知る・愉しむ~日本の器 資格制度への想い | 器・空間プロデューサー 西巻顕子の ブログ

器・空間プロデューサー 西巻顕子の ブログ

レストランや飲食店のプロデュースをしています。日本全国の窯元や伝統工芸師を応援し、器をご紹介しています。
東京ドームテーブルウエアフェスティバル「優しい食空間コンテスト」で2014年、2016年の二度「大賞・経済産業大臣賞」のグランプリを受賞。

2014年から始めたテーブルコーディネート教室 「知る・愉しむ~日本の器」は、主に月に一度の頻度で開催し、そろそろまる5年が経とうとしています。今ざっと数えてみたのだけど、恐らく150名程度のゲストの方に来て頂きました。本当に感謝でしかありません。

今思えば、2014年の頃の私の知識なんて今から比べたら本当に浅くて、でもとにかく必死に調べたり勉強しながらその時の最大のパフォーマンスでやらせて頂いていたと思っています。

今回思い切って資格制度を立ち上げたのには、色々な想いが込められているのですが。
一番の原動力となったのは、他でもなくゲストの方からの強いご要望からでした。
特に、2014年から変わらず通って下さった方は、5年通った証となるものないし、何かしらのディプロマが欲しい、とのご要望を随分前より頂いていたのです。
しかしながら、私自身が「資格」とか「ディプロマ」なる物には一切興味がなく。というか、私なんぞやが資格やディプロマなるものを発行しても良いものなのか?そもそも私自身にそんな<資格>があるのか??と尾崎豊の「シェリー」なみに自問自答を繰り返していたワケです。

そんなある日、過去のレジュメやら資料を見返していたらば、私なかなか真面目に頑張ってきたもんだ。飽きっぽい私がよくもここまで続けてこれたなと・・・。

初期の頃は、日本の伝統工芸の産地について深く掘り下げたレクチャーから始まり、中盤に差し掛かる頃には、器の事を突き詰めれば突き詰める程に「和」について深く知る事となり、「歳時記」しかり、比較対象として「洋」や「中」や「アジア」を学ぶ事になったりと、正直もう毎日(今も)が勉強の日々であり、もうJAPAN文化ってホント素敵!Viba!日本!と日々噛みしめる程にそれはそれは楽しい。つまり私自身が楽しいからこそ続けてこれたのだと心底思っています。

それで、この5年間積み上げてきたものを「マニュアル化」してみようと、ようやく思い立ったワケです。

ところで、所謂テーブルコーディネート教室のイメージって、素敵女子やセレブなマダムが集まっているイメージ?ではないでしょうか?

弊社もこの5年間の間で、この教室をどのようにポジショニングしていくのか?(ブランディングとも言う)正直悶々としたことがありました。

私はどう頑張っても素敵マダムやセレブマダムにはなれない。
でも、テーブルコーディネートを教えるからには、とにかく皆様が喜ぶ何か素敵な物や事を、手を変え品を変え常に提供し続けれなければと、性に合わない事を必死に頑張ってきたような気さえしています。

しかしいよいよ自分で資格制度を立ち上げようと、諸々の作業を進めるうちにもう、素敵な事なんて本当にどうでも良くなってきてしまい極論、「知る・愉しむ~日本の器」を世の中に広め、「作り手と使い手を繋ぐ」という創業当時から掲げていたモットーを、私のやり方で、みんなが楽しくて、作り手も使い手も幸せになれば、それが一番大切な事、という結論に至りました。

故中村勘三郎さんの名言「型を身に付けねば型破りにはなれない」 型を身につけてから、破るから“型破り”っていうんだよ! 型があるから、型破りっていうんだよ!型がなかったら「形無し」

という言葉があります。
私はこの言葉を聞いた時にゾゾぞーっと鳥肌で、【これは私の座右の銘にする】と直感的に思いました。
和の事、伝統工芸の事は今までと変わらず日々学び続けていくと思います。
でも、それを知った上で「型破り」な事をしていく、していきたいと思っています。それも楽しく。


器の事、和のテーブルの事、歳時記・・・行き着く先は茶懐石、などなど、「和」を知ろうと思ったらその道の重鎮の方々は沢山いるワケで、そこを極めるにはとてもハードルが高くて遠い道のり。今のこの時代、オンライン講座とかYou tubeさえあれば大抵の事は学べるのに、数ある「和のお作法」ときたらそういった事はむしろNGときてる。それはそれでリスペクトしつつ、私はそういった物とは全然違う、もっと気軽に手軽に「日本の伝統工芸」を広げて行きたいって思ったワケです。

「知る・愉しむ~日本の器」資格講座は、今のところ2ステップのカリキュラムとなっています。

入門講座として、2H×3単位 6H で取得が出来る「い・ろ・は n-ist」これは、基本中の基本、器や和の「い・ろ・は」を知って私達と一緒に、日本の伝統工芸の普及に貢献していく使命を担って頂く資格です。

続いて、インストラクターコースは、「い・ろ・は n-ist」の育成・認定をして頂くコースです。
こちらは最短3日で取得が可能となっておりますが、2h×9単位、レポート提出や認定試験を設けています。正直、ちょっと厳しいかもしれませんが、看板を背負って頂く以上はそれなりの知識や覚悟や責任を持たれた方のみ認定させて頂いております。それも楽しくね。
長くなったので今日はこの辺で・・・・