【皮脳同根(ひのうどうこん)】
皮膚と脳が同じ根源(ルーツ)を持つため密接につながっているという考え方。
発生学的に皮膚(超高性能センサー)と脳(超高性能コンピューター)は同じ外胚葉(※)から作られれていて、ゆっくり優しい触れ方による皮膚入力は安心感やリラックスを形成するのに欠かせないとされている。
特に神経が張り巡らされている肋骨や前腕をさするのが緊張を取るポイントとしてオススメとのこと。

※外胚葉(がいはいよう)
胎児が母親のお腹の中で成長する初期段階で皮膚と脳は同じ細胞から分裂する。





皮膚に心地よい刺激を与えると脳も同様に心地よくなるのが自然な反応とされます。
また、脳で受けたストレスや心配・不安・怒り・喜び・悲しみは神経を通じて肌へ影響していくため、肌荒れなどの症状が現れることがあります。
〝肌は第2(第3?)の脳〟〝肌は心の鏡〟ともいわれ、無意識のうちに快や不快といった感情にも影響を与えるとされています。





不安・心配・怒り・悲しみといったストレスを受ける
⬇️
自律神経のバランスが乱れる
⬇️ 
肌に栄養を与える毛細血管の血流の低下、精神状態の悪化、脳の不安定さなどが現れる

※ヒトの皮膚には〝オキシトシン〟〝セロトニン〟〝ドーパミン〟などの脳内物質を受け取る皮膚の受容体があるため、幸せや意欲などの感情を肌で感じて作り出すといわれている 。

Ex) 
・湯船に浸かってホッとひと息つく
・化粧品の心地よいテクスチャーや伸びの良さを実感する                                     etc





《スキンケアは脳ケアにつながる》

日常生活での癒しの機会として〝スキンケアの時間〟が有効とのこと。それは顔には五感の全てが集約されていることが起因するのだそう。
そして、皮膚に触れる指先は敏感に変化を察知して驚くほど繊細な能力を発揮する器官です。
例えば、赤ちゃんへのスキンタッチなどが挙げられます。赤ちゃんを抱いて沐浴をする際にはちょっとした皮膚の状態や体温の変化を敏感に察知します。
加えて、この指先に微弱な電流が流れていて、そのエネルギーを触れたものに伝えることができるのだそう。

【触れる】という行為は〝オキシトシン(⬇️)〟という脳内ホルモンの分泌を増加させることが分かっていて、心を温かく穏やかな気持ちにしたり、無償の愛を感じたり、脳内のストレスを軽減したりする働きがあるとのこと。
こういった作用を応用すると、手で顔を触れるスキンケアは癒しの要素が強く、これがスキンケアが脳ケアに通ずるといわれる所以です。





【オキシトシン】
3大幸せホルモンの1つで、脳の視床下部で生成され下垂体から分泌されるペプチドホルモン。

[オキシトシンの働き]
・妊娠、出産時に多く分泌され子宮の収縮を促して分娩を進行させる
・乳腺の平滑筋に作用して母乳の分泌を促す
・抗ストレス作用や抗うつ作用があり不安や恐怖の緩和に寄与する
・信頼感や共感性を高める
・親子の愛着行動などの社会的行動に影響を及ぼす

オキシトシンは〝愛情ホルモン〟〝幸せホルモン〟とも呼ばれ、スキンシップやマッサージ・愛情を持っている人との交流・感謝する気持ち・相手を思いやる・ふわふわとした柔らかいものに触れるなどにより分泌が増えるとされる。
オキシトシンが不足すると、気持ちが鬱々とする・言葉が流暢に出てこない・寝つきが悪いなどの症状が現れる可能性があるとのこと。





ウェルネス(より良く生きようとする生活習慣や心身ともに健康でいきいき過ごす状態)・ビューティーの専門家が提唱する〝スキンケア瞑想〟というケア方法があり、これまでのスキンケア・アイテムの使い方や順序だけにとどまらず少し見直しが必要であると伝えています。





【スキンケア瞑想】
脳科学、皮膚科学、心理学、微生物学、五感生理学の観点からポイントが盛り込まれているのだそう。

・目を閉じる
・深呼吸をしながら行う
・ゆったりとしたテンポの音楽をかける
・良い香り(なるべく天然香料を選ぶ)を嗅ぎながら行う
・ポジティブなイメージをめぐらせる
・薬指、中指、手のひらで優しく触れる





上記のポイントによりスキンケアが動的な瞑想になり、肌のケアの仕上がり感・翌日の潤いやハリにも変化がみられ効果が格段に上がるのだそう。
タッチセラピーの専門家の協力の元行われた実証実験では〝スキンケア瞑想によりオキシトシンの分泌量が高まる〟というエビデンスが得られたとのこと。





今回は【皮脳同根(ひのうどうこん)】【愛情ホルモン〝オキシトシン〟】についてご紹介しました。
スキンケアでは高いコスメは必要なく、必要なのはいつも使っているコスメと自身の手指であるため、新たにコストがかかることがないのがメリット。スキンシップではオキシトシンの項目でご紹介した分泌量を増やす行動を参考にしていただければと思います。
皆さんの日常生活において幸せホルモンが増え健やかな心身を保つことができれば幸いです。