ふるさんのブログでご紹介されていますサイドブレーキの問題、
サイドブレーキのワイヤーを限界まで調整しても、サイドブレキレバーの位置が高い(調整しきれない)問題の、件です。
方法言い出しっぺの責任と思い、ふるさんのブログをフォローします。
イメージ 1
上の写真の状態は、サイドブレーキを下している状態です。
ホイールシリンダーがブレーキシューのバネの力で戻りきっている状態です。
この状態で、赤矢印の2か所にガタがほとんどない状態をつくり出せれば、ワイヤーの調整代は十分余裕ができます。 そしてこの時、青矢印の部分のベルククランクとバックプレートの隙間がほとんど無い状態となっていればよいわけです。(つまり各部のガタがほとんど無い状態です)

各部の摩耗が少しずつ進むと、仮に赤矢印2か所のベルクランクとブレーキシューとのガタを手で無くした状態をつくり出せば、青矢印のバックプレートとベルクランクとの隙間が大きくなります。これが摩耗の合計で、ワイヤーの引き代をなくしてしまいます。

本来の対策としては、各部の摩耗をそれぞれ補修すればよいのですが、すべての場所の全てのガタを無くすのはかなり大変なので、一番直しやすいベルクランクの2つの赤矢印部分の摩耗を埋めてしまう方法(案)です。

ふるさんのブログでベルクランクと補修の様子が写真入りでよく分かるので、興味のある方は参考にしてください。 私は図で説明しておきます
下図は、写真の赤矢印のベルクランク(シルバー部品)の部分です。
イメージ 2
これはロウ付けの場所です。ここを埋めてガタを修正します。

イメージ 3
イメージ 4
イメージ 5

最後にロウの肉盛り部を削って調整します。
一番上の写真の様に組んだ時に、ベルクランクのワイヤーひっぱり方向に若干のガタを残してください。
つまり、ブレーキシューがベルクランクだけに乗った状態にならないようにすることです。

ロウは銀ロウでも銅ロウでもかまいません。銀ロウといっても銀100%ではなく、銅ロウの融点を下げて取扱いしやすくする為に銀を少し混ぜたものです。 ロウ付けに慣れている人は銅ロウでもかまいません。

銅(銀)ロウで強度は大丈夫?と思われるかもしれませんが、銅(銀)ロウは硬度が高く、また、ロウ付け部分には、ほとんど圧縮荷重しかかからないので問題ありません。 摩耗に対してもブレーキシューの金具よりは柔らかい事から接触部が形状的になじむため、摩耗も思ったより大丈夫でした。(私はこの修理から2万kmを超えていますが問題なしです)心配な方はブレーキグリス(ディスクブレーキのピストン接触側に塗るグリス)を少し塗っておけばよいでしょう。 

こんな修理したら、ベルクランクがブレーキシューから外れるんじゃないか?と、かなりきつい口調で言われた方がいましたが、ブレーキシューが戻った状態で各部のガタを最小にするわけですから、かえって外れにくくなります。 ただ、ロー付けはしっかりやってくださいね。 でもこの方法が信じられない方は、やらない方がよいでしょう。 

ただし、上記の調整をして新品ワイヤー、新品ブレーキシューにしても、ワイヤーの調整ネジは端まで来ないようです。 ヨタもパブもサイドブレーキワイヤーのアウターのアクセルホーシング側の取り付け方法が2種類ある為、共通化の為か、個体間のばらつき吸収か、新品ワイヤーで、新品ブレーキシューでも3割前後まで調整ネジをしめ込むのが普通の様です。
イメージ 6
最後に私が使っているのは、ごく普通のホームセンターで手に入る2000度クラスのバーナーと、銅ロウ(銀ローより安いので・・・)ペースト状フラックスです。初めての人は何回か練習したほうがよいでしょう。

ロー付け部分のメッキや汚れをヤスリ等でよく削って、そこにたっぷりフラックスを塗って、夜見ると少し赤くなるくらいまでバーナーでロー付け部分と周囲を広めに、よく熱して、棒ロウをロウ付けしたいところに接触させて、溶けたロウがへばりつくようになじんでいけばOKです。丸くなってはじいたら、ほとんどの場合、加熱不足です。
垂れても気にせずどんどん盛り付けていきましょう。
そして、サンダーやヤスリで形を整えたときに、巣や炭化が無く、光沢があって、まるで溶接のようになじんでいればOKです。
 
質問があれば遠慮なしに聞いてくださいね
では、 では!