縄文の手紡ぎ工房アンジェリークの畠山恭子です。

縄文時代から使われていた紡ぎ道具のスピンドルを使って
羊毛を手紡ぎして作品をつくっています。

このブログはその作品制作の工程やノウハウ、
作品つくりへの思いなどを綴ったものです。

読みにきてくださってありがとうございます。

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パペット作り顛末記のその4です。

アヒ鶴ちゃんの頭と胴体部分は、
水フェルトで球体をつくらないといけないということになりました。

というか、くちばしを作った後、
すぐに頭と胴体に取りかかれたわけではなくてですね。

フェルトで球体かぁ、
どうやって作ろうかなぁ?

(水フェルトっていうのは、
チクチク刺していったらフェルトができるフェルトニードルというものが出てくる以前、
昔々からフェルトに加工する手法なのです。
温かい石鹸液をかけて、表面をビニール袋をはめた手で、擦って
摩擦で羊毛の繊維を絡めてフェルト化させる手法のことです)

帽子を作るときの平面の型を使って作るやり方もあるし、
土台そのものを球体のもので作るやり方もあるなぁ。

そんなこんなで
迷っていたら、

優愛ちゃんからメッセージ。



メッセージ来て、焦ったね。

あ、しまった!!!!!てな具合に。

締め切りを延ばしてもらったので、

とうとうお尻に火がつきました。

そして、頭のフェルト製作にとりかかったのです。

球体の土台に、羊毛を縦横縦横と4層重ねて、
温かい石鹸液をスプレーして、
ビニール袋を手にはめて、
少しづつ擦って摩擦かけて、フェルト化させていきました。
水フェルトで作品作りをするときは、
一つの作品に丸々1日かかるのです。
摩擦でフェルト化させるんだけれど、
その作業も結構根気がいる作業なのです。

この中身はこんなんでした。

これね、エコアンダリアというレーヨン素材の糸で編む夏の帽子の
型くずれ防止用に、半球状に新聞紙を丸めて作ったものに、
新聞紙を足して、球体にリメイクしたんです。

水フェルトの土台にするので、
水が染み込まないように、
布のガムテープでグルグル巻きにしたのです。
(布のガムテ、赤しかなかったから、この色なの)

水フェルトのみで仕上げるつもりでなくて、
頭や、胴体の表面はフェルトニードルで仕上げをする予定。

アヒ鶴ちゃんの頭の中は真っ赤でしたのよん。笑

羊毛を4層に重ねても、
やっぱり部分的に薄いところが出てくるので、
そこはニードルを使って修正していきました。

この修正作業がことのほか手間取りました。

というのも、水フェルトで作った頭は
乾くと、ほわほわ柔らかくて、
羊毛の毛羽がすごかったのです。

パペットで使うものだから、
使っちゃうと、すぐにモケモケになっちゃいます。
羊毛フェルトの宿命みたいなもんだけれど、

だから、
2cmほどの円をずらすようにして、
フェルトパンチャーで表面を刺しかためていきました。

写真に出ている器具がフェルトパンチャー
ニードルが5本あるのが見えるかな。
これを上下にカシャカシャと動かすと、羊毛がフェルトのシートになっていくのです。

フェルトパンチャーを使うときは
写真のブラシの台を使うんです。

だけど、
球体なのです。
なかなかに難しい
昔はこの四角いブラシ台の他に、
小さい丸いのがクロバーさんから出ていたんです。

今あるのかと、探したら、なかった。

写真の左側の白いスポンジ状のフェルトマットを
小さく切って、台にして、使いました。

この作業が一番手間取った。

パーツを組み合わせてしまうと、
できなくなる工程だから、
何度も何度もチクチク、カシャカシャでした。

胴体も、もう少し大きめのものにしたかったけれど、
結局そのまま同じ土台を使って作りました。
羊毛フェルトって、濡れている状態だと、
延ばしたりできるし、
縮めるのもニードルを使えばできるのです。

胴体は手を入れる部分と、頭をつける部分と2箇所穴が開くので、
こちらの方は修正もしやすくて。

手を入れる部分を丸く切り取ったら、
そのフェルトシート、
ちょうど目を作るのに、ぴったりのサイズだったんです。

そうやって、
アヒ鶴ちゃんの一番らしい半眼の目が生まれました。


頭と胴体の部分が、くちばしの部分で繋がりました。
くちばしがつくと、頭のてっぺんの赤い部分も位置が決まります。

頭の後ろはまだ繋がっていません。
パカっとあいています。


目はこんな感じかなぁ?
まだ瞼部分もくっつけてない状態で、雰囲気を見ます。
瞳はないのに、なんだか表情が出てきた感じ。


瞳を入れたら、起きました。
立体的なので、このままでもらしいんだけれど、
やっぱりアヒ鶴ちゃんは、
黒いラインが必要です。

続く。