Kumanokodo Iseji Journal 11 | みちびとのたわ事~A diary of route journey~

Kumanokodo Iseji Journal 11

定期的に掲載している熊野古道ガイドジャーナルです☆前回からかなり空いてしまいました・・・m(_ _)m

下の方にはバックナンバーへのリンクも掲載してあります。また、当ブログ右側のブログテーマ一覧にある「熊野古道伊勢路ガイド」からも入ることができます。



新鹿  ~  木本 (波田須の道・大吹峠)  12km


ほの暗い二木島・逢神坂峠道を下り、新鹿の集落へと出ると風景は一変し、白砂と真っ青な海が広がる新鹿海岸へと出ていきます。海水浴場になっているこの海岸は、夏になると関西圏や東海圏から多くの海水浴客が訪れます。熊野古道は新鹿の旧道を出た後は国道311号に沿ってしばらく歩きますが、整備された海岸沿いを歩くのもいいです。



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      夏、白砂と青い海のコントラストの美しさが際だつ新鹿海岸




国道311号里川橋の南詰め海側には、丸石に乗っかった道標が見られます。天保2年(1821)に施されたこの「巡禮道標」の東面には「すくなち山」、西側には「すくいせ道」、街道に沿う面には「右なち道 左いせ道」とあります。この道標はどちらからくる旅人が見ても良いように記されている万能道標なのです。




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                    巡 禮 道 標



海岸を臨む徳司神社を過ぎて数百メートルほと国道311号を進み、木製の道標に従って右折し、集落の間を抜けるごく急な細い道を登っていきます。振り返ると大きく弧を描く新鹿海岸を遠望できます。この先、道標に従いながら今もなお使われている素朴な里道を進んでいきます。



里道を登り切ると右側に庚申さんが見え、国道311号と合流します。ここからおよそ500メートル国道を南へ歩き、波田須トンネル手前で左側へ分かれている古道へ入り、新鹿地区と波田須地区を分ける小さな峠をめざします。



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   国道311号を挟んで新鹿海岸と面する徳司神社


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   樹叢生い茂る徳司神社境内から新鹿海岸を眺める

  
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   新鹿集落の南端を通る熊野古道 現在も里道として利用されています


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                 新鹿海岸を振り返る


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           国道311号に合流する手前に見える庚申像


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           国道311号と波田須への古道との分岐



古道へ入ると、苔むす立派な石畳道が現れます。熊野、西国観音霊場への参詣道として利用されていたほか、ごく最近、今の国道311号ができるまでは集落をつなぐ生活道として利用されていました。その昔、西行法師も休憩したとされる小さな峠を越えると景色が開け、熊野灘を臨む素朴な東波田須集落が現れます。斜面に沿うように続く道とその周辺風景はまさに日本の田舎の原風景といえます。




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               波田須へ越える石畳道


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   東波田須を通る道の一部  ここは今でも現地の人が利用しています


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               東波田須集落と熊野古道 

       国内外問わず、山間部には必ず石畳道が存在する




東波田須集落を抜けた後は、鎌倉期のものと推定される波田須の石畳道が始まります。どっしりと大ぶりの石畳は豪快で、「波田須の道」として世界遺産登録されている区間はおよそ300メートルに渡ります(南へ行くほど石畳は新しくなるため、細かくなっております) 真っ白な鳥居の波田須神社が見えたところで石畳道は終わり、この後は国道311号を横断して波田須集落へと急な坂を下っていきます。



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               波田須神社


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       国道311号沿いの徐福茶屋から波田須集落を見下ろす


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                   波田須の月夜




隠れ里のような雰囲気がある熊野市波田須地区が、この地域は古代のものから中世のものまで、史跡が非常に豊富です。とくに有名なものは徐福の墓。徐福とは今から2200年前、秦の始皇帝の命で不老不死の仙薬を求めて中国大陸から東方へ旅に出た人物です。黒潮の流れでここ波田須に上陸したと言い伝えられています。その後、徐福は無事仙薬を手に入れましたが風光明媚で温暖なこの土地を気に入り、熊野の地で骨を埋めたとされています。その時に手に入れた仙薬が天台烏薬(テンダイウヤク)とされています。徐福の墓は紀伊半島沿岸部ではここ波田須の他、新宮市にもあります。




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         クスの大木に抱かれるように祀られている徐福の墓


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                 テンダイウヤクの葉



熊野灘の怒濤をが常に聞こえるのどかな波田須の里を道しるべを頼りに進んでいくと、西波田須地区に入ります。ここにはJR波田須駅があります。岩盤の壁面に形成された片面ホームのみの駅は日本の秘境駅のひとつとして多くの鉄道ファンに人気があります。斜面に形成された段々畑の石垣はまるで小規模版マチュピチュ!ここには冬頃になるとみかんの目映いオレンジ色で一斉に賑わいます。

弘法大師が杖をついたことによって水が湧き出たと言われる工房井戸跡、近代まで営業していたおたけ茶屋跡を過ぎ、江戸期の巡礼道標が見えたところで左折して集落の急阪を下ります。ここからこまめに設置された道標を頼りに古道を歩いていくと、竹の美林で有名な大吹峠の登り口に着きます。




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         雨降る西波田須の道とみかん段々畑


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                 おたけ茶屋跡前をゆく


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       波田須地区にある江戸期の道標 「左なち山」とあります

       伊勢から西国観音霊場を目指す旅人をみちびいていました


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      波田須地区内の熊野古道は複雑に入り組んでいますが、

      このようにこまめに道標が設置されているため、迷いません


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    波田須地区を抜けると、このように石畳が残る古道がはじまります

    このあと、国道311号にでれば大吹峠登り口まではあと250メートル

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          徐福が上陸した地とされる波田須、矢賀ノ磯



熊野古道伊勢路起点の田丸から新鹿までを見たい方は以下を参照して下さい☆


Kumanokodo Iseji Journal 1   田 丸 ~ 野 中  8km


Kumanokodo Iseji Journal 2 野 中 ~ 栃 原(女鬼峠)  工事中m(_ _)m


Kumanokodo Iseji Journal 3  栃 原 ~ 三瀬谷  12km


Kumanokodo Iseji Journal 4  三瀬谷 ~ 阿 曽(三瀬坂峠)  10km


Kumanokodo Iseji Journal 5 阿 曽 ~ 梅ヶ谷  10km


Kumanokodo Iseji Journal 6 梅ヶ谷 ~ 長 島(荷坂峠・ツヅラト峠)  工事中m(_ _)m


Kumanokodo Iseji Journal 7 長 島 ~ 三 浦 (一石・平方・三浦峠)  13km


Kumanokodo Iseji Journal 8 三 浦 ~ 相 賀(始神峠・馬越峠)  13km


Kumanokodo Iseji Journal 9 相 賀 ~ 矢 浜   9km


KumanoKodo Iseji Journal 10 矢 浜 ~ 賀 田(八鬼山峠)  18km


Kumanokodo Iseji Journal 11  賀 田 ~ 新 鹿(曽根次郎坂太郎坂)・二木島逢神坂峠   9km