【エストロゲン】
卵巣から分泌される。卵巣がその働きを終える40〜50代ごろから激減するとされている。

《エストロゲンの働き》

・乳房や子宮、膣の発育を促す
・女性らしい体つきをつくる
・身長や体重の増加に役立つ
・肌の潤いや艶を保つ
・コラーゲンの生成を促進する
・骨や血管を健康な状態に保つ
・脳の血流を増やし活性化する
・LDL(悪玉)コレステロールの低下に関与





《エストロゲンが減ると。。。》

・生理不順、無月経など妊娠や出産に関わる機能の低下
・情緒不安定、うつ症状、イライラ
・肌荒れ、くすみ、抜け毛
・骨粗鬆症
・不眠、眠りが浅い
・むくみ
・動脈硬化、脂質異常症、高血圧
・血管の疾病にかかりやすい
・腟炎、性交痛、尿失禁





《植物性エストロゲンとは。。。》
エストロゲンに似た構造を持つ植物由来成分のことを指す。エストロゲン受容体と結合して同じような効果を発揮することが期待できる。
植物性エストロゲンの代表格として挙げられるのが〝大豆イソフラボン〟
大豆で摂る場合、イソフラボンは水に溶けやすい性質があるため煮るよりも〝蒸す〟方が成分の流出が少なくホクホク感が味わえるためオススメとのこと。そのほか、豆腐・豆乳・納豆・味噌などから摂ることができる。
イソフラボン以外にナッツ類やライ麦などに多い〝リグナン(抗酸化力の高いポリフェノールの1種)〟も植物性エストロゲンの仲間。





《エストロゲンを増やすホルモン DHEA》

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は副腎や性腺から分泌されるホルモンで女性ホルモン・男性ホルモンのもととなるもの。〝若返りホルモン〟とも呼ばれる。DHEAを増やせばエストロゲンの量も増やすことができる。
但し、DHEAを摂っても過剰なストレスがあるとストレス対策に消費されてしまうためストレス対策も忘れずに。
また、日本においておよそ27年間の追跡調査が行われた結果、特に男性でDHEAが多いほど長寿であるという報告がされているのだそう。





《DHEAの働き》

・筋力強化
・体脂肪を減らす
・骨密度を増やす
・ホルモンの分泌を盛んにする(不妊症対策)
・インスリンの働きを助け糖尿病予防
・コレステロール値を下げ、動脈硬化や脂質異常症対策
・抑うつを緩和し、意欲を向上する
・老化する皮膚の外観を改善(色素沈着改善、コラーゲン合成を盛んにする)
・免疫力を高めて炎症を抑えたり、腫瘍を予防したりする
・アルツハイマー病の予防、改善
・性欲を増す
・夜間の睡眠を深くする





《DHEAに対して有効な食材》

◎里芋、山芋、自然薯、大和芋、菊芋など粘り気のあるいも類には性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の元となるDHEAが含まれる。
食事で摂ったDHEAは体内でエストロゲンに変換される。

◎DHEAの吸収を助ける食材
・オメガ3系オイル
アマニ油、エゴマ油、アボカド
・抗酸化作用を持つ食材
生姜(成分:ショウガオール)

◎リグナン(抗酸化作用を持つ)を含む食材
ごま、ライ麦、全粒粉





《DHEAを増やすには。。。》

効果があるのは【運動】
なかでも〝下半身の筋肉を活用し軽い負荷のかかる程度の運動〟が効果的とのこと。
ウォーキングであれば、平坦な道を歩いているだけではあまり効果は期待できないため、勾配のあるルートを選んだり、階段を利用するなどして負荷を加えると良いでしょう。また、1日5〜10分程度の軽い筋トレもDHEAの分泌を促すとされています。
但し、運動を〝しなければ〟という思考になるとそのことがストレスになるため要注意。
また、激しい運動もストレスになるため控えた方が良いとのこと。ストレスを抱えることによりDHEAの分泌に悪影響になることから、ご自身に合った好きで続けられる運動を見つけましょう。





《DHEAの大敵はストレス》

DHEAは〝抗ストレスホルモン〟とも呼ばれ、このほかにコルチゾールもその仲間。DHEA・コルチゾールとも副腎で分泌されるホルモンでこの2つが連携すると有効に機能するといわれています。
人間はストレスを受けるとコルチゾールを分泌し血糖値を上げることでストレスから身体を守ろうとします。 ところが、この時にDNAを酸化されたり、身体を老化させる活性酸素が発生します。この酸化を防ぐのがDHEA。ストレスに関するこの2つのホルモンの働きにより私たちの身体は正常に保たれています。
この2つのホルモンのバランスが乱れる原因の1つが〝副腎の疲労〟
ストレスがかかりコルチゾールが分泌され続けるということは副腎が常に稼働し続けるということなので、副腎疲労につながります。結果、DHEAが分泌されにくくなりアンバランスに陥ります。
また、副腎は酸化に弱いとされていて、副腎の疲労を防ぐには、ビタミンCやビタミンE・亜鉛やセレンなどの抗酸化物質を積極的に摂ることが推奨されているのだそう。
この中でもビタミンCは最重要。これは副腎が体内でビタミンCの濃度が高く、消費する量が多いから。副腎疲労の治療にビタミンCが用いられることもあるとのこと。
日本ではDHEAのサプリメントで補充する方法もあるものの摂り過ぎに要注意。(現在、国内製造はされていないとのこと)
過剰摂取すると、倦怠感・肌荒れ・不眠症・多毛症・発汗・不整脈などの副作用がみられることも。そのほか、肝機能障害や前立腺がん・乳がんを進行させるリスクがあるともいわれています。





《DHEAの分泌に睡眠・栄養も影響する》

睡眠が不足するとストレスが溜まり続ける原因になり、コルチゾールの分泌が増えます。すると、DHEAのみならず睡眠ホルモン〝メラトニン〟〝セロトニン〟の分泌が減少し睡眠不足が深刻になり負のループに。
栄養面ではホルモンの原料になるアミノ酸やコレステロールが必須。コレステロールと聴くと悪者扱いされているイメージがありますが、我々の身体に必要なもの。LDLコレステロールの増え過ぎに注意してバランスのとれた食事を。
また、血糖値を急上昇させるような食事の摂り方も回避すべきこと。精製された小麦や米といった糖質を多く含む食品を中心とした食事は血糖値の急上昇に関わります。
その結果、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が盛んになり副腎の疲弊につながります。
それを回避するために〝野菜から食べ始める〟〝よく噛んでゆっくり食べる〟〝大食いを避ける〟など意識すると良いでしょう。





今回は【植物性エストロゲン・若返りホルモン DHEA】についてご紹介しました。
ご紹介した内容は今回のテーマに限らず様々な不調や疾病に対する対処法につながるものも挙げられています。
人が心身ともに健康に過ごすための手立てとして基本に立ち返って日頃の生活を見直してみるのも良いかもしれません。