昨日は、アートプロデューサーの中川真貴先生の出版記念をお祝いする講座をオンライン&対面で開催しました。
私は遠方からオンラインで主催させていただきました。
便利な世の中になったおかげで、
どこにいても、対面さながら皆さんの元気なお顔を拝見できるのは嬉しい限り。
その上、真貴先生のおかげで、印象派について多くの発見をさせていただくことができました。
印象派の先駆けとも言えるオランダ人ヨンキントは、パリの街の薄明るい陽に照らされる「フランス人の母」ノートルダム寺院を描いています。
また、マドレーヌ寺院からオペラへ抜ける大通りに面したナダールの写真館は、モネ、ルノワールといった面々が最初に「印象派展」を開催した場所。
かつて肖像画を描かせることが上流階級のステイタスだったように、19世紀後半、ナダールによって撮影された肖像写真はアッパークラスの証明書の役目を果たしていたのです。
また、印象派は日本の歴史とも密接な関係があります。印象派が誕生したのは、まさに欧州の万博時代です。
今、NHKの大河ドラマのテーマになっている渋沢栄一は、印象派という新しい芸術スタイルが台頭した時代に使節団としてパリ万博を訪れた人物として知られています。
画家たちは、万博で紹介された浮世絵の影響も多々受けていたのです。
意外に知られていないのは、ゴッホも印象派に大きく影響を受けていたということ。
セーヌ川に浮かんだアトリエ舟に乗って戸外で描くのを好み光を捉えた印象派の時代は実はたった12年間。
そして、印象派の後にはポスト印象派、ナビ派、そしてフォーブと呼ばれる
芸術スタイルが流行するのです。
ナポレオン3世からその終焉まで、
新しく、モダンに生まれ変わったパリの歴史とナポレオン3世によって経済効果が高まり
人々が物欲に駆られたバブル期という時代を象徴する印象派。
いつもながら絵の見方も教えていただき、
じっくりと芸術を楽しむことができた貴重な2時間でした。
名画シリーズ・色彩飛行
『初めてのルノワール』そして『初めてのモネ』(求龍堂)
著者・中川真貴
もどうぞ、皆さん手に取ってみてくださいね。
○ジュンク堂書店池袋本店でパネル展示中です。
三省堂池袋本店、紀伊國屋書店新宿本店でもパネル展示します。
主要3書店の本店です。営業部もがんばっています。
https://twitter.com/junkudo_ike_art/status/1381909605836464128?s=11
○書評
「はじめてのモネ」
毎日新聞の書評欄、図版入りで5月のどこかの土曜日に掲載になります。
5月は私、そして福西弘美先生、大原千晴先生の授業が続きます。
こちらもどうぞ、よろしく。