ドラマは見続ける気力がないので、あまり観ないのですが、ZネーションとGOTはなんとか、ファイナルまで漕ぎ尽けました。
ただ、Zネーションを語る人は少数派でしょうが、GOTに関してはもう私などが語らなくても濃いレビューがいっぱいありそうなのであえての沈黙。今更シーズン1から語るのもしんどいですしね。
とはいえ、ファイナルを見終わって少しばかり語りたい気持ちになったので、言わせてください。
このファイナルはファンによる作り直しを要求する署名運動まで起こったそうで、まあ、不満を感じるファンの気持ちはわからんでもないけど、私はこれはこれで納得なんですよ。
というのも、『指輪物語』に代表されるようにイギリスは血筋を重んじる国であり、逆にアメリカは『プリデイン物語』や、最近ではスターウォーズEP7-9でも見られるように必ずしも血筋にこだわらないところがあるんです。
そういう意味ではGOTのこの結末は実にアメリカらしいなーと思うのですよ。
デナーリスの変貌には多少唐突感もあるけれど、振り返れば彼女はいつのまにかメサイアコンプレックスに陥っていたんだなーという要因はあるわけで。シーズンの終わりにデナーリスがまわりに讃えられどや顔で終わるのもそういう伏線だったようにも思えるし。あと、時折服従を強いる高圧的な面もフラグのように思えます。その為かこの結末はある程度予想されていたんですよね。
彼女は美しく、ドラゴンの母であり、あらゆる虐げられた人々にとって救世主的でもあって、大変魅力的な人物だっただけに、この変化は衝撃ではあるけれど、だからこそこの作品は予定調和を裏切る面白さがあるなーと思いました。
もうひとり、一番の王位継承者であるジョンも北の民と共に新たな世界を作っていくようなエンディングで、あくまで血筋にこだわらない結末がアメリカらしいと思います。
まあ、なんだかんだスターク家のひとり勝ちにも思えなくはないですけどね。ブランはすっかり賢者っぽくなって、王としては一番安心感はあるんですが、ちょっと人間離れし過ぎちゃってる感はありますし。
まあ、時代的にまだ民主主義は早いとしても、いずれはそうなることが示唆される部分や、世襲性ではなく指名制or投票制?になったというのも近代への歩みを感じます。
個人的には推しキャラティリオンが生き残ったのは何よりです。一瞬死亡フラグたったからダメかなーと思ったら、結構美味しいところを持っていきました。
もうひとり推しキャラだったリアナが死亡したのはちょっと悲しかった。でも彼女は最後まで凜々しかった。
またサーセイとジェイミーの結末は思ったより優しいというか、気持ち的にはサーセイにはもう少し痛い目にあって欲しかったように思うし、勝ち気だった割りにはやけにあっさり負けたなーという感じはいたします。他の悪役たちはそれなりに溜飲下がる結末だったんですけど、ここはちょっとすっきりしません。
特にサーセイが弟に殺されるという予言から、ティリオンと見せかけ、ジェイミーがその役を担うと思っていたので、ちょっと拍子抜けでしたねー。
物足りないのはやはりホワイトウォーカーたちでしょうかねー。この世界すべてを揺るがす脅威だと思っていたのに、意外に簡単に終息したなーという感じ。もっと全土を巻き込む大混乱を期待してたんで、引っ張った割にはこんなもんかーという感じですね。なんか人間同士の争いなんてちっぽけなものと思わせるほどの絶対的死としての脅威と思ったんですがねー。
あと最後まで光の王ってなんなのかわからんかった。
