カリフォルニアで統合医療専門医をしているAnTiyaです。

今日は職場が地元のリゾートホテルのボールルームを貸し切って女性のウェルネスデーのイベント。私は朝ヨガ・サウンドバスの担当で、早朝からホテルに到着、気持ち良い1日のスタートを切りました。私はこのようなイベントで写真を撮らない事が多いのですが、みんな帰って片付ける前にパチリ


全米の統合医療リーダーになりつつある私たちのクリニックが主催するこのイベント、スピーカー達がそれぞれの分野の第一人者で、毎年ソールドアウトになっています。ここ数年、この600人くらいしか入れないホテルの場所では、チケットを買えない方々が多くおられ、来年からは1000人キャパのベニューに移動する予定なのだそう。

そんな素晴らしいウェルネスデーのイベントで、宝物のような気づきや言葉をたくさん受け取ってきました。今年のテーマは「トランズフォーメーション」です。

アルバート・シュバイツアが「未来のドクターは患者自身だ」という言葉を言われていたそうなのですが、本当にそんな時代になっています。自分で自分自身の健康をトラックするウェアラブルを使って色々な研究をしておられる先生の発表では、神経変性疾患の奥さんをケアしている男性が、毎日7日もやるのは大変だからと水曜日だけお休みにしておられて、その彼の健康データー解析を統計学者にそのことは知らせずに解析してもらったら「面白いデータが出ています。なぜか水曜日にすごく調子が良いんです。心拍数も睡眠も。彼が水曜日にやってる事がとっても彼に合ってるようです」と言われたのだとか。コロナの症状が出る3日前からなるよ!とウェアラブルのデータの変化が出てることや、排卵を時間単位で予測もできるし、着床したら、その妊娠が継続していく妊娠かどうかもウェアラブルのデータの変化にバッチリ出るのだそう。

医学部の学生の研究では、夏休みの時は調子がすごく良いのにファイナルの時にはストレス初見がバリバリに出てて、その学生くんがアイスバス(氷水のタブ)に浸かっている時のウエアラブルの変化をライブで計測してたものもとっても興味深かったです。

キーノートスピーカーは、ティエラノア・ロードッグ先生です。彼女は医師、ハーバリスト、メッドワイフ(産婆さん)、マッサージセラピスト、テコンドー3段、ネイティブアメリカンの長老的存在、で、ビルクリントン時代にホワイトハウス直結でアメリカの統合医療のシステムを整備し、これまでに3つの医学部の統合医療フェローシップ立ち上げをやってこられたすごい先生!

私は今、この先生の元で、大学が提供する統合医療のフェローシッププログラムの老人医学と呼吸器の2分野のコースディレクターを担当させていただいています。彼女と一緒に仕事できるなんて夢のようです。

彼女のスピーチはいつもスタンディングオベーションなのですが、今回も私のクリニックのデパートメントヘッドや他の参加者、号泣してしまいました。「ホピ族の有名な言葉に、女性が集う時、世界が癒される、という言葉があります」から始まり、アインシュタインの名言「インチュイティブなマインドこそ天からの神聖な贈り物、理論的なマインドはその召使のようなもの、私たちの社会はその召使を重んじ、天からの贈り物をすっかり忘れてしまってる」なども紹介されて、インチュイティブマインドはいつも私たちに寄り添って色々話しかけてきてくれているのに、私たちは子供の頃から、そのインチュイティブマインドを聞かないようにするように教えられてしまってる。私たちはみんなどうやったら健康になれるか知ってるのに、なぜそれができないの?なぜもっと健康になるためにわかっていることをできないの?

彼女の糖尿の患者さんに、機能性医学のスペシャルな遺伝検査、機能性栄養検査、色々な検査結果をもとにカウンセリングしていた時に「あなたは確か二人息子さんがおられましたよね。でもいつも一人の息子さんのお話だけ出てくるのはなぜ?」ふとしたことからそんな質問が出てきて、お話ししたら、しばらく沈黙した後「酔っ払い運転の車のせいで事故死しました」と答えられたのだそう。その後、その患者さんの本心に迫っていく部分でみんな涙。「I am Angry ! 健康で幸せだった息子はあの酔っ払いのせいでもうここにはいないの」そんな怒りと悲しみを抱えたまま食事はこうしなさい運動はこうしなさい、などのアドバイスは全く無効であることを知っておられるロードッグ先生は「あなたは、私に今、どんなことをして欲しいの、私に何者としてあなたをヘルプして欲しいの』そう問いかけます。彼女に必要なのはセレモニー。診察が終わった後で日を改めて、彼女が息子さんの事故死の怒りと悲しみから昇華できるようにセレモニーを行ったのだそう。

セレモニーは「神からのギフトであるインチュイティブマインド」に自分自身の深い部分にある優しい、違うレベルでの「知っている」と再び繋がるためのドアウェイなのだそう。だから、一人一人自分のリチュアル・セレモニーを自分に合った方法でやって、本当の癒しにむかうために、静けさの中で、深い人生の意味を感じ取りながら、自分をより強く、健康にしてくれるチョイスをできるように、自分を統合していくのよ。「人生はこんなにも美しく、複雑で、マジカルで、困難で、簡単で、そんな人生の中で、あなたにしかできない一番あなたにとって宝物のように大切なことをしっかりと感じ取るのよ。あなたがやらなくてはならないことをやりなさい。正直でいなさい。あなたは永遠にこの命が続くと思っているの?癒しは内面からの変革。ある種のトランズセンデンスのようなものです。

彼女はなんとステージ四の卵巣がんからも生還されておられて、ケモや放射線などの治療を受けながら「私はインチュイティブに感じたの。私はこの大地(彼女が住んでいるオフグリッドのナショナルパークの中にあるランチ)が私を癒してくれることを。だから、私は大地に横たわり、地球にお母さんのように包まれて大泣きして、本来の自分ではない部分を手放していったの。私のランチには13匹もクマが住んでいるの。この土地は優しく古代のソウルが住んでいるからクマ達も安心して暮らせるみたいなの」

そこから動物達のお話しになり「例えばワンちゃんのような動物達とソウルメイトのように結ばれている方々いますか?ワンちゃん達はすごいのよ。看取った後も、亡くなった後も、ハートの中に永遠の愛を残していってくれるのよ」でジーンときました。

その後は、数十年前まで選挙権さえなかったアメリカの女性達、そんな女性の強さについてのお話にもなりました。分娩の時にお母さん達はすごい呼吸をして、命をこの世に生み出してくれたのよ。自分の身体の中に新しい命を宿すことができるっていうことの果てしない強さと力、みんなその力を分けてもらってこの世に出てこられたのよ。

だからホビ族は「女性がそのすごいパワーで集まれば、世の中を癒すことができる」そうなっているのだと感じました。

彼女のランチである夏至のセレモニー行きたいけど、患者さんがもう入ってるから今年は無理!いつか彼女おセレモニーにも参加したいです。彼女のブレンドしたハーブティーが美味しすぎました。



私たちのクリニックのエグゼクティブシェフと、ロードッグ先生のもとでハーバリストになったPAの同僚の先生はティーセレモニー・オリジナルブレンド作りのセッションもやってて、私も色々作ってきました。

シャタバリという根っこのお茶は、別名「1000人の男性」と呼ばれており、女性の性欲増強、母乳などをサポートしてくれることが知られています。ボード試験の時に勉強したきりで本物をまだ見たことなかったのですが、そのティーセレモニーのところにあったので、家に持って帰ってみました。中年のクリニックのスタッフは「私のヴァジャイナはモハビ砂漠のようにカラカラ」などジョークを飛ばしながら、多くの女性がこのお茶をお土産に持って帰ってました。私も頑張りまちゅ。改めて、自分が今おかれているこの職場だからこそ出会えてる素敵な先生方、心にジーンと響く宝物のようなメッセージの数々を胸に、これからも精進してまいります。

あっところで、本当に面白いシンクロもありました。朝のスピーカー3人が、打ち合わせも何もなしに、皆スライドの中に身体を車に例えたスライドがあり、サッシーなスポーツカーからボロボロの車になる(老化のネガティブイメージ)や車のメインテナンスのスライド、など打ち合わせも何もないのに、一人の先生のネタが、次のプレセンターの中にも生かされ、同じネタが偶然あったのも、きっと天プロ(天からのプロダクション)私たちよりももっともっと大いなる神様のような存在がきっとこの統合医療の発展を応援してくれてる。そう感じずにはいられませんでした。