初めから読む

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その後は父も合流し、2人で母の顔を見た。父が母の顔を見たのは、実に12時間ぶりくらいだったと思う。倒れた直後の母の様子しか知らないから、本当に不安だったのだろう。今にも泣きそうな顔で母の顔を見ていた。

「痛かったなあ。よくがんばったね」

父は、小さな声でボソボソと母に話しかけている。その様子がまるで手術が始まる前の自分を見ているようで、親子なんだな〜とむず痒くなった。

「ガミガミ言われたほうがよっぽどマシや」

泣きそうな顔で笑う父の言葉に、私は小さく頷いた。

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父の車で帰宅する途中、これからのことをいろいろ話した。

「もし身体が動かなくなったらどうする？」

「意識が戻らなかったら？」

「介護用のベッドを買って、おじいちゃんとおばあちゃんの家へ行く」

「アンリは一人暮らしするか？」

…こんなことを話した気がする。先がどうなるかわからなかったから、自ずと最悪のパターンを想定した話をしていた。

【母のこと】母がくも膜下出血で倒れた日17