このところの猛暑のなか、車で出かけたりもしていますが、近くの散歩や公園歩きをする気はおきません
どうしても家の中で、オリンピック観戦、読書、パソコンインターネットが多くなります


時間だけはたんまりあるので、たまには歴史長編ものでも読もうと思い、

手に取ったのは2年くらい前に直木賞を受した米澤穂信さんの「黒牢城」
この本は山田風太郎賞も受賞していました

表紙に小さく、Arioka Citadel caseと書いてあります

Citadel って知らなかったので調べたら、城塞という意味らしい

時は天正6年、荒木村重が信長に謀反を起こしたところから話は始まります
荒木村重といえば、梟雄とまではいかなくても一般的にはあまりいいイメージはない武将です
自分の頭の中では、梟雄といえば
第一に松永秀久、第二に宇喜多直家、第三に斉藤道三を思い浮かべます

信長は日本人に結構人気がありますが、悪いこともたくさんしています
その信長を本能寺で自害に追い込んだ明智光秀は悪者になっていますが、
謀反して生き延びた村重はそこまで悪いイメージはないが、人気もない

珍しく、その荒木村重を主人公にして書かれた「黒牢城」
使者としてきた黒田官兵衛を地下牢に幽閉して、都度アドバイスを得ていたという話
結構作り話が多いのだろうが面白い
もう10年くらい前になりますが、NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」にも出てきた地下牢で
岡田准一が演じた鬼気迫る演技を思い出します

それはともかく、この本によれば村重は人望もなく、領民からも慕われもせず
勝ち続けることで部下の武将をまとめてきたので、籠城しても諸将は結局バラバラになったとのこと
妻である千代保までも村重を見限っていたということが村重にもわかり、
最後は村重が数人だけで城を抜け出して行き永らえたようです
残された婦女子には悲惨な結末になったことと、官兵衛の息子松壽丸が生きていて対面するまでが書かれています
史実を加えながら作った小説はどこまでが真実で、どこが創作がわかりませんが
読んでいるとその世界にどんどん引き込まれていきます

村重が籠城した有岡城跡は行ったことはないが、伊丹空港のすぐ西側のよう
ここでひたすら毛利の援軍を待つ策が実現することはなかった
大阪に赴任していた頃、訪問していたM電機の工場からも近いところです
その頃知っていれば、仕事の帰りにも立ち寄ることもできた城跡です