:ええ。僕はそう考えていますね。よく掃除をしますし、整理整頓は必要な事だと思っています。頭の為に良いですよ。

—ご自身で書かれたのでしょうか?

長谷部誠:大半はそうですね。ただもちろん、編集して頂いてはいますけど。

—引退後の事も考えての執筆なのでしょうか?

長谷部誠:いいえ、もうこれ以上書くつもりはありません。もう十分に自分の事をさらけ出しているので。つまり日本のみなさんは、僕がどう考えるのかを知っていると。非常にプライベートな事も書いてますから、それを繰り返したくはないんですよ。

—しかし売れ行きは好調でした

長谷部誠:そうですね、140万部販売されました。

—そしてそのお金は、福島の原発事故の被害者の方々へ寄付されました

長谷部誠:はい、本の価格は1冊10ユーロ。かなりの金額を寄付する事ができました。寄付金を使い、津波の被害にあった福島近郊に幼稚園を作ったんです。既に現地には3・4回訪問し、子供たちと一緒にサッカーを興じました。とても素晴らしかったですよ。

—ユニセフ大使もされるとか

長谷部誠:ええ、今冬から。以前に津波の被害にあったインドネシアやスマトラへ行き、そこで大使としての職務を果たします。

—サッカー選手が大使を務める事は、決して普通の事ではありませんね

長谷部誠:僕は日本代表で主将を務めていましたから。そこでは高い名声を得、社会に影響を及ぼしたりまします。模範の1人としてみられるのです。そして僕自身、そうありたいと思っていました。考えてみてください、僕には特権があり、プロのサッカー選手であり、そして多くのお金ももらっている。そこで僕は当然、何かしらそのお返しをしたいと思ったんです。僕にとっては、それは至極当然な事です。

—ちょっと気になったのですが「主将を務めていた」とおっしゃいましたね。既に主将の任を解かれているのでしょうか?

長谷部誠:僕にはわかりません。今は代表に招集されていない、それ以上の事は僕にはわからないんです。

—もしもドイツでラームやシュヴァインシュタイガー、ノイアーといった選手が、特に理由もなく招集を受けなければ大騒ぎになるのですが、日本では違うのでしょうか?

長谷部誠:わかりません。日本の新聞は読まないもので、インターネットでも。だからわからないんですよ。ここにいる日本人のジャーナリストに聞いてみましょうか?

—招集されなかった事への苛立ち、失望などはありましたか?

長谷部誠:悲しかったのは確かですね。でも代表について、これで終わらせるつもりはありませんよ。もしも良いプレーを見せれば、また招集してもらえると確信していますから。

—しかしその前には招集を受けていました。そこでは膝の問題で早期にフランクフルトに戻る事になったのですが、それで代表監督が気分を害したという事はないのでしょうか?

長谷部誠:それはわかりません。それについては、何も言えませんよ。

—ところで気になる点が。ご自身はピッチ上では、謙虚で友好的な典型的な日本人選手ではありません。臆する事なく議論し、審判に激しく詰め寄る姿が見受けられています。これは全く日本人選手では見られない事ですが。

長谷部誠:僕は熱くなりがち選手なので、そういった事も僕のプレーには必要なんですよ。それがモチベーションとなっているんです。

—乾の助力になれたと感じますか?

長谷部誠:彼はこの夏から新たなスタートを切りました。そしてそれがとてもうまくいってますね。既に理解力が上がっていますし、ドイツの授業も受けていますからね。僕のできる範囲で、彼を助けます。彼にはいつも、もっとドイツ語を勉強しなくてはいけないと伝えているんですよ。でも逆に、彼から多くの事で助けてもらってます。例えばどこにレストランがあるかとか、フランクフルトを案内してくれたりですね。

—乾によくパスを出している気もするのですが

長谷部誠:そうですね、偶然ではありませんよ

—ここまでのチームの結果には満足されていますか?

長谷部誠:ええ、OKでしょう。もっと勝ち点は取れただろう、とは思っていますが。

—アイントラハトに来て間もなく、欧州リーグに出場するという高い目標を口にされていました

長谷部誠:そうですね、ただあくまで個人の意見ですよ。監督やクラブがどう考えているかはわかりません。でも僕は、人は高い目標を持たなくてはならないと思っているんです。

—ご自身のパフォーマンスには満足されていますか?

長谷部誠:もっと良くなれると思います。ボールを早く動かし、もっと前にリスクをかけるようトライしている所です。それを監督も僕に期待してくれていますし。それにもっと僕は得点力も磨いていかないといけない。でもそのうち実現できると思います。

(ドイツからみた日本人ブンデスリーガー情報)