第23回「亀田問題を通して」 | 青二才の日々コラム

第23回「亀田問題を通して」

(コラム:芸能・スポーツ)
第23回 「亀田問題を通して」



亀田家がまた盛り上がっている。遥か遠い中東にて拉致されている横国生よりも話題になっている。
試合を放送したTBSでは、平均視聴率が関東で32.3%、瞬間最高では40.9%にもなった。
おめでとうTBS。

しかし試合をみた人達からは色々言われているらしい。
「ボクシングを汚した」やら「レスレングへ転向しろ」やら。
wikipediaでは「大毅は宣言通り切腹して死亡した」と書き込まれていた。

まぁ青二才としてそんな批判は正直どうでも良い。
ひとこと言うならば、盛り上げ方がヘタクソだと思った。
亀田家を利用すれば、もっとボクシング全体を盛り上げられたはずだ。
彼らを愉快なヒールキャラに設定して、他に様々なヒーローをおくり込めた。
そうすれば、もっと様々な選手の売り方が出来たはずである。


でも、こんな亀田家依存の状態が続いたのは、TBSが独占的に彼らを縛りきったことであろう。
そのせいで、せっかくボクシングに注目がいったのにも関わらず、ヒールがヒーローを兼任するというスタイルのみしかなくなってしまい、結果として今回ヒールが行き過ぎた。ヒーロー像も一緒に見ていた消費者の期待を裏切ることとなってしまった。要するにさらなるヒーローを創造出来たはずのチャンスをのがし、“ヒーロー不在”の状態を作り上げてしまったのである。
今回の問題で、再びTBSに対して苦情の電話・メールが殺到したそうだ。

さてさて。
この苦情を放映したテレビ局にぶつけるという件だが、最近同じようなことがあった。
巨人が優勝を決めた試合の中継を日本テレビが行わなかったことに対しても、苦情が殺到した。

TBSは流したことで苦情。日本テレビは放送しなかったことで苦情。
要は日本の放送メディアによるスポーツエンターテイメントが崩壊を示しているのではないか。

結局は巨人も亀田も、両者とも結果論にすぎない気がする。
巨人の件だって、優勝したから見たかったと言っているが、だったら試合前から苦情をぶつけるべきだ。最近の野球中継が数字をとれていないのは紛れもない事実。ファンとして盛り上げたいのならば、下らないバラエティー番組を見ずに、普段から中継を選ぶべき。
亀田だって、不愉快ならば、なるべく早い段階からテレビを消せば良かった。そしてその後もTBSを映さなければ良い。

さらに言うならば、(特に今回のTBSの場合は)テレビ局に苦情をいうのではなく、スポンサーに対して直接ぶつけるべきだ。CMで流れる表品を悉くボイコットするべきだ。
そうすればスポンサーが離れ、広告収入が難しくなる。放送局は方向性を考え直さなければならなくなるだろう。

しかし、今のままでは放送局のぼろ勝ちで終わってしまう。
いくら文句をいっても、あれだけの視聴率をたたき出してしまった以上、スポンサーも大喜び。また同じような番組企画・方向性に金を出したがるはずだ。
作り手側から我々消費者は視聴率の単なる『数字』にしか見られていない。
僕らは『数字』なんかではない。『ひと』なんだ。
放送側には是非とも『ひと』のための番組を作ってほしい。
そして、その方向性を決定していくのは、テレビの前に座っている我々のはずだ。


第23回 おわり。