かふぇ・あんちょび

このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。


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     作詞 / 来生えつこ   作曲 / 来生たかお




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 一昨日9月27日午後11時、2ヶ月の闘病の末に夏を乗り越えたアンチョビが逝きました。

先天性房室弁閉鎖不全による肺高血圧からの呼吸不全でした。


 動物病院の先生の紹介で大学の獣医学科に行き診断してもらってから、4,5日に一度通院しては胸水を抜いてもらう日々でした。

最近では病状もそれなりに安定し、このまま少しでも楽に日々を過ごしてもらえたらいいな、と思っていた所でした。

最期はすごく苦しがり、とてもかわいそうに思いました。


 それでも、アンチョビが最期に私にくれたこの2ヶ月という日々は、素晴らしい夏でした。


 毎年、私たちふたりは夏になるとお互いを暑苦しく思い、それぞれ涼しい場所で別々に寝る夜を過ごしていたのですが、今年はアンチョビは常に私のそばにいました。

ふと気がつき目を覚ますと、寝ている私の胸や背中に乗ってグルグルと満足そうに喉を鳴らしていたり、枕許の私の顔の隣で寝息をたてていたりするカノジョの姿があったものです。


 2000年の始めに私のところにやってきた時はガリガリで皮膚病の捨て猫だったアンチョビ、享年は6歳でした。

これだけ重度の心臓疾患を抱えて6年も生きているのは珍しい、と、かかりつけの先生も大学の教授の先生も言っていましたが、もっともっと、ずっとのんびりと生きてほしかったと思います。


 最後の晩は病院に担ぎ込み、夜中まで酸素吸入をしたりカゴをビニールで包んだ酸素室に入れたりしました。

鎮痛剤と抗不安薬とで足腰が立たなくなり、半ば白目をむいた意識レベルの低い状態にありながら、アンチョビはかごの中で必死に私の姿を求め、少しでも私に近寄ろうとしていました。


 最期の最期まで、私を好いてくれていました。


 いよいよ呼吸が出来なくなり酸素を喉にソウカンする際に苦しがり大暴れした後、肺に溜まった水を吐いてとうとう静かになってしまいました。

人工的に酸素が送り込まれ、それからしばらく拍動を続けていた心臓がゆっくりと弱々しくなり、アンチョビはこの世を去りました。


 

 次の病気の猫のためにも心臓を研究させて欲しい、という先生にアンチョビを預け、私はそのままパン屋に出勤してパンを作りました。


 翌朝パン屋のオーナーが出勤して来るまでボロボロ泣きながらパンを作った後、猫好きの彼に早く帰れと追い返されて家に戻りました。


 病院からアンチョビを返してもらい、家の庭に穴を掘ってお墓を作りました。

家にいても、いたる所に圧倒的なアンチョビの不在感が漂っていて、今にも廊下をトコトコと歩く小さな足音が聞こえる気がして眠るどころではなく、母親と泣きながらお酒を飲んでアンチョビのお葬式をしました。


 今日は、パン屋で働くみんなから、お花代にしてくれ、とカンパをもらいました。

球根や花の苗を買って、アンチョビのお墓の上に植えようと思います。


 独り暮らしだった私の29歳から35歳までの6年間、古い小さな借家で一緒に暮らした素敵な同棲相手でした。

当時は仕事をふたつもみっつも掛け持ちしていた私が働いている間は半ノラとして外で遊び、私の帰宅をどこかで聞きつけて帰ってきては一緒にご飯を食べて寝る、という生活でした。

 臆病で気の弱い性格で、近所のネコたちにはよくいじめられていたようだし、友達は少ないようでした。

私の連れてくる人間もこわがり、私が誰かを部屋に上げるとのそのそとベッドの下にもぐりこむか、さっさと外出するかしていました。

 当時付き合っていた女性も、先輩であるアンチョビを手なずけるのに非常に苦労していましたし、私が常にネコの方を優先するのによく文句を言い、結局は私はアンチョビには敵わない、とあきらめてもいました。


 これまで私が最も心をゆるし、心から愛したのは間違いなくこのネコでした。

鼻と鼻とを寄せ、お互いの瞳の奥を見つめるあの時の感じ、そして今回の失った後の喪失感、私の乏しい恋愛経験のどれとも較べようもない甘い幸せであり、深い悲しみであります。




 さようなら アンチョビ  また 逢おうね



 季節は過ぎ、やがて寒い冬が訪れます。

すさまじく空虚な気分です。





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