2月頭に、左前輪のブレーキホースとブレーキパイプ接続部からブレーキフルードが漏れ始めました。 
ちょっと危険な感じだったので、ブレーキホースを交換することにしました。
・・・で、フレアナットを緩めようとすると、強烈な堅さ!!!
オイオイどうなってんの?  と、レンチが壊れそうな勢いで力を加えたら、ブレーキパイプのフレアがちぎれて、とんでしまいました。 この堅さ尋常じゃありません! この部分、この車を手に入れた時に唯一状態が良さそうな感じだったので、数回の車検は点検のみでした。 部品の状況を見てもナットの腐食も少なく、本当に堅く締め付けただけのようです。 見た目じゃわかんないのはわかっていますが・・・反省・・・
こりゃ他の部分もヤバイな・・・と思いつつ、パブリカスポーツのイベントが次週に迫っているため、そのままブレーキフルードまみれになりながら、その場で応急でパイプにフレア作って、ブレーキホースの交換のみを行いました。 
何でフレアがとぶほどきつく締めたか???・・・命をゆだねるブレーキ部品の要です。
もう考えると嫌な想像ばかりなので、パイプごと作成し、交換することとしました。
早速パイプを外します。  案の定マスターシリンダー側も強烈な固さです。
そしてはずすと・・・
イメージ 1
フレアは、なんとシングルでした。 通常ブレーキパイプはダブルフレアです。
強く締めて、つぶれてシングルに見えるのかな?と、ヤスリで壊してみましたが、やはりシングルでした。 
つまりラッパ状に広げただけです。 (エアコンなど固定設置のもの等はシングルフレアです。)
フレアナットも全ネジタイプで全長が短いものでした。  これでは、フレアが薄いため、ネジ長が足りなくなり、強く締めるとネジが固着し易くなります。  
また、漏れた時に強く締め付けると、フレアナットの先が膨らんで、ネジ部にダメージも与えます。 
シングルフレアだと接続部に柔軟性が無く、振動などでフレア根元に亀裂などが入りやすく、漏れの原因になります。 今回のフルード漏れはこれですね。
取り外したパイプは、長さに少し余裕があるので、フレアを作り直して再使用しようとは思いましたが、せっかく外したのなら交換です!     これは取り外した旧部品です。
イメージ 2
この旧部品を見本に作成しました。
イメージ 4
材料はこれ! 同直径の、なまし銅管です。
ちなみに現代車は銅管では車検が通らないようです。 ディスクブレーキは高圧ですからね・・・
これを・・・パイプカッターで切ります。
イメージ 5
切ったら太目のドリルの先で内径のバリ取りをし、切り面にグリスを塗ります。
こうすると、きれいにダブルフレアが出来ます。
イメージ 11
カットしたパイプを冶具にはさんで・・・
イメージ 6
長さを調整し・・・先端に白く見えるのはグリスです。
イメージ 7
フレアツールで・・・ヨイショ、ヨイショ・・・
イメージ 8
完成! フレアナットも手持ちの新品にしました。
イメージ 3
新旧比較です。 いい感じ・・・・
イメージ 9
さて。車両搭載ですが、 車両搭載時に、両側のフレア部を守るためにマスキングテープで包みました。
イメージ 10
車に合わせて曲げながら装着完了です。 手で簡単に曲がりますが、パイプ曲げツールで丁寧に曲げます。
3本のうち1本だけ見た目ピカピカ新品です
家内にブレーキペダルを踏んでもらいながら、エア抜きを行って完了。
家内のエア抜きペダル踏み作業も、板についてきました。 ワンマンブリーダーは持ってますが、どうも信用おけません。
とりあえず左前だけ交換しました。 右前と後輪も少しづつコツコツと交換していきましょう。

追記:
個人メールにも、この件の質問が多かったので、追記しました。
ざっと計算してみました。 
ヨタハチは4輪ドラムなので、ブレーキペダルを30kg前後で踏めば、じゅうぶん4輪ロック状態になると思います。
このときブレーキ配管内の圧力は、だいたい8MPA(メガパスカル)になっています。
この「なまし銅管」は、簡易な計算上の破壊圧力は58MPAです。
これはあくまで計算上で、管の製造バラツキや小さな傷など、加工上のムラを考慮していません。 
配管メーカーは、この加工上のムラを考慮して9MPA~17MPA程度のスペックで売っているはずです。
「なまし銅管」で大丈夫という根拠はこれです。(責任は取れません。個人責任でおねがいしますね)
ディスクブレーキは基本的に効かないブレーキなので、そのぶん高い圧力が必要です。
かなり前からディスクブレーキは、高い油圧を「「踏み力+エンジン負圧(最近は電力のもあります)」でつくりだしています。 最高圧力は、だいたい16MPA~20MPA(車によってはもっと・・・)くらいにはなります。 つまり同サイズの「なまし銅管」ではスペックぎりぎりか超えてしまいます。
ディスクブレーキは、放熱性が良く、ブレーキ高負荷などのときの安定性が良いだけですので。 どんどん圧力を高めていけば制動力を高めていけます。 つまりドラムブレーキとディスクブレーキを比較すると、乱暴な言い方をすると、全体が同じような大きさで、同じ程度の油圧で、シュー/パッドそれぞれを動作させるシリンダー径も同程度なければ、過酷な条件にならない限り、ドラムブレーキのほうが効くブレーキということです。

車検は新車時に銅管を用いられていた車なら大丈夫と思います。 私もクレームを言われたことはありません。
心配な人は、ちょっと高価ですが北米製のイージーベントチューブなるものもあります。 なまし銅以外の素材のブレーキ配管用金属管としては、非常に扱いやすいものです。
ちなみにディスクブレーキ車には私も「なまし銅管」を用いません。スチールかステンレスの管を用います。
これを読んだ方・・・あくまで自己責任でお願いしますね。