日本テレビ60周年を記念して開催された上野・東京国立博物館平成館の特別展「京都~洛中洛外図と障壁画の美」は、織田信長から献上された上杉本や、岩佐又兵衛作舟木本など、細部まで凝りに凝った洛中洛外図、また障壁画の魅力を4Kという最新映像技術とともに一堂に展示したすばらしい展覧会でした。ほとんどの作品が国宝、重要文化財級のもので、わずか2ヶ月の展示に展示替えがあるほどで、こうした贅沢な展覧会はまたとないものだと主催者の方もお話していました。


本来であれば、この会期中に催されるはずが、台風の被害を懸念して延期になった青柳恵介先生による講座が、昨日、日本橋三越カルチャーサロンで開催されました。
新春のおめでたい雰囲気を彩るように、太陽の日射しが大きな窓から燦々と降り注ぐなか、
青柳先生の幅広い知識が炸裂します。

まさしく「おたのしみ」と題した通り
先生の想う、京都を
1、宝
2、飲み食い
3、女
の3部構成で楽しくお話くださいました。

<宝>の筆頭に挙げられたのは、なんといっても「庭」。なかでも、先生が一押しするのは、大小の石を並べただけのシンプルな竜安寺の庭です。今回の展覧会では、この庭にカメラを設置して、四季折々の迫力の風景を見せていましたが、
志賀直哉に「桂離宮が長編なら、竜安寺の庭は短編傑作だ」といわしめた庭の魅力を十二分に語ってくださいました。

また、もうひとつ先生が愛するのが修学院離宮の庭です。上、中、下と40mの段差によって作られた自然の庭は、平安王朝の貴族の雅を凝縮したような庭で、農業が尊いということまでも感じさせる借景が魅力だと語っていました。

二つ目の宝は、淋巴、俵屋宗達の絵。健仁寺の「風神雷神図」、また、国立博物館の「蓮池水禽」など、すごみまで感じさせる迫力に満ちた絵なのだそうです。

三つ目は、「源氏」「伊勢」他、京都の町が背負っている物語の数々。これは、奈良本辰也著「京都の百話」などを読んでまわるといいというアドバイスまでも。

<飲み食い>では、白洲正子さんと行った清滝川の鮎の店「ひらの屋」(鮎づくしが売り、わたしも母に連れて行かれました>
三島亭のすきやき、河重、千花といった料亭まで、さまざまなお勧めが。
なかでも大のお気に入りはサンコーヒーの玉子サンドなんだそうです。

最後の<女>では、昔の芸子さんのお話。首の遣い方と美しい京都弁でついつい気を許してしまうが、実は、厳しくしゃっきりしたのが、京都の「いい女」なんだそうです。

「おおきに」のオブラートの裏に隠された意味は?
そういや、そうですよね。
「おおきに」ほど、便利な言葉はないんだそうです。

歴史も文化も知り尽くした先生が、レベルととんとんと、3ランクくらい低くしてお話くださったお陰で、
日本文化に疎い私でも120%楽しめました。

「是非、第二弾を!」という生徒さんの大拍手のなか、会場を後にしたというわけです。


おみやげには、口の肥えた先生にも召し上がっていただき大好評だった、昨年のパリのサロン・ド・ショコラ主催のコンクールで世界5位に輝いた
サロン・ド・ロワイヤル京都のチョコラを御持ち帰りいただきました。
可愛いエッフェル塔のガナッシュ、そして、ナッツにコーディングしたものまで、味もデザインもとてもキュートです。


是非、先生のお話を次回の京都ガイドにしたいです。そして、サロン・ド・ロワイヤル京都にも行かなくちゃ!

また、機会があればこんな講座をしたいですね。

4月からは、わたくもカルチャーサロンで御世話になります。今年のテーマは「バラ」。くわしくはHPで。
こちらもどうぞ、よろしくおねがいします。

サロン・ド・ロワイヤル京都
京都市中京区木屋町御池上がる樵木町502
電話075−211−4121
www.s-royal-kyoto.com