もともとの日本語では麻痺とかしびれは同じ意味でしたが
医学的に「しびれ」は感覚のしびれを
「麻痺」は運動の麻痺を指すように区別されています
しびれ
では「しびれ」と表現されるような感覚の異常はどんなタイプがあるでしょうか
一覧にまとめてみました
- 知覚鈍麻(知覚脱失)
- 異常知覚
- 錯感覚
- 知覚過敏
- 神経痛
- 異痛症
- 深部知覚異常(関節知覚異常)
- 運動麻痺
知覚鈍麻(知覚脱失)
→知覚鈍麻はにぶい(アネステジア)知覚脱失は感じない状態(ヒペステジア)。神経が弱っていたり反応しない状態なので異常知覚よりも重篤な可能性がある。
異常知覚
→ジンジンする(ジセステジア)。感じないものを感じる。感じる能力はあるので知覚鈍麻よりも軽症かもしれない。
錯感覚
→異常知覚の一種。熱いものを冷たく感じたり、別のものを感じる。(パレステジア)。実際はかなり珍しく、医師も異常知覚と勘違いすることが多い。
知覚過敏
→実際の感覚より強く感じる。主に痛覚。(稀に盲人の触覚など)歯が有名ですね
神経痛
→有名なのはハニーボーン(学校で後ろ振り向いたとき後ろの机に肘がぶつかってビリビリした経験があると思います)。瞬間の電撃痛。神経の分布に沿う。痛みが終わった後も違和感が残る。神経という「電線」に外からの力が加わり、漏電ないし放電して痛みを感じるようなイメージ。何らかの原因により繰り返し起こると慢性的な神経痛としてしびれのように感じることがある。
異痛症
→痛みを感じないような軽い刺激なのに痛覚を感じてしまう。(アロディニア)臨床症状だけでは異常知覚や知覚過敏とは区別できない。軽度では痛みはなく違和感のみ感じる。神経の傷や異常発火による。
深部知覚異常
→深部知覚(深部感覚)とは関節知覚のこと。自分の関節がどの程度曲がっているか、という感覚。正座で足がしびれた(異常知覚)とき、異常知覚とはいえ感覚があるはずなのに、足がちゃんと伸びていなくてつまずいてしまうのは関節の角度が感じ取れなくなっているから。
※運動麻痺
→「しびれ」は感覚のみに使う言葉、という定義だが、運動麻痺の急性期(脳梗塞など)でしびれ感を感じることがある。
たとえば末梢神経が再生していく過程で、知覚鈍麻→知覚異常→神経の再生という順番をたどることがある。このとき、感じない状態からいきなりビリビリ異常を感じてしまうため、症状が悪化したと思うかもしれない。しかしそれは勘違いで、実際には神経再生の過程である。