採精と精子の調整

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採卵と並行して行われるのが採精、すなわち男性の精液を採取し、医療機関に提供することです。

 

採精に際して禁欲期間を気にされる方がおられますが、あまりこだわる必要はありません。

 

禁欲期間が長いと、精巣内に長く存在していた古い精子の割合が多くなるので、かえって精子の状態を悪くしてしまいます。

 

最初の採精での所見が思わしくないと1時間後位に再度採精をする場合があります。

 

この場合あとから採精した方は精子の数は少なくなりますが、運動能が高い精子を得ることができます。

 

体外受精に必要とされるのは、10~20万程度の運動能の高い精子です。

 

通常の自然妊娠に於いては、数千万から数億の精子の間で激しいサバイバルレースが展開されます。

 

精子は卵子に到達するまで平均14㎝の距離を泳いで行かなくてはなりません。

 

このために、1個の精子が最終的に受精する為に最低数千万の精子が必要と考えられています。

 

体外受精はこの14㎝の距離を限りなくゼロに近づける行為です。

 

ですから要求されるのは精子の数ではなく運動能の高い精子なのです。

 

この運動能の高い精子を選別して採集することが妊娠率を左右する大きな因子です。

 

 

運動能の高い精子を収集する方法には、大きく分けて、バーコール法とスイムアップ法の2つがあります。

 

実際の医療現場では、この2つの方法を併用したり、また別の方法を独自に加えたりしています。

 

 

不妊の原因が女性側にある場合、精子の調整にそれほど大きな意味があるわけではありません。

 

しかし、男性側に乏精子症や精子無力症などがある場合、精子をどう調整するかは重要です。

 

顕微授精の場合も、最終的には1個の精子を選別するわけですが、その母集団に運動能の高い精子を高い精子を収集しておくことは大切なことといえます。

 

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