2012-07-08 19:58:37

衝撃と覚悟【のがみ】

テーマ:ブログ
後楽園取材。

今、休憩中です。

飯塚戦は今日は見つからないよう、二階席で見つめてました。


長く書いてしまった文章。
保存していたものを敢えてこのタイミングでアップします。


ワールドプロレスリング関東地区の放送で、


私が放ったまさかの衝撃ラリアットが、深夜に放送されましたので、

やはりこれについて触れないわけにはいかないかなぁと考えまして。

ある意味、

「事件」について書かせて頂きます。




それは、衝撃の展開でした。


7.1両国国技館。


武藤・天山・小島VS飯塚・矢野・石井


の試合終了後です。



武藤選手がリング上で手招きしています。

最初は、解説で放送席に座るライガー選手か永田選手を呼んでいるんだと思っていました。

でも何かが違う。明らかに自分の方を向いているのです。


「えっ?僕?僕ですか?」


戸惑いました。


自分がリングに上がるなんていう状況を想像もしていなかったからです。


どうしたらいいのか。

迷っている状況を見た永田選手がすかさず声をかけてくれました。

「いい。行け!野上、行け!」


永田選手の手が背中を押してくれていることに気付きました。


意を決しました。


これはもう、流れに任せるしかない。

ここからの時間はもう、自分が自分じゃないみたいでした。

何度振り返っても、何が起きたんだろう?という疑問符がまず浮かんでくるのです。


リングに上がった私を、武藤選手は出迎えてくれました。

そして私の左の耳元で、耳打ちが始まります。


武「いいか。小島が今からやることと全く同じことをやれよ?いいか?」
野「はい。」


気付けば飯塚はコーナーにぐったり捕獲されています。

そしてまず、私の目の前で小島選手が飯塚に向かって串刺しのラリアットを叩きこみました。


私はすかさず聞き返しました。


野「ラリアットですか?あれを自分がやるんですか?」
武「そうだ。思い切りいけよ?とにかく思い切りだ!俺が行った後、すぐにいけ!」


このやりとりをしている間に天山選手も飯塚に串刺しで攻撃を見舞っていました。


そして武藤選手です。

武「いいか?俺がいったらすぐ行けよ!!」


そう言い残して、武藤選手は串刺しのシャイニングウィザードを叩きこみました。

一瞬飯塚がグラッとなったのを私はリングの中央で確認しました。

『とにかく早くいかなきゃ!すぐ行かなきゃ!』

私はそう思いました。


『行くぞ!』

と思ったその瞬間、とにかく全身全霊の想いを込めて、ラリアットを撃ってやる!!!


と、瞬時に思いました。

もちろん、青義軍特訓でも、ラリアットはさすがに教わっていません。


見よう見まねで、行く!


と決めてからは、無意識でダッシュしていました。




走り始めた自分は、ラリアットを撃ち込むまでのわずかな時間のうちに、きっと無意識のうちに、控え室前での襲撃期間も含めたこれまでの四年間の色々を思い出していたんだと思います。



じゃなきゃたぶん、


飯塚に向かってラリアットを叩きこむなんて、無理だったと思うんです。

興奮状態でなければ、考えられない話です。


『ドン』

レスラーからすれば、軟弱すぎるラリアット。

でも確かに、自分の小枝のような右腕が、飯塚の顔面を捉えました。


今もその感触は右腕に残っています。


でも、とにかく早く飯塚から離れなきゃと、何故か冷静でした。

飯塚にはっきりとした意識が戻ってしまったら、自分はたちまちやられてしまう。

小島選手、天山選手、武藤選手、この3選手のトレイン攻撃が効いているうちに、

とにかく早く逃げなきゃ!


と思い、すぐに踵を返し、私はリング中央へダッシュしました。

天山選手がハイタッチで迎えてくださり、そこでようやく、ほっとしました。

とりあえず、これで自分がやられることはない。

ほんの少しの安堵感。


続けて、武藤選手がLOVEポーズ。

そして武藤選手と目があいました。


これはきっと合図なんだと察しました。


超満員の両国で、自分がLOVEポーズをするのか?


あの状況で、頭の中で考えました。


しかし私は…


自分の頭で結論が出るよりも前に、


ほとんど無意識で、




敬礼ポーズをしていました。


紛れもなく、

青義軍で、

永田選手に教わったポーズです。



かつて、半裸になった状況で、初めて、不意にTシャツを私に着させてくれたのが、青義軍・キングファレ選手でした。

あの温もりが忘れられず、私はお礼を伝えに挨拶に行き、青義軍特訓にも参加させてもらいました。


やはり思い入れは強く、


無意識のうちに、考えるよりも先に、敬礼ポーズが出たのです。


武藤選手に対しては、失礼極まりないポーズだったかもしれません。

でもあれが反射的に出たというのは、私の素直な感情だったんだと思います。


そうして、武藤選手が

「よし。戻って最後まで実況してこい!」と誘導して下さり、


放送席に戻りました。


永田選手もライガー選手も山崎さんも温かく迎えてくださり、お客さんにわかるように、山崎さんは私の腕を高々と持ち上げてくださいました。

両国の大観衆が、

「ノガミ」と声をあわせてコールしてくださったのは、

何にも代え難い感動でした。

本当にありがとうございました。

これは、私の本音です。

本当に嬉しかったです。

ありがとうございました。





しかし。


しかしその一方で。


両国大会以降、自分の中で、自分の考えがぐるんぐるんとまわって止まなかった一週間でした。


私は、長きに渡り、飯塚選手に襲われ続けてきました。

放送席襲撃から2年。
放送されることのなかった控え室前での襲撃も含めれば、4年以上です。
顔を合わせるのが怖くて、中継の度に口内炎が出来ました。
飯塚戦の実況前は、伝えようのない、吐き気にも似たムカムカと共に、しばしば胃の中のものが逆流してきます。緊張からなのでしょうか。
自分の気持ちが弱過ぎるのかもしれません。
でも、やっぱり慣れることはありません。
いつも、怖くて、
深呼吸して気合いを入れなければ実況席には座れません。
戦うことは出来ないから、実況で戦うんだと本気で思ってこれまでやってきました。


ラリアットを撃ち込んだ瞬間、そして両国の皆さんが届けてくれた拍手や声援は、大袈裟でもなんでもなく、一生忘れることはないと思います。
あんなにも、興奮して感激したことはありません。


これはひとつの真実で、私の正直な本音です。


しかし一方で、あれで本当に良かったんだろうかという考えもやはりあるのです。


プロレス実況担当になって、プロレスラーの皆さんに取材をしたり、試合を実況したり、プロレスに近付けば近付くだけ、プロレスラーが命をかけてリングに上がっているという現実に触れます。

そしてその度に、リングは極めて神聖な場所で、戦いは、極めて尊いものだと感じる自分が確かにいます。

だからこそ、自分がリングにあがることへの戸惑いや違和感もやはりどうやっても拭えないのです。

ただし、自分が襲撃され続けてきたということも、これもまた真実であり、流れに任せて思いきり放ったラリアットにより、四年間の想いが報われたと感じ、至極興奮したというのもまた然りなのです。


正直に言って、自分でも、何が正解なのかはわかりません。


自分にとっては、


どんなドラマよりもリアルで。
そしてどんなリアルよりもドラマチックな出来事でした。



予想もしなかったあの日のリング上を経験したからこそ、


だからこそ今一度足元を見つめなければ、ふわふわして自分を見失ってしまいそうだと感じています。



もう一度ここから。

今ここから。


実況で戦います。



琢さんが異動され、

二番手になったとブログでも認めてもらえました。

背負うものが大きくなりました。

今までの自分よりもう一歩踏み出すための努力をしようと思います。


普通のスポーツ中継では考えられませんが、ひょっとしたら本当に、次のステージに進むためには体を鍛えることから始めなければならないのかもしれません。


恐らく、次の山形での飯塚戦の実況は、今まで以上に心して実況席に座らなければならないでしょう。

弱々しいラリアットだとしても、飯塚選手がこのまま引き下がるはずはありません。


正直、今からびくびく恐怖に震えてます。


実況アナウンサーとして、


もう一度想いを新たに、気持ちを引き締めて、真摯に実況で勝負する覚悟です。
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