70にして惑わされる?な話。 | 人事・労務は、あんしん第一! 社会保険労務士法人あんしんサポート

こんにちは、木戸でございます。

某カレーチェーン店で好物のビーフカレーを食しながらふと厨房に目を
やると、シニア労働者が多いような気がしました。そのような雇用方針
なのか、あるいは、加齢とカレーを掛けているのか。。

どうやらこの数日の暑さで、脳が疲れているみたいです。

さて7月になると、夏祭りのシメ(?)というべき算定基礎届の業務が
佳境の時期ですが、毎年恒例で迷うのが70歳以上の社員の届出です。
そこで今回は、70歳以上の算定基礎届などについて整理します。

これまた、恒例と高齢を掛けたのかと言われそうですが、そのとおり!


■70歳になる前月まで厚生年金加入者(=被保険者)

 年金をもらうのは原則、65歳から。年金保険料を払うのは70歳に
 なるまで。65~69歳の間は、保険料を払いながら年金をもらえる
 期間です


 もちろん、短時間の労働者(原則、週所定労働30時間未満)は加入
 できないので、その場合は年金をもらうだけで保険料は発生しません。
 年金をもらい始めたら保険料は払わなくて良い、はデマです。


■70歳を過ぎても調整は継続

 誤解しやすいのが年金と給与収入との調整で、一定額を超えると年金
 が減額されることがあります。大雑把に言うと、年金月額と給与月額
 合計が47万円を超えると、年金が少しずつカットされていきます。

 在職老齢年金といわれる仕組みですが、この制度は70歳で厚生年金
 被保険者でなくなった後も続きます
。働いている限り何歳になっても
 給与を稼ぎすぎると年金がカットされる、少し残酷な(?)制度です。


■年金調整のために算定基礎届も提出必須

 細かい話ですが、70歳以上は厚生年金の被保険者ではないので、
 『70歳以上被用者』と言われます。厚生年金被保険者の算定基礎届
 と同様に、『70歳以上被用者算定基礎届』の提出が必要です。

 これを提出していないと、もらえるべき年金が過剰にカットされたり、
 その逆のことが起きる可能性があります
ので、重要な届出です。
 なお、提出をサボっていると、ちゃんと督促がきます。。

 ちなみに、健康保険は75歳になる前月までが被保険者期間ですから、
 70~74歳の期間中は算定基礎届と70歳以上被用者算定基礎届の
 両方を提出します。ややこしい・・・!

 
■70歳になったときの届出

 70歳誕生日の前日を以って、自動的に厚生年金の資格を喪失します。
 ですが『70歳到達届』なる届出もあります。年金機構は被保険者の
 年齢を把握しているからわざわざ届出不要では? と思いますよね。

 実際は、70歳到達前・後が同じ報酬(給与)であれば提出は不要で、
 70歳到達と同時に報酬が変わるときだけ70歳到達届の提出が必要
 です。届出の結果、新たに年金と給与の調整の計算が開始されます。


70歳に到達したからといって、厚生年金関連の実務が減る・無くなる
というわけではありませんので、その点は要注意ですね。

なお、社会保険に加入できないくらいの短時間の勤務者であったり、
業務委託などで雇用関係にない人であれば、そもそも関係のない話です。

業務のご参考になれば幸いです。







爺「70歳になっても働かされ、稼いだら年金はカットされ、・・・。。
  なるほど!コキ使われるから古希って言うのか?フォッフォッフォ」


孫「おぢいちゃん・・・、一瞬気の毒で同情しそうになったけど速攻で
  止めたよ! 将来、こんなお気楽な老人になれたらいいな~」