患者さんにリハを提供していると、必然的に患者さん家族と話すことが多くなります。


会話している中で困るのが、やっぱりこんな質問。


「いつになったら歩くようになるの?」


正直困ります…。


医者はなんて言ってるのと聞くと、やっぱり「何も言わない」との返答。


ある程度の予後予測はできるので、なんて言って良いか悩みます。


医者でもないボランティアの自分が、はっきり伝える資格はないし…。


そんな自分も医者と連携して活動しているわけではないので、詳しいデータも見ることはできないし。


てかロシア語の筆記体なんて読めないし!


自分は医者からの処方箋をもらって活動しているわけではなく、リハに来た患者さんの中からもっと必要だと思う患者さんだったり、部屋でリハを行っている最中に「うちの子も見て」と言われて理学療法を提供しています。


日本の法律(理学療法士法)でいくとアウトなんですが…。


話しは逸れましたが、キルギスでは予後予測を伝えないのが良しとされるんでしょうか??


難しい問題なので慎重にならざるおえないのはわかりますが。


よくわかりません…。




そんな中、ちょっとした変化がありました。


今は病棟にいる時間が多いので同僚と話す時間も少ないのですが、帰る間際に同僚からこんな事を言われました。


「病棟のあの子には何をしているの?」、「座れるようになっていたから」


あなたなんで知ってるの?とは思ったけど、良い反応ではないかと思います。


病棟に行って何をしているのか、気になっているだろうとは思ってましたが。


おしゃべり好きのキルギス人。 


少ずつでも結果を出していき、日本的な理学療法に興味をもってくれたらいいなと思ってます。




いよいよ土曜日はキルギス国際マラソン。


明日には会場であるチョルポンアタに移動する予定です。


キルギスの夏のリゾート地、初めてなのでどんな所か楽しみ。






病室を訪問して理学療法を提供するという、新たな取り組みを初めて数日経ちました。


正直な感想としては、大変だけど非常にやりがいを感じているところです。


思うような反応を引き出せない大変な患者さんもいて「申し訳な」「勉強不足だ」と思う事も多くあります。


しかし母親たちからの反応は概ね良好なように感じています。


「初めて座ることができた!」


「初めて寝返りした!」


と言ってくれる母親たちも。


それを見ていた他の母親たちからも「この子も見て」と言ってもらえることも。


そんな感じで患者さんは増えていくんですが、上手く説明できないので、手紙&資料作りが毎日大変です…。


それでも家に帰ってからでも継続してして欲しいので、手元に残る物の方が良いしね。


今行っている活動は訪問という性質上、できる事が限られてしまいます。


もっと広い場所で、もっと動きやすい場所で運動させてあげたいのですが、今はほとんどベッドの上で行っています。


ベッドの上は柔らかく、不安定なので運動させるのには向いていません。


しかし今日、ちょっと嬉しい事がありました。


昨日その光景を見ていた同じ部屋の別の母親が、「私たちのベッドは少し固いから、ここを使っていいよ!」とありがたい言葉をかけてもらいました。


なんだかんだで周りの人たちは見てるし、「自分の思いも少しは理解されているのかなぁ」なんて思った瞬間でした。







金曜日から新しい取り組みを始めました。



以前から考えていた取り組みの1つなのですが、患者さんの部屋を訪問し個別に対応するという活動です。





先週JICAの調整員の方に来てもらったので、話し合いを持ちすぐさま始めたかったのですが、ボランティアの受け入れをしているお医者さんの時間がとれず…。





結局、金曜日にお医者さんと話す事ができ、了解をもらったしだいです。



1日だけですが、いくつか新しい気づきがありました。



個別で話をすることで、直接患者さんの口から訴えを聞くことが出来ました。



「ここが痛いんだけど…」





「走るのが難しくて…」



「寝返りも出来ないんだけど…」



そして「日本のリハビリはどんな感じなの?」と質問もされました。





それに対して簡単に説明をして「年齢や疾患や能力が異なるのに、みんなに同じ事を行うキルギス治療はどうかと思ってる」と言うと、「そうだよね」って感じで話を聞いてくれるお母さんも。





やっぱり患者さんたちはそれぞれに悩みを持っている。



しかしその悩みを相談できる相手も少なければ、そのようなシステムも整ってないのが現状。





本来なら病院がその役目を果たす立場であるのかもしれないけど、そうではないのがキルギスの医療事情なのかも。





この国では医療スタッフ、とくに医者は偉そうにしています。





自分の考えですが、そんな雰囲気だから患者さんたちは疑問に思いながらも、聞いてほしい事があるのにそれも言えず、ただ言われたことを行うしかないのかもしれません。





なによりも患者さんの訴えを聞いたうえで治療を行うのが大切だと自分は思います。



同僚と離れる時間も確保できて、少しはストレスを感じなくてすむかなぁ~って思うと気分的に楽になりました。





とはいっても、これで仕事量は大幅に増えるのは確実で大変になるけど、自分がやりたいと思って始めた事だし、患者さんと話す時間も増えるので前向きな気持ちで活動していきたいと考えてます。