首の後ろは太い神経が通っていて、僕らみたいな仕事の人は神経を傷つけないように気をつけます
首の前の方も脳へ繋がる血管があるので気をつけないといけません
脳に繋がる血管だけでなく
頚動脈洞と呼ばれる場所に頚動脈小体、という米粒ぐらいの器官があります(5~7mmほど)
これ小さいですが重要な器官で
血圧が高いとココが刺激されて血圧を下げたり
二酸化炭素の濃度を察知して
呼吸の回数を調節したりします
この<血圧が下がる>というのは
頚動脈小体の刺激が神経に伝わり
反射的に血圧が下がるんです
神経の反射ですので短時間で起こります
血圧が下がりすぎると脳へ血液がいかなくなり失神します
小体へ刺激があれば呼吸数も変化します
頚動脈というのは内と外に二つに分かれていて
内頚動脈のはじまるところがふくらんでいます
このふくらみが頚動脈洞です
ツボで言えば↑ちょうど人迎というツボの奥にあります
たとえば、柔道での閉め技
ちょうどこの頚動脈洞を押さえて、血圧を極端に下げさせて失神させる
という事もあるそうです
(柔道あんまし詳しくないし間違ってたらすいません。直接動脈を押さえつけて血流を遮る、という事もあるとおもいます)
鍼にも血圧が高い方にこのツボにハリをする手技もあります
僕が鍼をする時もこのツボを使う事もありますが
僕が施術するときは、危ないから深く刺す事はありません
(そもそも書物によっては危険性からハリを刺してはダメ、とされてたりします)
動脈そのものは弾力が強く、鍼が直接あまり刺さらない、と言われています
ゴムホースに当たったような感触で、もし刺そうとしても結構強く押し込まないと刺さりません
ですが、動脈に直接刺さらなくても頚動脈小体があるのでこの部分へのハリは注意しながら施術します
(逆にそこに深く刺せる先生は、それだけ知識と技術と経験がある、という事だと思います)
くりかえしますが、血圧が極端に下がれば脳へ血液を送れなくなり失神します
頚動脈小体は血中の二酸化炭素をチェックして呼吸回数にも影響を与えます
あまりアクティベーターで人迎のツボ周辺を刺激する事は無いですが
アクティベーターでも同様に刺激に弱い部分、例えば首の後ろや恥骨周辺等へは手で覆ってその上から施術します
首の周りは太い神経があって施術の際は気をつける場所ですが
神経だけでなくこういう意味でも気をつけないといけない部分です
首の牽引なんかも、気持ち良いぐらいひっぱると神経にダメージがある可能性があると教えられました
とにかく首周りって気を使う場所なんですよね
頚動脈洞って鍼灸師には常識ですが、普通はこんな事知らないと思うので書いてみました
思いつくままに書いたのでちょっとまとまりきってないですが
リスクを隠してメリットのみを強調する人は信用できませんし
何よりあんな事件が二度と起きないようになって欲しいからです
頚動脈小体への刺激は事件と直接関係無いかもしれませんが
ご冥福をお祈りいたします
首への施術でなくても鍼をすると血圧が下がる事がありますが、、、またそれは別の機会に