【夏に不眠になる原因】
・汗が蒸発する際、体温を一定に保つために自律神経が働く。夏は大量に汗をかくため自律神経は常に働いているということになる。
夜寝ている間にたくさん汗をかくと、自律神経は就寝中も働き続けることになり自律神経への負担が蓄積する。
すると、正しい形で作用しなくなるため睡眠に関するトラブルが起こりやすくなる。
・本来体温が下がってくることで入眠につながるが、暑い夜には体温の低下が妨げられるため入眠がスムーズにいかない。
寝室の温度や湿度が高いと深部体温が下がりづらくなる。特に高温多湿の日本の夏は体温調節がしにくい。
《睡眠のメカニズム》
暗くなると分泌が始まるのが神経伝達物質〝メラトニン〟で『睡眠ホルモン』とも呼ばれています。メラトニンが分泌することで1〜2時間後に眠気を感じ始めスムーズな睡眠へとつながります。
また、〝メラトニン〟は抗酸化作用を併せ持つことがわかっており、睡眠だけでなく健康維持増進にもつながる物質でもあのだそう。このメラトニンを増やすにはどのようにすれば良いのか?
それは〝セロトニン〟をしっかり分泌させること。セロトニンは明るくなってくる朝に分泌され始め、交感神経を刺激して心身の働きを活発にする働きを持ち〝幸せホルモン〟とも呼ばれています。
セロトニンは夜になると松果体(脳幹後方に存在する小さな内分泌器)という部分で睡眠ホルモン〝メラトニン〟が合成されるための原料になります。セロトニンをしっかりと分泌しておくことで就寝時にメラトニンに変化して良い睡眠に導かれるというわけです。
では、セロトニンを増やすにはどうすれば良いのか?
ここで重要になるのが必須アミノ酸の1つである〝トリプトファン〟。この成分は自身の体内では生成できないため食事から摂る必要があるとのこと。
質の良い睡眠を摂るためには、睡眠に関して基本的には夜の行動だけれども朝食の時点から始まっているということなのです。
トリプトファンからセロトニンを生成するには炭水化物とビタミンB6の存在が必須とされているため、朝食には①トリプトファン・②炭水化物・③ビタミンB6の3つの栄養素を摂ることができる食材を選ぶようにしましょう。
①トリプトファン
肉類、魚類、乳製品、大豆製品、豆類、ナッツ類、穀類 etc
②炭水化物
米類、いも類、麺類、パン etc
③ビタミンB6
赤身肉、鶏肉、マグロ、カツオ、牛レバー、玉ねぎ、キャベツ、キウイ etc
①②③の3つの栄養素を合わせ持つ食材が〝バナナ〟忙しい朝にも摂りやすい万能食材です。
◎〝アロマベジタブル〟で不足したトリプトファンをフォロー
日中にトリプトファンを必要量を摂ることができなかった時の救世主が〝アロマベジタブル〟
香りの良いアロマオイルがスムーズな入眠につながるように、夕食時に快眠を促す精油成分などが含まれるアロマベジタブルを食べることでも快眠につながるといいます。
摂るタイミングとしては寝る3時間前までに夕食を済ませておくのがオススメ。
《オススメのアロマベジタブル》
・セロリ
精油成分:アビイン(葉に多く含まれる)
効能)精神安定、安眠
・パセリ
精油成分:アピオール
効能)精神安定、安眠、ストレス解消
・三つ葉
精油成分:ミツバエン、クリプトテーネン
※加熱せず生で摂るのが効果的
効能)鎮静、安眠、ストレス解消
《抑制性神経伝達物質 GABA》
GABA(ギャバ)は、アミノ酸の一種である〝γ(ガンマ)―アミノ酪酸〟のこと。
ストレス対策やストレス解消に効果的とされることからGABAが配合されたチョコレートやドリンクなどが販売されているので見かける機会も多いかもしれません。
人間の脳の中にも抑制性の神経伝達物質として存在しているGABAは脳内の神経の興奮を鎮めて、精神を安定させる重要な役割を担っています。
実際に行われた研究ではGABAを摂取することで不眠・疲労・神経質・易怒性が軽減されることが結果としてなされたとのこと。
ストレス社会であることは否めません。ストレスは睡眠に悪影響をもたらすとされているため、ストレスを解消・緩和する働きを持つGABAは質の良い睡眠やストレス社会には欠かせない成分といっても過言ではないでしょう。
☆GABAを含む食材
発芽玄米、雑穀米、発芽米、スプラウト、味噌、しょう油、大豆、キムチ、トマト、ココア、お茶 etc
※食材から摂取できる量は少量であるため、GABAが高配合された機能性食品やGABAが濃縮されたサプリメントで摂取する方法もオススメ。但し、過剰摂取は厳禁。
今回は睡眠の質を上げる快眠食材についてご紹介しました。
疲労を回復させたり、ケガを修復したりする上でも睡眠は充分にとる必要があります。
その他、睡眠不足である場合充分な睡眠をとっている場合と比較して、体重を増加させる嗜好性の高い食品をより多く摂取して太りやすくなる傾向もあるとされています。
暑い日々はもう少し続きますが、睡眠の質を良い状態にキープして心身ともに健康に過ごしたいところです。