【玉蜀黍(とうもろこし)】
生薬名:なし
◎東洋医学的特徴
①甘味 ②平性 

■熱を取り除き利尿により湿を排出
Ex) 
下腹部に停滞する湿熱邪気による下腹部や側腹部の疼痛、腹部膨満感、下痢、排尿困難、尿が濃い黄色、排尿痛
                 など

■弱っている脾の働きを高め肺を補益する
※補益→気を補う、滋養強壮
Ex)
疲れやすい、胃腸虚弱などの症状に対して





《とうもろこしの薬膳効果》
・胃腸の働きを整える
・利尿作用
身体を冷やさずに体内の余分な水分を排出しむくみ解消
・高血圧の予防効果
・便秘の改善
・血中脂肪の低下





東洋医学における心身の特徴や変調を表す〝五行色体表〟を参考にすると
・五臓の脾(消化系)
・五色の黄色
・五味の甘味
が関連します。
甘みがあり、黄色のとうもろこしは東洋医学における脾(消化系)を補う食材として適しています。
胃腸の働きを整えて食物の消化吸収を高めるほか、気が弱まって疲れが取れない・胃腸虚弱などの症状にも。





《とうもろこしの実の効能》

[健脾(けんぴ)]
脾(消化器全般)を正常に働かせて活発にして水分代謝を高める

[利水(りすい)]
身体の余分な水分や湿気を排出する

[補気(ほき)]
生命維持のためのエネルギー(気)を補い夏バテを予防する。





《とうもろこしの実の栄養素》

・食物繊維(水溶性・不溶性)
※食べ過ぎると消化不良を起こすこともあるため要注意。

・ミネラル(カリウム)
余分な水分を排出し、冷えやむくみを予防

・アミノ酸
免疫力UP





【とうもろこしのひげ】
生薬名:玉米鬚 (ぎょくべいす) 
日干ししたものは〝南蛮毛(なんばんげ)〟とも呼ばれる。
◎東洋医学的特徴
①甘味 ②平性

■熱を取り除く 
発熱、発汗、喉の渇き、口の苦み、血尿、
便秘などに対して。
また、実際の体温上昇を伴わないほてりやのぼせの自覚症状にも。

■利水(利尿)作用(水滞タイプに)
他にも利水作用のある食材はあるものの、身体を冷やす作用を持つものが多い。
そんな中とうもろこしは冷やす作用がなくエネルギーになる穀物。

とうもろこしのひげはお茶として飲むことで

・高血圧 
・糖尿病 
・腎結石の予防
・水太りタイプの解消 
・胆石や黄疸の改善

などに効果的とのこと。

そのほかの部分も活用でき、とうもろこしの芯はご飯を炊き込む際やスープを作る際に加えると旨味が染み出て美味しくなったり、軸は利尿作用がありスープなどを作る際一緒に煮込むのがオススメとのこと。





《オススメレシピ》
◆とうもろこしごはん
とうもろこし 1本
お米 2合
※塩 小さじ 1
※薄口しょう油 小さじ 1
※酒 大さじ 1

①とうもろこし(1本)は皮を剥き包丁で実をそぐ。

②ひげは硬い部分を取り除き、白くやわらかい部分をみじん切りにする。

③炊飯器にといだ米(2合)・とうもろこしの実・軸を入れ、※の調味料を入れて炊く。

④炊き上がったら軸を取り除きまんべんなく混ぜる


◆とうもろこしのひげ茶

①とうもろこしの皮を剥いてひげを取り茶色い部分を切り落とす。

②カラカラになるまで乾燥させた後で細かく切り冷凍保存。取ったひげを少量ずつラップして保存すると楽。



 

緑茶、ほうじ茶、番茶、麦茶、黒豆茶、ハトムギ茶などとブレンドするのもオススメとのこと。
そのほか、
・お茶パックに入れて味噌汁やスープの出汁として
・お茶パックに入れてお米と一緒に炊く
・お粥やリゾットなどに細かく切って一緒に煮てそのまま食べる
といった活用方法もあるのだとか。