40年以上前の貧乏学生時代、クーラーなんて無い4畳半の下宿時代に作成していた氷クーラーを再作しました。

とは言ってもヨタ入手後では3代目になります。 十数年前に夏の暑さに耐えきれず、学生時代を思い出しながら再作しましたが、大きな欠点があってすぐダメにしてしまって、しばらく作っていませんでした。

今回のも構造は学生時代に作ったものと同じです。 ただし大きさが全然違います。

当時のは氷のスペースだけで60cmくらいの中型魚が入るほどの大きさがありました。

学生時代、近くに業務用氷塊を売ってる店があって、魚臭い発泡スチロールケースと氷は、

安く手に入ったので時々お世話になっていました。

今は発泡ケース、小型電動ポンプやファン、ホースが入手しやすくなってきているので楽です。

 

構造は簡単です。

写真のように2段構造になっています。

下の部屋(写真の右)に氷と水を入れます。 

上の部屋(写真左)にはラジエーターとファンが入っています。 このラジエーターは車の室内ヒーターコアを流用しています。

 

学生時代はポンコツになったライトエースのヒーターユニットを分解し、ヒーターコアを取り出していました。 

今回も古い軽自動車の室内ヒーターからとったものです。 大きさがちょうどいいです。 

このラジエーターに、下の部屋の氷水をポンプで巡回させラジエータを冷やします。

エアコンでいうところのエバポレーターに相当します。

写真のホース先端の黒い部品が水中ポンプです。12Vで駆動します。

このラジエータに、ファンによって外気を通過させ、冷たい空気を出す仕組みです。 

この方法だと気流としては通常のエアコンと同じなので、冷えて乾いた空気が出ます。

 

私は、これを座席直後のトノカバーのスペース(トランクルーム奥)に、冷気がフロントガラスを

向くように置いています。 熱く蒸れた雨の日のフロントガラスの曇り取りには効果的です。

もちろんかなり涼しいです。

このサイズだと、真夏の炎天下では、スーパーなどで売っている大きな角氷を入れても、連続運転すれば2時間も持ちません。 しかし走行中は窓を開ければ良いし、熱いなと感じたときだけ動かすなど工夫をすれば4時間は持ちます。 

氷式なのでレスポンスが良く、SW-ONで、すぐ冷気が出ます。

費用対効果は十分だと思っています。 

 

ご参考に構造をもう少し詳しく・・・

写真右がラジエーター、左に見えるのがシロッコファンです。このファンは写真で見える丸い部分から空気を吸って、左の下の隅(黒いスポンジで囲っている部分)から吹き出します。

黒いのはスポンジで、この上に蓋をすると空気を遮断するようになっています。

写真では見えにくいですが、左下には冷気吹き出し用の四角い穴が開けてあります。

 

ラジエータの下は少し彫り込んでありスペースがあります。

ファンによってラジエーターの下から空気を吸い込む構造になっています。

ラジエーターの上から来た空気は、ラジエーターを通過し冷えた空気になって、この彫り込んだスペースを通ってファンに吸い込まれ、左下から冷えた空気になり箱の外に吹き出します。

 

これを裏から見た写真です。

ラジエータの下に空気が通るようにスペースを作るために穴をあけたので、白い発泡スチロールで蓋をしています。

 

ポンプと戻りパイプに白い水道蛇口用フィルターを付けています。これは、水流が直接氷に当たるのを防いでいます。 直に水流が氷に当たると、そこから氷はすぐに解けてしまいます。

できるだけ穏やかに水を流すことで無駄な氷の溶解をふせぎます。

手前の細いパイプはラジエーターで結露した水のドレンパイプです。エアコンと同じですね。  

ついでに上の蓋の裏です。

白いガラリがついている部分がラジエーターの上に来ます。 ここから入った空気はラジエーターを通過し冷気になります。

これまでの経験上、空気はできるだけゆっくりとラジエーターを通過するのがコツです。

なのでファンをラジエーターから遠ざけています。

写真の黒いのはスポンジです。空気を遮断します。

組み立てたところです。

赤いところから入った熱い空気が、内部のラジエーターを通って冷えた空気になり、写真ではわかりにくいですが四角く開けた穴から青矢印のように吹き出します。

蓋の上の黒い部分はマジックテープがくっつくようにしてあります。

 

ところで、冒頭にお話しした大きな欠点というのは、

構造上エアコンと同じなので、気を抜くとラジエーターと周辺にカビが発生します。 

使用後はすぐに乾燥が必要です。

すぐダメにしてしまった理由はこれです。 ずぼらして帰宅後数日置くとカビだらけになります。

 

今回は内部に浴室用カビ防止剤を処理しました。

効果は短いとは思いますがやらないよりましかなと思っています。

 

あともう一つコツがあります。 それは氷を薄い布袋に入れるということです。

ポンプの流水や車の揺れで、揺れ動く水が急速に氷を溶かしてしまいますが、袋がそれを防ぎます。 確かに直接の水氷ほうがかなり冷えますが・・・

クラッシュ氷も袋に入れてきつく縛ると氷同士がいったんくっついて、かなり長持ちします。

 

実はこの装置の上の部分を流用し、もう一回り大きな発泡クーラーボックスを買ってきて、氷室とラジエーターが別になったものをもう一台作ってあります。

配管を延長して2つを分離しました。 つまり熱交換とファンは室内、氷はトランクルームです。

これなら氷や水を入れやすくなります。

 

あと、駆動は車のシガライターじゃなくてキャンプ用電源を使っています。

この装置の消費電力なら100時間以上動かせます。車中泊キャンプにも使えて便利です。

 

一人で出かけるときは、一体型のほうが助手席の足元にも置けるので気に入っています。

カビ対策も簡単なので・・・