今回のシリーズは長くなりそうです。


「父ちゃん、また連載を始める気かえ?」


「何だ、ダメなのか?」


「先月初旬に熊本へ行ってきた時の記事はわずか2泊3日の行程のことを相当な日数をかけて長編小説の如くアップしていたが•••それに匹敵するモノを仕上げるつもりかえ?」


「別にいいじゃないか」


「うんにゃ•••」

と、大きく首を横に振った母ちゃん

「あんなに動画をペタペタ貼り付けたって誰が見るんだえ?そんなことも解らないで何とする❗️」


「むむぅ•••」


というわけで、今回の徘徊録の始まりです。



 えちごトキめき鉄道直江津駅(新潟県上越市)南口駐車場に車を止めたところで背後から今ではこの音すらも聞ける地域が少なくなってきた昭和の高度経済成長期の頃に設計•製造された国鉄型電車のブロワー(主電動機を強制冷却する送風装置)音がゆっくりと近づいてきたかと思うと、私が車を止めた駐車枠の前で列車が停止しました。


 ブロワー音の主はクモハ413-6です。

 国鉄時代末期に膨大な赤字に喘いでいた国鉄が増収策の一環として行った「主要幹線の急行列車を大幅に削減して特急格上げ」施策により生まれた形式の車両です。

 それまで12両編成が標準的な編成だった特急列車の編成を9両編成に減車して、編成から外れた中間車両を集めて一部の車両に運転台ブロック取り付け改造を行って組成して急行列車から格上げして大幅に増発された特急列車の編成を確保した一方で、廃止により大量の余剰車両が発生した急行型電車を地方のローカル輸送用に改造して旧型客車を機関車で牽引して運転されていた普通列車のサービスレベルと速度向上を図った元急行型電車が東北•北陸•九州地区において投入されました。

 その改造の内容は多くが廃車された急行型電車の機器(足回りや屋上の冷房装置など)を再利用して車体のみを新製したものです。そのため、さまざまな機器の音は急行型のそれとなっています。

 かつては国鉄〜JR信越本線北陸本線のジャンクションとして首都圏と新潟県上越地域•北陸や関西と北陸•東北を結ぶ日本海縦貫線の優等列車が数多く発着する要衝だっただけに広い構内を有する直江津駅。列車は私の前で一旦停止して入替のために富山方向に移動していきました。


 今回はこの編成への乗車記が続くこととなりますので、また長くなりそうです。


「父ちゃん、要約して短くまとめるように申し付けたのが理解できないのかえ?」