ピッツバーグ

金融サミットが開催されているピッツバーグ。

8年ほど前，仕事で一年あまり住んでいたんですわ。ああ，なつかしい。

ピッツバーグは，製鉄業と習った人も多いはずだ。

Steel baron（スチール・バロン＝鉄鋼王），カーネギー。

しかーし。私が行ったときにはもう，製鉄業なんて跡形もなくなっていたよ。

昔をしのぶため，煙突が公園でモニュメントになっている有様。

今は，金融業，医療，大学教育の町になっている。

アルゲニー川とモノンガヘラ川が合流する三角州がダウンタウンになっていて，ＰＮＣ銀行本社ビルなどがそびえる。

ピッツバーグの製鉄業の凋落は悲惨だった。日本の製鉄業の輸出攻勢により，壊滅的な打撃を受けた。

製鉄所で働く労働者はレイ・オフ（大量解雇）され，日本に対する恨みが相当根深いと聞いたことがある。

私も，ピッツバーグの製鉄業が滅んだのは日本のせいだ！と論戦を挑まれたことがある。

そんなこと，知らんがな。

産業構造が転換していくのは世の常。

製鉄業は日本がダメになり，韓国が席巻したかと思いきや，今はインドのミッタル・スチールだからね。

鴨長明の方丈記を読んで，「無常」を悟ってほしい。

アルゲニー川の流れは絶えずして，しかも，もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたたは，かつ消え，かつ結びて，久しくとどまりたる例（ためし）なし。世の中にある，人と栖（すみか）と，またかくのごとし。

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