今時は反抗期のない子供が多いらしいけど、
私達世代は反抗期がないほうが珍しかったと思う。


思春期の3人兄妹に
母ひとりの我が家。



それぞれがそれなりに
わりと激しい反抗期を過ごした。




手狭だった狭いアパートは元々
一刻も早く父から離れるための家だったようで、
3年程で子供部屋のとれる次の家に引っ越しをした。



私は中学生になっていた。



子供部屋が出来たことと、
兄や姉がバイトをする年齢だったこともあって
皆が一緒に過ごす時間は減った。




そして、それぞれが反抗期。


一緒に過ごす短い時間の中でも、
穏やかに楽しく過ごす時間はそう多くなかった。



私は褒められた学生時代を過ごせずにいて
母には言えない素行の悪さもあったりして
後ろめたさから母との会話は減っていった。





少し年の離れた兄や姉は、
やがてそれぞれ家を出た。




それぞれ事情があって、
家を出て数年で戻ってきたりもしたけど

家族四人が揃って暮らした時間は
結果的にはあまり長くなかった。






今思えばあの頃が、
母にとっては一番苦しかったんじゃないかと思う。



子供達が続々と反抗期に入って、会話が減って
母が話しかけても冷たくあしらわれて
かと思ったら、素行の悪さでそれぞれの学校から呼びだされたり


母ひとりで子供を養うために必死に働いて
家事をこなして、そんな中で子供達とはコミュニケーションをうまくとれない。
母には息をつく暇もなかったと思う。

自分の事は後回しどころか、全く手が回らなかったと思う。


本当に気苦労をかけてしまった。




当時の家族写真は全くなく、それぞれの節目の記念写真や、友達との写真ばかり。


母がひとりで写った写真が出てきたが、とても疲れた顔をしていた。


そういえば母は、当時写真に撮られることを嫌がっていた。


"綺麗な身なりじゃないから撮らないで"って。





もしも過去に戻れるならって、よく言うけれど
私ならあの頃に戻って、真面目な学生時代を送りたい。



今の自分があるのは、あの頃があってこそだけど

母がもっと気楽に、気苦労なく過ごせるように

母が母ではなく
ひとりの人間として過ごす時間がとれるように、

もっと沢山話をして、
真面目な学生でいればよかった。





でももう叶わない事。



ごめんね、お母さん。