9月15日、APOCシアターでおこなわれた演劇集団Fla9sによる舞台『間違いさがし02』千秋楽の公演を観劇してきました。
 当ブログがブログらしい記事を初めて書いたのが2012年2月の『トノ、何がしたいんだ?』の観劇レビュー(?)で、初めて100アクセスを超えた記事もそのときのものでした。今回の『間違いさがし~』には『トノ~』へ出演していた“ショウタ”こと森川勝太さんが脚本と演出担当、おなじく『トノ~』の出演者で今年1月に出演された舞台のレビューをここで書かせていただいた高橋春菜さんが出演者のひとりとして参加。『トノ~』を観ている者としては、あれに出ていた出演者であり、しかもどちらもXなどでいまだにやりとりが可能なお二人が邂逅するとあっては、行かないわけにはいかないだろうとの想いで出かけていったのであります。
 春菜さんは年内にもここへ登場した役者さんですが、ショウタさんについてはだいぶ久しぶり。彼は『超人機メタルダー』でお馴染みの妹尾青洸さん率いる「ゲキ塾。」で番頭を務めていた方で、その当時、仲よくさせていただいていた妹尾さんつながりだったこともあって「ゲキ塾。」さん系の公演へはよく足を運び、そのたびにここへもレポートを書いてきたものです。つまり当ブログ初期には登場回数の多い方だったわけで。そんな彼が、いまではFla9sを起ち上げ・・・あの、スイマセン、ショウタさん。「ゲキ塾。」さんは外から見ると劇団のように見えましたけど実際は道場みたいなところだったんだと認識しています。Fla9sは劇団でいいんですか?

 

 

 で、今回はそのレポートをしようと思ったんですけど・・・。あのですね、舞台鑑賞のレポートって難しいんですよ。ほかの方はどうしてるんだかわかりませんが、うちの場合、演者に喜んでもらうのを目的に書くんじゃなくて、出演者のことも、そういうお芝居があったことも、まったく知らない読者さんへ伝えるのをより重視するようにしてます。だけど演目のタイプによっては、書きやすいものと書きにくいものとに分かれるんです。これは面白いか面白くないかとは別問題でして。
 視覚で感じたもの、あるいはその場で体感したものを文字で表現するには限界がありまして。そんなときは無理して書いたりはしないんですよ。ゆえに春菜さんが出演された舞台も、ショウタさんが出演された舞台も、観に行って面白かったんだけど記事にはしなかった、というものも存在します。
 今回の演目は、文字で伝えるのが難しいタイプなのです(泣)。なので申しわけないのですが、内容についてはテキトーに書くだけにとどめ、私が勝手に感じたことを無責任にダラダラと書くことにいたします。なんの参考にもなりませんので、そこんとこ4629。肉。🍖

 

 

 

 このたびの会場は、こないだ春菜さんがやったのとおなじAPOCシアター。千歳船橋の駅から徒歩3分ほどの場所。都内にはいっぱい劇場があるのに、短い期間のあいだでまたおんなじ劇場へ行くという事例がしばしばある。こういう現象には名前がついてるのだろうか? あるいは春菜さんが推薦したから、だろうか?

 

 
 じつはこの日、10日近くかけて作成した9月16日更新分の記事を完成させるため、なんとかカタチにできた午前中までを少々ヘビーなスケジュールで過ごしておったのです。何日か徹夜を重ね、2時間ほど仮眠をとった程度だったので寝不足気味。ですが上演時間が60分ほどだと聞いていたので、体力的には大丈夫だろうと思って出かけられました。短時間のお芝居には、そういうお気楽さがあります。
 

 ところが、そこへたどり着くまでが想定外な道のりとなりまして。いや、完全に自業自得なんですけどね。
 


 あわや遅刻してしまうかもしれない事態に焦ってきました。しかし現場へ到着してみると私が一番乗り。受付けを済ませたあとは開場されるまで、階段脇に置かれている紙細工を見ながらボサーっと待つことに。
 ただこの紙細工はこの会場へ来ると、もっとも印象的なオブジェとして刷り込まれてしまいます。幅の狭さが特徴的な階段を昇り降りする際には、かならず視界に入ってくる。いつもいつも、誰が作ってるんだろうと考えてしまいます。

 


 時間が来て、やっぱり一番乗りで場内へ。すると待ち構えていたかのようにショウタさんが出迎えておられました。ショウタさんは出演者ではないので場内の案内係をされていたのでしょう。私の顔に気づいたショウタさんが笑顔で対応してくださいました。私はショウタさんの顔をXへ投稿された画像などでよく見ておりますから久しぶり感はないのですが、ショウタさんは私の顔を何年も見てなかったので久しぶり感があったかもしれませんね。

 設置された舞台セット。Xではこれの画像がたくさん投稿されていたので知ってはいたのですが、実際に見てみたらそのまんまのソレでした(笑)。あとで聞いたことですが、飾ってあった絵は若い女性の役者さんが描いたものなんだそうです。今回の出演は見送られたものの、絵画もされてるとのことなので、せっかくだから作品を使っちゃおうっていう流れになったんだとかで。
 だけど最大の視覚的効果は、この卒塔婆をXXX・・・って打ちつけたようなオブジェだなぁ。Xの画像でコレ見たとき、寺山修司のアングラ的な世界観のお話でもするのかと思ったんですよ。先ほど挙げた壁画にしてもそうですけど、おどろおどろしい内容なのかと。また、来場者へ配布されたチラシのなかで、メンバーの花渕まさひろさんによる挨拶分の書き出しに「
記憶って曖昧だったり都合良かったりすると思うんです」というくだりがあったんですよね。Xのポストでもおんなじような文言を見たような気がします。だから芥川龍之介原作で黒澤映画にもなった『羅生門』みたいなのをやるのかとも想像したんですよね。それはそれで大好物だから個人的には問題ナシ。
 実際にはそんなことはなくて、全体的にコメディタッチ。卒塔婆のオブジェについてはどこかで説明があったのかもしれないけど、いまだにどんな意味があったのかはわからないままです(笑)。

 


 あと、春菜さんがここでやったときとはステージの位置が違う。このステージ、動かせるんですね。春菜さんのときは横側にも少し席は設けられてたけど、基本的に正面を向いてやるスタイルでした。しかし今回のは完全に2面に座席が据えられていて、どっちから観ても正面といえるカタチになっている。当然、セットや演者などの配置や動きもそれを意識したものに計算されたものなんだと思う。
 あと、ここでFla9sが公演すると知ったときに心配したのが、ステージの大きさです。見たところほとんど正方形で、ロープを張ればプロレスやボクシングのリングに見せることだってできそうに思える。しかし一辺あたりの長さは4mもなさそうだ。そんなに広くはない。春菜さんのときはひとり芝居だったからよかったけど、このたびの公演はわりと大人数らしいので、みんながここへ上がれるんだろうか? ・・・という意味での心配です。
 結論を言うと、まったく問題はありませんでした。『間違いさがしEP02』では3つのエピソードがオムニバスで展開され、出演者はそれぞれのエピソードに割り振られます。なので、みんながいっぺんに登場するわけではなかったからです。
 ショウタさんのことだから、場所がどうだからという理由で動きを小さく抑えるのは嫌いなタイプなんだろうなーとも思っていたんですよ。だって「ゲキ塾。」のとき、リーディング専門の小さな会場ピカイチで、リーディング公演のハズなのに本読みをやらず、本公演さながらのパワフルな芝居を思いきりやってた過去がありますんでね(笑)。身体の一部がお客をかすめる瞬間もあったかもしれません。あのときは場内パンパンで「三密なんかクソ食らえ」状態でしたね(爆)。またそのうちやってほしいです。

 

 

「わからない」といえば今回のお芝居、大いにを扱うことに特化した内容だったのでした。あっちもこっちも謎だらけで、これといった答え合わせをするでもなく謎のまま終わってしまう。どこかにヒントがチラホラあり、謎を読み解く面白さも仕掛けられてはいたみたいなんですけど、だけどそれらがわからなかったとしても楽しめる。
 くしくもこの日の時点で当ブログにおける最新記事が「謎は謎のままで」。「昨今の、なんでも説明しなきゃいけないような風潮はよくない」「謎がないと面白くない。文学的じゃない」というようなことを言いたくて書いたものでした。野球やプロレスを題材とした記事ではありましたが、おんなじようなことはほかのジャンルにもいえます。だから「ショウタさんは、うちのブログを見てこういうのを出してきたのか?」との思いもよぎったのですが、少なくとも数ヵ月前には『間違いさがしEP02』のプロジェクトが始まってましたので、さすがにそれはない(笑)。しかし、謎・謎・謎・・・と、観る者に考えさせたり困惑させたりする展開も好みでありますので、きっと楽しいのだろうし、実際、面白かったのであります。

 


【あらすじ】

<出演>松本洋一・佐藤響・飯嶋拓生・萩山梨緒・田上大樹

第1話「全員記憶喪失」

 開演していきなり、天井に吊ってある卒塔婆(?)のなかに仕掛けられてたものから得体の知れないミストが噴射された。同時にマスクをした何者かが押し入り舞台上が一瞬、ホロコーストでも始まったのかといった塩梅のパニック状態に。しかしその時間はわずかで、すぐに暗転する。何が起こってるのかわからない。照明がつく。舞台上の人物らはみんな倒れていて、一人ひとり気がついて・・・。
 演者さんの声がデカい(笑)。心臓に悪い(爆)。だけど役者というのはこういうのが正解なんだろうな。きっとデカい声になるよう訓練されているのだと思う。ここの会場は小さいほうだからそう聞こえるけど、大きい会場でもマイクなしで客席の奥のほうまで届く声を要求されることもあるのだから。
 あれっ、さっき受付けのあたりでウロウロしてた人がいる? ・・・と、このあたりが現場へ行かないと味わえない面白さといえるのかもしれない。そういえば木馬亭へ快楽亭ブラックさんの落語を聴きに行った際も、受付けのところへご本人が出てきてちょっとだけ会話させてもらったことがあったなぁ。
 で、さっきのミストはどうやら記憶を失くす作用のあるものだったことがわかる。登場人物はみんな、自分が誰だかわからなくなっている。私も吸い込んでしまったため、一瞬、自分で自分のことを柏木由紀だったのか、それとも柏木由紀子のほうだったのかがわからなくなった。
 猿ぐつわされてる人がいた。この人だけは猿ぐつわだからミストを吸ってないので時間が止まらない。だからこの場で起きてることを客観的に見ることが可能、という設定らしい。最近うちのブログでは「コロナウイルスは空気感染型なのでマスクでは太刀打ちできない」といった記事が多いのですが、猿ぐつわでも防げるのだから記憶を失くすミストの粒子は大きいってことになるなぁ・・・などと一瞬、考えてしまった。
 それはそうと、私は猿ぐつわを見るのが好きでしてね。以前、知人らと雑談してて、そのなかにいた60代のおじさんが酒井和歌子のファンだったという話が出た際、私が「SNSのプロフィール画像へ時代劇に出てる酒井和歌子が猿ぐつわになってるやつを使ってたことがある(いまでもときどきやる)」「アメブロのグルッぽというのがあったときには『猿グぐつわ同好会』っていうのにも入っていた」と話したら、横にいたNさんに大笑いされたんですよ。Nさんは「そんな性癖があるんですか」って、かなり嬉しそうに言うんですけど。いや、それ性癖っていうのとは違うんですよ。単に見た目の面白さってやつで。あと、ネーミング的な響きにも面白さを感じる。「猿」と「くつわ」で猿ぐつわ。「カバ」と「トット」でカバトット、みたいなもんですわ。


猿猿ぐつわがお好きな方へ。クリックしてみてください。猿ぐつわスレッドになっています。今後もまだ追加されるかもしれません。


 ・・・あれ? でもなんかコレ、見覚えがあるなぁ。前にもこんなん、あったような気が・・・・・・。
 あっ!

 

Ⓒぐっちょさん

Ⓒゲキ塾。

 

 そうだよ、「ゲキ塾。」さんの公演で猿ぐつわが出てきたことがあったんです。さすがショウタさんです、きっと番頭さんやってただけに猿ぐつわには理解があるのでしょう。
 家に帰ってから思い出しました。この話、たぶん2013年の「ゲキ塾。」リーディング公演でやった演目にあったやつの応用ですよね。あのときも集団が記憶を失くす話があったような気がする・・・と思って当時のレポートを見返してみたら、一緒の話でした(笑)。

 

クリップ当時の妹尾さんのブログより

 


【あらすじ】

<出演>井上一馬・山口草太・飯嶋拓生・関谷柚香

第2話「おく、そこ」

 社会人になる娘と3人の父親が仲よく一緒に暮らしている。母は登場しないが、その母とは父候補の3人がみんな身に覚えのある関係にあった。だが母は記憶を失っており、しかしあえて本当は誰の子なのかを調べようとせず父3人で娘を育てたらしい。
 ハッキリさせないことで幸福度の高い状態をキープさせてる人たち、ということですね。これで母親の記憶がよみがえったりDNA鑑定で親子関係を証明しようとすると、崩れてしまう可能性大。いまこれを書きながら「じつは本当の父親が、この3人の誰でもなかったら面白いな」なんて想像しちゃいましたが、そんなふうに考えて遊べる余地があるのもよい。
 父役の方々の食事シーン、じつに美味そうに食べてる。実際には食器の上には料理なんかありません。でも、たぶん本当に食べるよりも美味しそうにやってました。さすが役者さんですね。そういえばショウタさんがNHK『ファミリーヒストリー』へ出演した際にも食べるシーンがあったのですが、ほとんど食べずに食べるフリをしてただけだと仰ってたっけ。
 個人的に最大の謎は、元不良の塾経営者って肩書きのお父さんが西武ライオンズのユニフォーム着てたところ。あれがいちばん意味がわからなかった。意味なんかなかったのかもしれないけど。いやぁ、今年の西武ライオンズはたいへん魅力的でありましたねぇ。ライオンズって私は常勝球団になってからしか知らないので、申しわけないけどパ・リーグではいちばん嫌いだったんですよ。だけど西鉄時代や所沢へ来て1年目あたりのライオンズのことを知りますと、なんてチャーミングな球団なんだろうかとイメージが変わったんですよね。今年のライオンズには当時の哀愁が漂ってるみたいで、気づけばパ・リーグでいちばんお気に入りな球団になってました。

 

 


【あらすじ】

<出演>クシダ杏沙・なかやん・佐藤響・高橋春菜・原口朝妃・萩山梨緒・花渕まさひろ

 

 

第3話「失われた記憶」
 カラオケで大盛り上がり。それまで歌ってた女子がトイレへ。そこからメンバー全員が「あれ誰だっけ?」「自分だけが思い出せないだけかと思ってたけど、みんなもわからない」状態に。

 そういう妖怪がいるって聞いたことあるよ。いつもどおり遊んでた子どもたちがいて、いつのまにか人数がひとり増えてて。でも知った顔ばかりで最初からいたハズなんだけど、なぜか人数だけ違う。そういうことをする妖怪の仕業だってね。まぁこのお話の登場人物は、べつに妖怪のようには見えませんでしたけどね。
 思い出したことがある。いまとなっては懐かしい戸野廣浩司記念劇場。ショウタさんや春菜さんともゆかりのある劇場でした。そこの館長さんから聞いた話。
 同劇場でヒーロー同窓会なる企画を開催(たぶん妹尾さんも出演されてた回だと思う)、私も行ったんですよ。で、終了後に関係者だけで打ち上げをしたんだと。そしたらそのなかに、まだ帰ってない一般人がまぎれてたんだって。誰もが誰かの知り合いだと思ってたんだけど、どうやらそうじゃないみたいだぞってことがあったと。館長さん、「あいつはカメレオンだ!」って苦笑いしてたなぁ。

 


 ――と、内容の紹介(というか、ほとんど私の脳内で思ったことで占められてますが)はこんなもんで止めときます。やっぱりですね、お芝居は立体的なものですから。あの空間、あの空気、あの動き、あの表情・・・それらを文字で伝えるのは難しいのですよ。
 上演時間が約1時間と聞いてはいたが、終演時に時計を見たら「なにもそこまで・・・」と思うほどキッカリ1時間だった。さすがだなぁ。

 

カラオケ

 

 ここからはアフタートーク。終演後、役者さんたちがお芝居ではないトークを披露するコーナーが設けられていて、お客は帰ってもいいけど見たい人は残っててねってやつ。わかりやすく言うと、むかし新日本プロレスで全試合終了後、越中詩郎や小林邦昭らが空手の誠心会館とケンカマッチしたことあったでしょ。あんなかんじ(※この表現は適切ではない可能性があります)。毎公演ごとに違う出演者をゲストに楽しませていたようなんですが、私の行った千秋楽では全員がご登壇となったのでした。

 まずショウタさんによる、演出の意図について、一部解説がありました。
 APOCシアターへ来たときに当初イメージしたものは、ステージを中央に据え、客席は360°の全方向から観れるようにすることだったそうです。本当にプロレスかボクシングの試合みたいになるところだったのでしょうか。だけどそのイメージをまんま実現しようとすれば、機材やら照明やらと必要なものがたくさんになり、チケットの料金も数倍へ跳ね上がってしまう計算となる。なので即却下したんだそうです。もしそうなってたら私が来れなくなっていました。 (;´▽`A``
 またこの演目では、1話⇒2話⇒3話と進むごとに時系列が遡っているのだとか。それにともない、一般に演者はステージを時計回りに動いていくが、ここでは反時計回りに動かしていたんだそうで。そして最終的には話がつながっているのだ、という仕掛けだったと。なるほどねぇ~、言われないとわかんないことだけど、そうやって作品は作られていくのですね。

 このあとだったかな、出演者が勢ぞろいしたのは? そこで展開されたのは、ショウタさんへのダメ出し会。「昼の部と夜の部のあいだの時間でラーメンに誘う」「セッティングの際、サンダル履いて脚立を上ろうとした」「目が怖い」「演技指導しようとするんだけど、この大きな目を使って手本を見せる。そんな芝居ができるのはアナタだけなんだから!」・・・などなど、ボロクソに。
 なんかね、ショウタさんが、いかりや長介さんに見えてきましたよ。ザ・ドリフターズって、ふだんいかりやさんが威張ってて、ほかのメンバーはいつも怒られてる。だけどたまに立場が逆転するタイプのコントがあると、メンバーは嬉々としていかりやさんをいじめにかかる。そういうのがありますね。アレです。
 ショウタさんの名誉のために、いくつか擁護しておきましょう。まずサンダル。彼は「からあげ俳優」と「サンダル俳優」の二足の草鞋を履く、日本一からあげとサンダルを愛する俳優なんですよ。以前は「自撮りへた俳優」も兼ねてたんですが、最近そうでもなくなったのでこの称号は剥奪です。つまりサンダル履きが彼にとっては正装なんですよね。正装のまま脚立へ上ろうとしたのであれば、それはよほど卒塔婆のアレに想い入れがあったのか、あるいは脚立さんに礼を尽くしたかったかのどっちかだと思うんです。

 ここは脚立さんの固さに免じて赦してあげてほしい。そのかわりハイヒールを履いてくるようなことがあったら容赦なく労働基準監督署へ通報してください。サンダル
 

 

 次に「目」について。たしかにあの目は飛び道具でしょうね。彼だけの武器だから、それを世界標準みたいな論調で話されたら敵いません。
 でも怖く見えるというやつなら克服できると思います。ガチャピンだと思えばいいんですよ。そしたら5歳ですから、ぜんぜん怖くないでしょ。ね。ね。目

 

 


音譜仮面ライダー緑 -ガチャピン-

 

 アフタートークも終わり、外へ出たらショウタさんがいたので、ちょっとだけ会話。妹尾さんも来ていたらしい。後ろのほうから見ていたと。あんな待ち合わせの目印になりそうなほど大きな人に気づかないとは、私としたことが・・・そういえばあまり後方は見なかったからなぁ。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 家に帰ってから、あらためてチラシを拝見。出演者を確認しようと思いまして。まだの顔と名前が一致できずにいます。
 ただFla9sの正規メンバーなら、よくオリジナルの動画がXのポストへ上げられていたので、ちょいちょい見てました。だからショウタさん以外のお二人のお顔は覚えておりました。

 田上大樹さんは本当はどんな方なのかは存じかねるのですが、だいたい軽薄なキャラを演らされてますね(笑)。それがまた似合うのよ。だからもし『古畑任三郎』がリメイクされる企画があったら、今泉慎太郎役は即戦力として通用するんじゃないかな? それか、小悪党の役なんか超上手そうな気がする。私がいちばん好きなドラマ『過ぎし日のセレナーデ』の登場人物=森下徹の役なんか演ったら、もしかすると本家の薬丸裕英さんよりハマるかもしれない。そんな印象です。
 あと、プロフィールに「
ミュージシャンを目指し、専門学校を卒業するがなんとなく挫折」って書いてあったのが人間くさくてポイント高しですわ。

 花渕まさひろさんには、このたびのお芝居を観て、ぜひやってもらいたい役が思い浮かびました。『海底人8823』の8823役です。ヒーローです。チビッコの人気者になれるでしょう。あれがリメイクされることが前提ですけど。
 8823は直立不動で「気をつけ」の姿勢なまま台詞をしゃべるんですよ。今回のお芝居ではロボットみたいな役でしたよね。横を向いたままとか、直立不動で遠い目をしながらしゃべってましたわね。立ち姿が、フォルムが、8823に被りました。もしもこの演目で花渕さんがカラオケを歌うポジションに入ったら、きっと東海林太郎さんを歌うに決まってます。・・・まぁ、べつに8823はロボットじゃないんだけどね。
 テレビ朝日はいいかげん平成仮面ライダーシリーズなんかやめて『海底人8823』をやりなさい。やるべきなんですよ! ここで『8823』をやらなくて花渕さんを起用しないのは宝の持ち腐れになりますよ(泣)! ・・・ああ、『8823』はテレ朝じゃなくてフジテレビになるのか。でも映像がダメなら舞台で『8823』やってほしいです。なんなら名前が「はなぶち」ですので“8721”にすればいいよ。

 ほかのメンバーは募集をかけたんだっけ? クシダ杏沙さんとかはXでショウタさんがよくリポストしてたから、お名前は存じておりました。カタカナ雑じりのお名前だからか、目立つのです。春菜さんは久しぶりでしょ。山口草太さんとか、男性陣は知り合いの方々で占められてるのかな? だけど、まったく初めて一緒にやるメンバーもいるんですよね? オーディションかなにかして・・・そんなふうに思いながらチラシを見ておったのです。そしたら。
「ん、こんな人いたっけ?」
 リアル“失われた記憶”でしょうか。チラシに写ってる役者さんの顔と劇場で見た役者さんの顔、一致しない方がおひとりおられる。
 関谷柚香さん? 「おく、そこ」で娘役だった方ですよね? ぜんぜん印象が違います。もしや稽古中、なんらかのモメゴトが起きて本来の出演者が降板し、代役が立てられたパターンですか? ・・・とも思いましたけど、確認してみてもそんなことはなさそう。ご本人なんだろうな。むかしSugarのミキさんが、ヒット曲『ウエディング・ベル』のジャケットに写ってる自分の顔が違うって不満を漏らしてたことがありました。しかも本人いわく「ジャケットのほうがイイ」ことが、よけいに気に入らないと。たしかにあのジャケ写、まるで別人のように見えました。いまの時代みたく露骨な加工が入ってるわけでもないのに。関谷さんは、あれとおんなじことが起こったのかな?
 だけどミキさんと違って関谷さんの場合、実物のほうが印象イイんじゃないですかね。華のある方だと感じましたし、これからが楽しみですよ。そうそう、今回のお芝居でデビューする人がいるって聞いたような・・・あれは関谷さんのことなんだろうな。演劇は大変な世界だと思いますけど、どうぞ末永く。早くも大先輩のクシダさんを翻弄してるとのことですので、素質はあるんじゃないですかね(笑)。


映画10月いっぱいは配信サービスもやってるそうなので、観たい方はどうぞ。舞台作品なのにカット割りもある。単に本番の様子を撮ったのではなく、おそらく映像用に演じられ、それを撮影したんだと思います。


 こうして初観劇となりました演劇集団Fla9s。たしかに「デートコースに演劇を!」をスローガンとして掲げてるだけあって、構えることなくフラッと立ち寄りケラケラ笑って帰れる、そんなお気楽さの感じられる雰囲気がありました。敷居が高くない。レストランでもなく食堂でガッツリ飯を食らうのでもなくて、カフェでデザートを食べる感覚、とでもいいましょうか。
 だけどショウタさんのことだから、その気になれば丼飯で腹いっぱいにさせることのできる底力も持っています。かつて戸野廣浩司記念劇場で演劇のコンテストみたいなのをやった際、彼が番頭を務めていた「ゲキ塾。」は水面下で常にトップの評価を獲得していましたからね。

 みなさん、演劇集団Fla9sをヨロシクね。またお会いしましょう。 (^_^)/~

 

 

 あ。春菜さんはこの日、ひとり芝居『花は咲けども山吹の(仮)』2024年度版のDVDを持ってきてくれることになってたのに忘れられちゃってたので、罰ゲームとして『花は咲けども~』の2019年度版で披露した猿股姿をここへ・・・とも思ったんですが、適当な画像がみつからなかったよ。
 しょうがないから次回の公演時には、時代劇で何の脈絡もなく明るく楽しい猿ぐつわ母ちゃんの役をやってほしいです。 \(^o^)/

 

似てると思ったけど別人(土田早苗)だった→

 

 ――というわけで今回の観劇レビューはこれにてオシマイにいたしますが・・・・・・いま自分で読み返してみました。なんだこりゃ、これでは観劇したのを下地に全温度ワールドを展開しただけになってるではないか。余計なことのほうが圧倒的に多い。こんなの観劇レビューとはいわんだろ。わー、これでは役者のみなさんに怒られてしまう。捕まったら袋叩きじゃ。

 かといって、ここから書き直す体力はもうない。しかも先ほど記憶を失くすミストの影響で自分が柏木由紀なのか柏木由紀子なのかわからなくなったと書きましたが、ひょっとして葛城ユキだったのではないかとも思うようになってきました。私はこのなかのどれなのか? ミストの副反応が私を襲う。けれど厚生労働省からは、どうせ因果関係については「評価できない」と判定されるでしょう。なんか絶望です。もう寝るっ。あせる