【清明(せいめい)】
4/4当日、もしくは4/4〜4/19(穀雨の前日)までの期間を指す。
清浄明潔(せいじょうめいけつ)の略で、春のうららかな日差しを受け万物が明るく清らかであることを意味する。空気は澄んで春先の清らかで生き生きとした様子を表している。





《七十二侯》
二十四節気をさらに3つに分ける。

◎初侯
玄鳥至(つばめきたる) 4/4〜8頃

冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていたつばめが海を渡って日本にやってくる頃。
つばめの飛来は本格的な春と農耕シーズンを表している。日本では昔から〝つばめが巣をかけるとその家に幸せが訪れる〟という言い伝えがあり、とても大切に扱われてきた。
これはつばめが米などの作物を荒らさず、害虫だけを食べてくれる益鳥として親しまれてきたことも関係しているのだそう。


◎次侯
鴻雁北(こうがんかえる) 4/9〜14頃

つばめとは逆に冬の間日本で過ごした雁(がん、かり)が北のシベリアへ帰って行く頃。
〝カリカリ〟という鳴き声が名前の由来なのだそう。〝鴈〟と表記されることもある。
鴻鴈(こうがん)とは渡り鳥の〝がん〟のことだが、〝鴻〟は〝ひしくい〟と読み大型のがん、〝雁〟は小型のがんを指すのだとか。
〝雁渡る〟は秋の、〝雁帰る〟は春の季語。


◎末侯
虹始見(にじはじめてあらわる)4/15〜19頃

春が深くなるにつれて空気が潤ってくるため、この時季からきれいな虹をみることができる。
虹が虫へんで表されるのは空にかかる虹を大きな蛇と見立てたためだといわれている。単に〝虹〟といえば夏の季語である一方、〝初虹〟はその年初めて立つ虹を指すという。
春は陽の光はまだ弱く、夏の虹に比べると淡く儚い虹だがそれもまた趣深い景色である。





《清明にまつわる事柄》

☑沖縄では同時期に〝清明祭(シーミー)〟というお墓参りの行事がある。豚肉・昆布・餅などのごちそうを重箱に詰めて持参して、掃除やお参り・お供えをした後に皆で食べる風習。
沖縄のお墓はシーミーのために墓石の前に広いスペースが設けられている。


☑南東から吹いてくる穏やかな風を〝清明風〟と呼ぶ。
冷たい北風の季節が終わり春の到来を知らせてくれる風で荒々しい〝春一番〟とはだいぶ異なる趣である。


☑中国、台湾、香港などの中華圏では春分の日から15日目(清明に入る4/5頃)は〝清明節〟と呼ばれる祝日。 
この日はお墓を掃除して墓参りすることから〝掃墓節〟とも呼ばれている。日本でいう〝お盆〟にあたる日。





《清明の時季に旬を迎えるもの》

・新じゃが ・新玉ねぎ ・春キャベツ
・筍 ・蕗(ふき) ・タラの芽 ・ニラ
・スナップエンドウ ・三つ葉 ・セリ   
・ヨモギ ・葉山椒 ・初ガツオ 
・あさり ・サヨリ ・メバル ・真鯛
・サザエ            
                etc





今回は二十四節気【清明(せいめい)】についてお伝えしました。
4月に入り春の陽気を感じたり、一転冬のような寒さを感じたりする、まさに三寒四温といった天候が続いています。
これも本格的な春を迎える前ぶれなので、旬の食材を摂って心身を整え清明が表す明るく清らかな春を待ちましょう。