【寒天】
天草(テングサ)などの海藻を原料に作られ、あらゆる食品の中で最も食物繊維を多く含むとされている食材。
食物繊維の特徴により、血圧・コレステロール・血糖値の降下に作用する。また、便秘の解消にも効果あり。
【天草(テングサ)】
東洋医学的特徴
①甘味、鹹味(かんみ)
・甘味
血を補ったり、筋肉の緊張を緩めて痛みを取り除いたりする。
・鹹味(かんみ)
塩辛さ。固まったものをやわらかくする。
②寒性
水分を補い、炎症を鎮めて毒を排泄する。
②寒性には
a)身体の熱を取る
b)痰やしこりを解消する
働きが期待できる。
a)身体の熱を取る
特に身体の上部に作用して、東洋医学における肺の熱を取り肺の炎症が原因の咳や気管支の炎症の改善につながるといわれている。
陰(冷やす働きを持つ)を保ちながら余分な熱と湿気をとる食材といえる。
b)痰やしこりを解消する
天草は体内の湿や痰を取る作用もある。特に痰と熱が合わさったものの解消に適しているのだそう。
また、腫瘤(しこり)をやわらかくして散らす働きを持ち、昔は瘰癧(るいれき=頸部リンパ節炎、結核症の特異型)などの食養生や治療に使われていたのだとか。
寒天は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の特徴を持つのだそう。
[水溶性食物繊維]
・腸内で糖分や脂肪の吸収を遅らせる働きがある
・水に溶けてゲル状になり便をやわらかくする
・善玉菌の餌になりやすい
[不溶性食物繊維]
・水に溶けない性質により便のかさが増えて腸の動きが活発になる
(腸の動きが活発になると基礎代謝も上がり太りにくい体質になるとされる)
・胃の中で食物繊維が膨らむため食べ過ぎ防止の効果あり。
《冬は〝痰飲〟が溜まりやすくなる?》
〝痰飲(たんいん)〟とは、脂っこいものや味の濃いものなどを多く摂ることで消化しきれなかった栄養分が体内で滞ってヘドロ化して気血の巡りが悪くなっている状態を指します。
この〝痰飲(たんいん)〟を排出するのに【天草】は有効だといわれているのだそう。
特に寒い冬は夏に比べ味覚感度が下がり、普段より濃い味でないと味を感知できないため濃い味を求めるようになるのだとか。
では、何故冬に味覚感度が下がるのか?
冬は乾燥の強い季節で口腔内も乾燥します。
口腔内の乾燥によって唾液腺に不具合が出ると唾液の量は低下します。
すると、粘膜が荒れやすくなり味物質が運ばれにくくなるため味覚感度が鈍くなるというのがメカニズムなのだそう。
今回は【寒天】、そして寒天の原料である【天草(てんぐさ)】についてご紹介しました。
食材そのものをいただくのはもちろん良いのですが、パウダー状になったものもあるようです。 パウダーであれば手軽に食物繊維が取れる上、無味無臭なので飲み物やスープなどにプラスしても味を変えないためオススメです。
濃い味を求めがちになる冬に溜まりやすい老廃物を【寒天】のパワーでデトックスしてはいかがでしょうか?