第21回 「ロックとエネルギー」
(コラム:カルチャー/音楽)
第21回「ロックとエネルギー」
音楽仲間であり、バイトも同じの“Rくん”と職場の掃除をしていたときの話。
Rくんは、うれしそうに「銀杏ボーイズの新譜を買った」と言って、まだ朝だというのにも関わらず、凄まじいラウドロックサウンドを職場のスピーカーから流し始めた。
とんだ掃除になったと思った。彼は非常に上機嫌な様子で「ここのギターの音がすごい気持ちいいんだよ」と僕に話しかける。
しかし、正直僕には良くわからなかった。
別に銀杏ボーイズを拒絶している訳ではなく、ただ単に、音が割れまくってしまっていて把握できないのである。
職場のスピーカーは、普段は和楽器(主に琴など)による民謡などが流されている。
しかし、今はその同じスピーカーから爆音のロックンロール。
...どうやらロックを流すために見合う出力が足りていないよだ。和楽器に慣れた軟弱なスピーカーでは銀杏ボーイズのサウンドには耐えられない。
試しに元のプレイヤーの音量をしぼってみる。
...うん、なるほど。たしかに音は割れなくなった。
しかし、何か物足りないのである。
そのとき確信した。
やはりロックには大量のエネルギーが必要なんだ。
1960年後半にアメリカ・ニューヨーク州で行われたロックフェス“ウッドストック”の映像を見たことがある。その頃はまだPA技術が発達していなかったせいか、大量のギターアンプ、ベースアンプ、スピーカーによって大音量のロックサウンドをなんとか40万人の観客に届けていた。それでも実際に演奏を聴けたのはごく僅かだったそうだ。
その後のオイルショックにより、「ロックにはエネルギーを無駄に浪費させる」ということを痛感させられ、しばらくはウッドストックのような大規模野外ロックフェスは開かれなかった。
日本では、逆にあまりエネルギーを必要としない“フォークブーム”が到来した。
それが今となっては再びロックフェスがブームである。
“地球温暖化”や“省エネ”などを口すっぱく言われて今日。ロックにも省エネルギーは進んでいるのだろうか。今後の課題となりそうだ。
第21回 おわり。
第21回「ロックとエネルギー」
音楽仲間であり、バイトも同じの“Rくん”と職場の掃除をしていたときの話。
Rくんは、うれしそうに「銀杏ボーイズの新譜を買った」と言って、まだ朝だというのにも関わらず、凄まじいラウドロックサウンドを職場のスピーカーから流し始めた。
とんだ掃除になったと思った。彼は非常に上機嫌な様子で「ここのギターの音がすごい気持ちいいんだよ」と僕に話しかける。
しかし、正直僕には良くわからなかった。
別に銀杏ボーイズを拒絶している訳ではなく、ただ単に、音が割れまくってしまっていて把握できないのである。
職場のスピーカーは、普段は和楽器(主に琴など)による民謡などが流されている。
しかし、今はその同じスピーカーから爆音のロックンロール。
...どうやらロックを流すために見合う出力が足りていないよだ。和楽器に慣れた軟弱なスピーカーでは銀杏ボーイズのサウンドには耐えられない。
試しに元のプレイヤーの音量をしぼってみる。
...うん、なるほど。たしかに音は割れなくなった。
しかし、何か物足りないのである。
そのとき確信した。
やはりロックには大量のエネルギーが必要なんだ。
1960年後半にアメリカ・ニューヨーク州で行われたロックフェス“ウッドストック”の映像を見たことがある。その頃はまだPA技術が発達していなかったせいか、大量のギターアンプ、ベースアンプ、スピーカーによって大音量のロックサウンドをなんとか40万人の観客に届けていた。それでも実際に演奏を聴けたのはごく僅かだったそうだ。
その後のオイルショックにより、「ロックにはエネルギーを無駄に浪費させる」ということを痛感させられ、しばらくはウッドストックのような大規模野外ロックフェスは開かれなかった。
日本では、逆にあまりエネルギーを必要としない“フォークブーム”が到来した。
それが今となっては再びロックフェスがブームである。
“地球温暖化”や“省エネ”などを口すっぱく言われて今日。ロックにも省エネルギーは進んでいるのだろうか。今後の課題となりそうだ。
第21回 おわり。