【酸甘化陰(さんかんかいん)】
酸味と甘味の組み合わせは、これから訪れる梅雨や夏場の汗による体液(東洋医学においては血や水などの陰液)の消耗を防ぐ働きが期待できる。酸味+甘味=潤い。
酸味は収斂作用(しゅうれんさよう=汗の出過ぎを抑える)、甘味は滋養作用(栄養を与える)、酸味と甘味の共通して体液を補う作用を持つ。
この双方の作用が組み合わせることにより体液を効果的に補うことができるとされている。





《酸味の元 クエン酸の効果》
・疲労回復効果
・首凝り、肩凝り
・神経疲労を取る
・食欲を高めて夏バテ防止





《酸甘化陰の組み合わせ》

Ex)
・レモン(酸)+蜂蜜(甘)
・梅干し(酸)+ご飯(甘)
・梅  (酸)+氷砂糖(甘)
・りんご酢(酸)+レモン(酸)+蜂蜜(甘)
・キウイ(酸・甘)+レモン汁(酸)+蜂蜜(甘)
+炭酸水
・フルーツビネガー(酸・甘)+炭酸水
・酢豚
・南蛮漬け
・ピクルス(※)

※オススメピクルス レシピ

[材料]
・プチトマト 20〜30個
(ピクルス液)
・お酢   1カップ
・水    100cc
・蜂蜜   大さじ3
・三温糖  小さじ1
・塩    小さじ1/2
・黒胡椒  10粒
・ローリエ 1枚

1) プチトマトはヘタを取って洗い、爪楊枝で3〜4か所穴をあける。(お好みで湯むきでもOK)

2) ピクルス液の材料を鍋に入れ、沸騰させてから冷ます。

3) 保存用瓶に1)を入れ、2)を注ぎ入れ1日漬ける。冷蔵庫で保存し、1週間程度保存可。

※1 トマト
身体の熱を冷まし、口渇を癒す。暑さによる食欲不振や不眠などに。

※2 蜂蜜
気を補い、肺や皮膚の潤して乾燥を防ぐ。

※3 お酢
血の巡りを良くする。酸味の収斂作用で汗の出過ぎによる消耗を止める。





【ひとくちメモ】 
《酸梅湯(さんめいたん)》
中国や台湾で夏によく飲まれる夏バテ対策ドリンク。数種類の生薬(烏梅、山査肉、陳皮)を水でコトコト煮て作った素朴な甘酸っぱい飲み物。古くから宮中や民間で薬膳ドリンクとして親しまれてきた。

・烏梅(うばい)
未成熟の梅の実をカラスのように真っ黒に燻蒸したもの。

・山査肉(さんざにく)
山査子(さんざし)の成熟果実。

・陳皮(ちんぴ)
温州みかんの果皮。

[効能]
・汗のかき過ぎによる体液の消耗を予防
・口や喉の渇きを癒す
・火照った身体の熱をクールダウンする
・胃腸の不調を整える
・下痢などを防ぐ





今回は東洋医学における【酸甘化陰(さんかんかいん)】についてご紹介しました。
梅雨入りや夏を迎えるにあたり熱中症対策が欠かせない季節が近づいています。このところの急激な気温や湿度の上昇により、早くも熱中症注意報が発令されているエリアもあるようです。
ご紹介した内容を参考に〝酸甘化陰〟の食養生を取り入れてみてはいかがでしょうか?