東洋医学つまみ食い その1 『秋の過ごし方』 | 杏 -anzu- 通信

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 府中の鍼灸専門院
  『はりきゅう府中杏寿堂-fuchu anjudou-』 から
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今日は3年ぶりの皆既月食。
そして季節はすっかり秋。
前回の更新後さぼっていたので、季節が一つ進んでもう秋です。

まいりましたね
そこで、とってつけたようですが、今回は「秋の過ごし方」について書いてみます。

秋の養生は、「収」のイメージです。
収れんとか、収穫とか、弛んでいたものや散らばっていたものを、きゅっとおさめる感じでしょうか。

1日の活動時間も、ニワトリのように日の出日の入りに合わせて、秋は短めが良いのです。
東京ならば最近の日の出は5時台後半、日の入りは17時前半で、1日経つ毎におよそ2~4分ずつ昼が短くなります。
6時頃に起きるのはありとしても、17時台に寝るのは現代のライフスタイルでは難しいですよね。

それでも、寝ないにしても、仕事が終わったら自宅でゆったりした時間を過ごすが善し、というところでしょう。
飲み会やスポーツジム通いも、秋はほどほどに。です。

そうそう、読書の秋とはよくいったもので、秋の夜長の過ごし方としてはぴったりです。
けれど、夜の12時までには終わりにしないといけません。

なぜか?
養生訓では、「夜の読書や人との語らいは三更(夜中の12時)まで」といって、夜更かしの害を説いていますので。

養生訓の作者、貝原益軒は、83歳まで元気で長生きした江戸時代の儒学者ですから、その言葉にはそれなりの重みがありますよ。

さて、秋になると気温がぐっと下がるので、ちょっと油断するとすぐ風邪を引きそうです。
そのせいでしょうか、咳やくしゃみ、鼻水でつらそうにしている人が多いように感じます。
秋という季節にやられてしまっているようです。

そうならないために、穏やかに一日をゆったり過ごして身も心も十分に滋養して、何というか、こう、エネルギーを内側に向けるよう意識すると良いのではないでしょうか。

そして、いい空気をたっぷり吸って、肺をすっきりきれいにするのも忘れずに。

この秋の養生を怠ると、冬になって下痢でつらい思いをすることになるようですよ。

毎年冬場にお腹がゆるくなるという人は、今のうちから秋の養生を実践してみてください。
今年の冬はお腹の調子がよいぞ~となりますように。


さて、そろそろ皆既月食 どうなっているかな?

秋の夜気が毒にならない程度に、お月見を楽しみましょうね。